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第730話 旭 樹 再召喚 22 ヒールの習得&バイクのプレゼント

誤字脱字等を修正していますが、内容に変更はありません。

 劇の稽古が終ったあと、妻に美容効果が追加されたポーションを手渡した。

 

「あ~、胸はマッサージした方がいいらしい」


 効果を高めるため、精霊王からアドバイスされた刺激(・・)を実践してもらおうとそう伝えておく。

 妻はやる気に満ちた目でポーションを飲み干し、胸を()み始める。

 いや、そんなサービスは嬉しいが今は勘弁してほしい……。

 俺は、そそくさとその場を抜け出し風呂に入った。


 翌日、火曜日。

 ホーム内での昼食時、沙良ちゃんから従魔が新しく光魔法を覚えたと聞かされた。

 テイムLvが上がれば従魔達は種族特性に(ちな)んだ魔法を習得していくが、蜂の魔物に光魔法の適正はあっただろうか?

 ハニーからヒールを受け俺も光魔法を覚える。

 回復魔法を使える人数が、パーティーの半分を超える冒険者なんていない。

 俺達は安全に関し、どのパーティーよりも恵まれていそうだな。


 しかし、この魔法も(しずく)は習得出来ないため寂しそうにしていた。

 覚えた魔法以外に使える方法は何かないか?

 雫だけ皆と差がある状態は可哀想(かわいそう)だ。

 その日の夜。

 (ひびき)に沙良ちゃんが癒し草と魔力草へヒールを掛けたら、花が咲いたと聞かされた。

 娘の魔法はどうなってるんだ?

 テイム魔法もそうだが光魔法の効果は更におかしい。


 咲いた花はエリクサーの原料になるため、これも秘密にする必要がある。

 怪我人の治療をするのは(まず)いと考えた娘は、ヒールのLv上げを薬草に掛けてしようと思ったらしい。

 俺は響と一緒に溜息を吐いた。

 巫女姫の能力は予想以上に多いのか……。


 その後は問題なくダンジョン攻略をし、冒険者ギルドで換金を行う。

 ハニー達が採取した薬草の量が心配だった俺は、娘達が解体場へ行っている間にギルドマスターと面会し、もし保管場所に困るようなら直接薬師ギルドへ卸すよう提案した。

 彼女は俺からの言葉を聞き恐縮していたが、もし想定量を超えるようなら、そのようにさせていただきますと頭を下げる。

 まあ、確実にギルドの想定量を超えるだろう。

 何せ渡したマジックバッグは容量が70㎥の物だ。


 土曜日は響に呼び出され、バイク屋へ向かった。

 店内に入ると乗るならどれがいいと聞かれたので、大型の〇-レーを迷わず選ぶ。

 何だ? 買ってくれるのか?

 そう思っている間に、響が電子メニューを操作し会計を済ませる。


「剣のお礼だ」


「えっ!? 本当にいいのか? お前だって、隠れ家を購入してくれていたのに……」


「あれは第二王妃の予算で買った物だから、プレゼントじゃない。バイクに乗りたがっていただろう? 実は俺に息子が〇-レーを購入してくれたんだ。いつかツーリングに行こう」


 20歳で結婚した俺達は直ぐに子供が出来たため、車以外でバイクを持つ余裕がなかった。

 結婚する前、バイクに乗っていた話を覚えていたのか……。

 親友の記憶力の良さを感心すると同時に、さりげなくプレゼントを贈る行為(こうい)に照れてしまう。

 

「あっ、ありがとう!」


「俺も、この剣は気に入ってるよ。ところで(いつき)、シュウゲンさんに何を約束したんだ?」


「えっ、今それ聞いちゃう?」


 人が感動しているのに、突然水を差すなんて空気が読めない男だな。


「お前、結婚式当日には女性化するんだろう? ヒルダとバレたら、お礼をどうする心算(つもり)だ」


 懸念(けねん)事項を言い当てられ、俺は躊躇(ためら)いがちに口を開く。


「いや、大したお礼じゃないんだけど……。こう何ていうか、男のロマン的な? 顔を……」


「顔を?」


「胸で挟むみたいな……?」


 言葉で予想出来たのか響は盛大に顔を(しか)めた。 

 次に俺を(あき)れた顔で見る。


「お前は……、人妻の自覚が足りない! どう考えても、お礼にしてはやり過ぎだ!」


「あの爺さん、武器を作るの(しぶ)ってたんだよ。それくらいで気分良く作ってもらえるなら安いもんだろう? まさか、義祖父の関係になるとは思わないし……」


「300年も忘れず、お礼を楽しみに待ってる人だぞ? 俺の妻だったとは言えないから、自分でなんとかしろよ?」


「バレたら、その時は覚悟を決めるよ」


「義祖母には内緒にしておけ」


「うっ……了解」 


 プレゼントされたバイクを腕輪に収納し店を出る。

 感謝の気持ちが半減し足取りが重くなった。

 響が飛翔魔法の練習をすると言うから、一緒に付き合う事にする。

 この魔法は、なるべく早めにLvを上げた方がいいだろう。

 移動手段が多いに越したことはない。

 

 俺達が空を飛んでいると、何かが(すご)い勢いで近付いてくる。

 ホーム内には俺達以外、誰もいない(はず)なんだよな?

 警戒し一瞬体を緊張させると、見えてきたのはセイさんだった。

 流石(さすが)、元竜族! 飛翔魔法は練習の必要もないくらい完璧だ。

 お手本のような速度で俺達を抜き去っていく。


「ありゃ、Lvとか関係ないな。元の種族特性が活かされてるんだろう。セイさんは、明日の武術稽古に来るのか?」


「妻以外、メンバーは全員参加だ。俺は魔法を使用した所しか見てない」


「竜族なら強そうだし、明日が楽しみだなぁ」


 お昼前まで練習し、自宅に戻って妻の手料理を食べる。

 結花(ゆか)、麻婆豆腐に何を入れた? 辛すぎて目に染みるんだが……。

 雫が涙目になりながら麻婆豆腐を完食し、さっさとダンジョンで採取した果物を食べている。

 俺も沙良ちゃんからもらったという桃にかぶりついたが、舌が(しび)れて味が分からなかった。

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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。


応援して下さる皆様がいて、大変励みになっています。

これからもよろしくお願いします。

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