39 2つ目のダンジョン
ラヒドのカフドルス侯爵家を訪ねようとしたが、ナントカ子爵の息子に絡まれて、慌てて行く気がなくなった。
「本当ならオスカー様のとこに5日後には行こうと思ったけど、メダルを取られたことを説明するのも面倒だし、後ろにずらすか」
なんてことを考えて、ブーヨから西南西に30キロ、廃棄ダンジョンにきてみた。
廃棄ダンジョンとは、発見したはいいが育たず、有用な素材はないのダブルパンチで冒険者ギルドや領主の管理から外れた場所。
ダンジョンコア狙いの私以外には潜らない、ダンジョンなのだ。
「という訳でこっそりダンジョンコアを見つけて食いたいな」
プラス、食材狙い。
ダンジョンに入ってみると、細長い草原フィールドの中に曲がりくねって延々と流れる川。
全10階層の最後まで、延々と流れ、時には水に浸からないとダンジョンを進めないそうだ。
「その川の中にはウナギがいる」
故郷でも食べたことがあるが、泥臭くて不味かった。たが、ブーヨの街で偶然に知ったのだが、背開きか腹開きにして、串に刺して焼くと高級料理になる。
「さらに魚醤で作ったタレでうまさ倍増だよ」
どうやら魚醤ダレに甘味を少し加えて煮るのがコツだそうだか、私には自家製蜜がある。
「ウナギの蒲焼き」というやつを食ってみたいのだ。
食い意地を満たすついでにダンジョンコア狙いで、ダンジョンに入ってみた。
まあ廃棄ダンジョンだから、大した魔物はいない。
頭が魚のサハギンだけだ。
ヘラクレスガード、ポイントニードルの発動だけでどんどん先に進んだ。
魔石からは口と指から出せる「水鉄砲」をゲット。
延々と6階までに降りて、サハギン、サハギン、サハギンで魚なし。
素材の価値なしなので、魔石だけ取り続けていると、「水鉄砲」がレベル3まで進化した。
ダンジョン3日目に9階まで到達して、やっとウナギが登場。強引だがスパイダーネットを重ねて漁師の網のようなものを作り、ポイズンニードルを水辺に乱射。
何とかウナギを網に追い詰めて100匹ほどゲットした。
「鯰も何匹か入ってるけど、絞めてガマ袋行きだな。大漁、大漁」
さらに川を進んで10階を目指そうと思うと、金色のウナギと、金色の鯰が5匹ずつ泳いでいた。
どちらも2メートルくらいのビッグサイズだ。
「ウナギと鯰の魔獣?価値がないダンジョンだけど、うまそうなもんがいるよ」
ウナギが逃げもしないから、ヘラクレスガードを過信してウナギをつかんだ。
バリバリバリ!
「ぎええええ!」
何と、強烈な電気ショックを食らった。
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