30話:動かぬ証拠
新年、あけましておめでとうございます。
長らく更新できず、申し訳ございませんでした。(色々あって、多忙でした)
ようやく落ち着いてきたので、今日から更新を少しずつ再開して行こうと思います。
今年も引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。
「剣だ。その剣に細工が施されている」
俺はローブ騎士の右手に持つ剣を指さしながら、そう言った。
「ほう、何故そう思うのですかな?」
鳥型仮面の男は焦る素振りを見せず、冷静に聞いてくる。
「剣体を弾いた時に謎の衝撃波が現れただろう。あれはそこの彼の言う通り、魔法の一種だ」
その言葉に観客たちの反応が変わる。
「――ま、魔法だって?」
「――もし本当なら、ルール違反だぞ」
話し合う観客たちに、鳥型仮面は声を張り上げた。
「皆さん、静粛に!」
その一言でまた広場は静まり返る。
「どういうことか、説明してもらいましょうか」
「いいだろう。その剣を貸してもらおうか」
「どうぞ、どうぞ。それで証拠が示せるのなら、ご自由に拝見してください」
余裕綽綽にそう言うと、剣はあっさりと俺の手元に。
恐らく絶対にバレない自信があるのだろう。
俺の推測が正しければ、この種はほぼ確実に見破られないだろうからな。
普通に見ているだけなら。
俺は剣を受け取ると、全体をくまなく調べる。
(やはり、か……)
俺の予想通り、剣には明らかに細工が施されていた。
それも他者には絶対に分からないよう上手い具合に。
「何か分かることはありましたか? まぁそれは正真正銘、ただの剣なのでどれだけ調べたところで――」
「これは、条件付き魔法だな?」
「……ッ!」
俺の一言で鳥型仮面の反応が変わる。
条件付き魔法とはその名の通り、特定の条件下で発動する魔法術式のことだ。
そしてこの剣の剣体にはそれを意味する術式が込められていた。
「な、なにを言っているのか分かりかねますなぁ」
「恍けなくてもいい。たとえ群衆の眼は騙せても、俺の眼は騙せないぞ」
軽く脅しをかけると。
「なら、今すぐにそれを証明する証拠を見せてください。この剣に魔法の術式が施されているという証明を!」
「もちろんだ。その為に剣を借りたのだからな」
証明、証明うるさい奴だ。
別に言われなくても見せてやるさ。
俺は借りた剣とは別に自身の相棒を鞘から引き抜く。
そして借りた剣を剣体を横にすると、相棒を使って刃を殴った。
「一回……」
さらにもう一回、俺は同じように剣体を殴る。
「二回……」
これをあと7回繰り返したところで、俺は手を止めた。
「皆さま、こちらをご注目ください」
俺は観客に注目を煽ると、借りた剣を思いっきり高く投げる。
同時に飛翔すると、空中で剣体を殴った。
「――!!!!!」
すると空中に謎の衝撃波が生まれ、その影響で剣は凄まじい勢いで競技台に落ちていった。
「――な、なんだよ今のは」
「――すげぇ衝撃を感じたぞ?」
競技台に落ちた剣は地面を抉っていた。
その様子を観客たちは全員唖然としながら、見つめていた。
「これが動かぬ証拠だ。この剣には条件付き魔法には施されており、その発動条件が10回刃に物理攻撃を当てること。そして……」
俺は相棒をローブ騎士のローブ目掛けて一振りすると。
「これが、もう一つの証拠だ」
ローブは綺麗に切り裂かれると、露わになったのは胸元に魔法陣が施された機械人形だった。
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