34 旅立ち
ローズとパーティーを組んだ次の日、お互いの用事を済ますために旅立った。
旅の資金は十分。ギルドに売却した大猫3匹、賭けの配当金で488万ゴールドになった。50万ゴールド分の物資を買い込んで、残りはガマ収納に隠した。当分は金銭的な心配はいらない。
旅のルートは、クオーカから西に伸びるメルクロードが安全。
でも私は、道は細い上に遠回りになるけど、北の海岸沿いと幾つかの森を抜ける危険なルートを選んだ。今なら簡単には死なない。
森の中には放棄ダンジョンが1つあるから、ダンジョンコアを探して食べるつもりだ。
「レベル1・0のスキル「カプセルホテル」の拡張できないかな」
私は『神ノ技能 魔方陣転写』をもらって多様な魔法とスキルを使えるようになった。
魔方陣転写スキルが常に正確な魔方陣を構築してくれる。だから、常に安定して魔法が使える。
代わりに属性技の熟練度を自力で上げることができない。
例えば、氷魔法の使い手は「氷結」の魔方陣を重ね、熟練度を増し「アイスボール」を使えるようになる。
才能があるものは「アイスランス」↓「アイスバード」↓「クリスタルドラゴン」と氷魔法を進化させていく。
私には、その過程がない。弱点といえば弱点だ。
代わりに、飛躍的に強いスキルを持った魔物を倒し魔石を食べれば、その瞬間から強くなれる。
それに偶然から、ダンジョンコアを食べて「カプセルホテル」をもらった。
あれだけ強力な「ヘラクレスガード」だって、簡単に捕まえたカブトムシからもらっている。
「魔石以外の物でもスキルが手に入ることが分かったし、冒険の楽しみが増えたね」
◆
「あ、チータ見っけ」
ギルドに売った大型黒猫3匹から有用スキルを得た。まず、景色に溶ける「同化」。それから「隠密」と「猫足」だ。
「「隠密」「猫足」「同化」、「ヘラクレスガード」同時発動」
そして鉄の棒を握っている。
見えなくする同化に加え、気配や音まで軽減できる。
敏感な猫化の魔獣でさえも、1メートルまで接近されて、やっとキョロキョロしてる。
鉄棒をチータの頭に向かってフルスイングした。
ゴキッ!
「ニギャ!」
「これが接近戦と言えるのか分からないが、初めて武器で獲物を仕留められた」
苦みがアクセントのチータの魔石を食べると「時速120キロ」、「10秒」の魔方陣が浮かび、「一粒300メートル」のスキルが手に入った。
10秒間で300メートルを強制的に走らされるスキル。曲がることができるし、「猪突猛進」と使い分けたい。
夕方に海の近くに出たが、30メートルくらいの崖の上。
「海を泳ぐスキルもあるし、降りたいな。どこかいい場所は・・。あっ?」
日が落ちる寸前、海面から5メートルくらいの場所から、鳥のようなものが群れながら飛び出した。
「海辺、洞窟らしきもの。群れ。鳥が動かなくなる夕方から活動する。ギルドで聞いたコウモリと一致する」
明日の朝に洞窟に入り、コウモリ捕獲だ。
崖を降りる方法も考え付いた。
携帯食を食べて、カプセルホテルに入って寝た。
夜営でこの快適さは素晴らしい。
この贅沢に早くも慣れてしまった。実はギルド宿泊所でも、部屋の中に「カプセルホテル」を設置して寝ていた。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/43704478
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