表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/45

31話:機械人形


「――おい、あれって」


「――機械人形(オートマタ)じゃないか!?」


 露わになるもう一つの証拠。

 その瞬間、鳥型仮面は何も喋らなくなる。


 俺は続けた。


「機械人形……それが条件付き魔法を発動するためのもう一つのトリガーだ。普通、条件付き魔法には魔力に応じて回数制限が設けられている。その分、強力な魔法が多いが、大きな弱点だ。だがそれなら、魔力を半永久的に蓄積させることが出来る。人間と比べれば、衝撃にも強い。この場でインチキをするにはもってこいの〝器〟だ」


 追い打ちをかけるように。

 俺がそういうと、鳥型仮面は一歩後ずさりする。


「――おい、どうなってんだ!」


「――ふざけるな! このインチキ野郎!」


 周りからの罵声が一気に集まる。

 だが鳥型仮面はやけに冷静だった。


 初めは狼狽えていたが……。


「ふっ、まぁいいでしょう。今回は魔力蓄積値の計測のみとのことでしたが、戦闘テストもしてみましょうか」


 鳥型仮面は剥き出しになった機械人形に片手を添えると。


「やれ」


 そう一言、放つと。

 機械人形の挙動が一気に変化。

  

 溢れ出る魔力が広場に充満し始めた。


「マズイ! みんな逃げろ!」


 だが俺が一声かけた瞬間、機械人形は群衆めがけて跳躍する。

 

「――な、なんだよ。どうなってんだよ!」


「――逃げろ、逃げろぉ!」


 逃げ行く人たちに機械人形は刃を向ける。

 その跳躍力を活かし、最初にターゲットにしたのは一人の小さな少女だった。


「ちっ……!」


 地面を蹴り上げ、一気に加速。

 柄に手に当て、抜刀の準備に入る。


「――GGGGGGGGYUU!」


 不気味な機械音をあげ、切りかかる。

 しかしその刹那の瞬間に俺に相棒が割って入った。


「下衆が……」


 俺はそのまま押し切り、鍔迫り合いを制すると、そのまま奥の住宅壁へと吹っ飛ばした。


「大丈夫!?」


 後からフィオナもやってきた。

 剣を構え、俺の隣に立った。


「俺なら平気だ。それよりも近くの住人を早く避難させてやってくれ。こんな人が多いところで暴れられたら……」


「そっちはもう近くの王宮騎士たちに任せてきたわ。ついでに王宮から護衛も依頼しておいた。もう来るはずよ」


「手際がいいな」


「ま、ここはアタシの庭みたいなものだから!」


 ふふんっと得意げな顔をするフィオナ。

 王都が自分の庭だなんて、一度でもいいから言ってみたいものだ。


「お前も戦うのか?」


「もちろんよ。こんな王都のど真ん中で喧嘩を売られたんだもの。買うしかないでしょ?」


「せっかくの服が汚れることになるぞ」


「別に服なんて、また買えばいいし。それに二人の方が早く倒せるでしょ?」


「まぁ……それでいいなら」


 俺的にはその服気に入っていたから、あまり汚してほしくない……というのは、恥ずかしいから言わないでおこう。


「なら、被害が出来る前に片付けるぞ」


「分かった!」


「ちょっと待ってくれ!」


 人気が一気になくなった広場で。

 ただ一人、大剣を備えた大男が俺たちの元へと走ってきた。


 だがさっきと様子が違う。

 全身には先ほどまで身に着けていなかった鎧が装備されていた。

 

 男は息を切らしながら、俺たちの顔を見つめると。


「俺にも、やらせてくれっ! さっきのリベンジを果たしてぇんだ!」


 物凄い目力を向けて、そう言った。

お読みいただき、ありがとうございます!

モチベーションの向上にも繋がりますので、面白い・応援したいと思っていただけましたら是非ブックマークと広告下にある「☆☆☆☆☆」から評価をしていただけると大変嬉しく思います。


宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ