40 強化スキルはビリビリする
「ぎえっ。クラゲユラユラ!」
今、私は不用意にでかい電気ウナギに触った。
ヘラクレスガードを発動していも、ビリビリを食らっている。
意識は半分飛んでいるが、水中でも空中でも、勝手に浮かんでくれるスキルを使ってその場を離脱した。
◆
コツッ、コツッ。
「はっ」
クラゲユラユラで高さ100メートルほどのダンジョンの天井に到達し、頭をぶつけて目が覚めた。気絶していた。
『神ノ技能』を手に入れ、初の敗北はウナギが相手だった。
地上に降りながら考えた。
あれは間違いなく魔獣だ。電気スキルをくれるに違いない。黄金の鯰と合わせてゲットしたい。
相手は電気を使って強いが、難しく考えることはない。
というか、有効な手がない。だから・・
「ヘラクレスガード、身体強化、口からスライム酸、尻はポイズンニードル、手は水鉄砲、ついでにビッグアゴーとクラゲユラユラ、全部のせ!」
水面すれすれをゆっくり飛んで、水面近くにきたウナギ、鯰にメガスズメバチの尻尾で猛攻撃。
スライム酸、水鉄砲も撃ちまくった。
ビリビリ、「ぎえっ」、バリバリ、「ぎょえっ」、ビリビリバリバリ!
「・・・・はっ」
クラゲユラユラのお陰で落下しなかったが、激戦地から100メートル離れたとこで気がついた。またも電撃で気絶していたようだ。
しかし収穫はあった。
元の川に戻ると、ウナギ2匹、鯰1匹が水面に浮かんでいた。
3匹を捕まえ、丁寧に魔石を取り出した。
もらったスキルは鯰の方が大当たりで「エレキガン」。ウナギスキルは「背中電池」。
ダブル発動すると、2つのスキルに相乗効果があった。
電気と電気の合成スキルだ。
「これはダンジョンボスで試さねば」
100メートル先に下り階段があるのが分かる。
だって、最初にダンジョンコアを食べたときと同じく、美味しそうな匂いがする。
10階に降りると、ためらわずボス部屋に突入した。
サハギン5体で、中央にふた回り大きいのが1体の構成。
「「背中電池」プラス「エレキガン」フル同時発動」
ぱちっ、ぱりぱり。
「背中電池」で背中に8つの魔方陣が浮かび、突起が出現。ぱちっと電気が弾け出した。
それだけだと「待ちスキル」だが、「エレキガン」と融合した。
最高で額から2本、口の両脇から2本、左右の人差し指から2本の計6本。細く電気を帯びた触手が伸び、その触手に背中で作られた電気が混じり始めた。
「ギョエエエエ!」
サハギンが一斉に走って来たが、触手6本を限界の15メートルに伸ばし、1体のサハギンの体にまとめてペタッ。
パーーーンッ!
サハギン1体が跡形もなく弾けとんだ。
残りのサハギンは感電してたので、「エレキガン」の本数を変えてバチバチ実験をして、威力を確認した。
このスキルはいい。発動場所が尻じゃないから、ポイズンニードルと同時に使える。
「いやあ、強力な雷属性か。人に聞かれたら、何の魔法って言おうかな」
なにはともあれ、部屋の最奥から2つ目のダンジョンコアを発見。
「今回もうまそう。2個目のダンジョンコア、いただきます」
ぷちっ。
ピピ・・「カプセルホテル」レベル2に進化・・ピピ
ダンジョンの最奥で1人、ガッツポーズをした。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/43704478
アルファポリスで先行しています
読んでいただきありがとうごさいます




