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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
一章
72/150

72、保護者会議

 そろそろスタックが切れて来ました_(:3 」∠)_

頑張って週一更新しておりましたが、そろそろ息切れで隔週に戻ってしまうかも知れません。


引き続きぼちぼちと頑張って参りますので、今後ともよろしくお願い致します٩( ᐛ )و


 

 早朝のお説教タイムのその後、なかなか起きてこなかったルーナエレンを起こし、コニーと雛のお守りを交代してから揃って遅めの朝食を済ませる。


 ルーナエレンは思ったよりも雛の浄化に魔力を多く使った様子で、食事の間もうつらうつらと眠たそうにしていた為、レオナルドにとっては幸いな事に、(レオナルドの)今朝のやらかしについては気付かぬまま、食後は再び二階の暖炉前に戻り、雛を抱き締め眠ってしまった。


 その間に大人達の話し合いが持たれ、当面の間ルーナエレンには雛がレオナルドの眷属になった件は敢えて話さないまま、交流もこのまま自然に任せる事が決まった。


 レオナルドの野望に関しては、結局雛がどういう生態なのかも含めて様子見する以外他になく、古龍との異種族間の婚姻が成立するのかも不確かな上、更には雛の性別が今の所無性という壊れっぷりに先が見通せないのが現状だった。


 ただ、高位の種族にありがちな、番う相手によって性別を変化させるというパターンの可能性も高いので、魂や魔力の相性と本人の気持ちを最優先にするようにとだけ、レオナルドにしっかりと約束をさせる。


 そして雛はまだ、言葉を理解はしているものの喋る事は出来ず、念話も未習得であるとの自己申告をレオナルドが受けているので、それも周知された。


 とはいえ先日の様に精神体での会話は可能であり、眷属としたレオナルドとは意志の疎通が図れ、コニーとも同眷属として通じ合っている様子なので取り敢えず日常生活には不自由しなさそうだ。


 雛に関しての対処がほぼ定まったところで、レオナルドとアレンハワード、そしてカーターは再びコニーに幼子を任せると、図書室の地階の工房へ足を運ぶ。


 正直コニーと経験豊富な元侍従長ことカーターが居るので、雛にしてもルーナエレンにしても子育てに著しい不都合や手が足りないなどという事は恐らくないのだが、どうしても愛娘には身近に女性が居ないというのが今後どのような影響が出てしまうのか、保護者三人には少々予想がつかなかったのだ。


 実父であるアレンハワード自身にしても、ほぼ男系の家系の三人兄弟であったし、カーターの実子も一人っ子の長男のみで、仕えた領主一家にも女児は居なかった。

 幸いにも孫には恵まれ六人中男女比は半々だが、なにぶんその孫達も領主一族に見習いとして仕えている子以外は外孫の様な環境なので、育児の知識として若干の不安があるのが事実。

 そして残りの一人はレオナルドなので、現状で大丈夫とは思えなかったのは仕方のない事だろう。


 それらの事情も加味して、兼ねてからドライアドの片割れを引き入れる計画を実行に移すにあたり、必要な追加処置を話し合うべく集まったという訳だ。


 三人が囲む作業台の上、他の魔素を一旦遮断する目的でレオナルドの『隔離』空間に仕舞われた、少し痩せた印象を受ける拳大の若草色の蕾に三者三様の視線を向ける。


「繭の中では少ししか見えなかったけど、あの時のメルヴィンの核より、何というか‥‥色も薄いし痩せて見えるね」

「双子とか言いながら、環境が天地程違ったんだろうなぁ。艶も無くしてて、ぶっちゃけ萎びてる」

「‥‥‥色?が、薄いのですか?」


 レオナルドの口振りがまるで野菜の鮮度の様な扱いなのが若干怖くて、カーターは敢えてアレンハワードの言葉を拾って返す。


「そう、この場合は魔石と同じでどれ程の力を内包しているか、色も判断基準になるんだ。大きさ、純度、色。カーターさんのモノクルで、もう少し詳しく視える様になる筈だから、その内に、ね?」

「成程、この歳になってもまだまだ学ぶ機会があるこの幸運、わたくしめもより精進せねば」


 ふふ、と柔らかく微笑んでアレンハワードがカーターの決意を受け取る。


 彼は今まで職務の傍らで、魔道具の使用方法であったり運用の工夫であったりを主に独学ながらも知識を培ってきた様子だったので、今後は扱える魔術や素材が増えた分、貪欲に現在の環境から学ぼうとしているのが微笑ましくもあり頼もしくもある。


 和やかな二人の遣り取りが終わるのを待ってから、レオナルドが改めて話し始める。


「それで、だ。雛にもだが、エレンの側近くに置くのであれば、他の上位者からの干渉は拒絶出来るくらいの強さが必要になる訳なんだけど。でもまぁ、これは‥‥多分問題ない。アレンに異存がなければ、この後作業を始めるまでの期間、収納に仕舞っておけばちょっとした進化をしてるはずだから」

「え?まさか、エレンのクローゼットに一度仕舞うって事?」


 コニーを作成する時、勝手に『過保護』が発動されたクローゼットの様子を思い出したアレンハワードが、一瞬美麗な眉を寄せて困った様な表情を浮かべる。


「核自体を進化させるんじゃないかとオレは予想してる」

「ええ‥‥そう来る、のかな‥‥」

「うむ。で、呪い対策として風への嫌悪もしくは悪意を躱す手段の一端として、ドライアドに新しく属性を付与する場合なんだが」


 常識ではあり得ないが、反則ぎりぎり手前までならレオナルドが無理を押し通すのが解っているアレンハワードは、ドライアドの種族特性と属性を思い出しつつ、メルヴィンを参考に可能性を口にする。


「メルヴィンを見る限り、土も植物もかなりの上位まで自在なのではと、推測出来るね」

「地中に引き篭もりの年数を鑑みれば、土のが強いかもなぁ」


 そんな話をしつつ、結局クローゼットで暫く熟成?させる方向で落ち着いた。


 どちらにしろ、ずっと抱き枕と化している雛をルーナエレンが手放し、熟成後のこの核を直接『視』てから本格的な対応をする事になる筈なので、この後レオナルドが責任を持って『隔離』を解除し、クローゼットへお片付けする流れとなる。


「それで、一つ確認なんだが」

「‥‥‥何の」


 雛の浄化の目処が着き、ルーナエレンが通常の生活に戻れるまでが熟成の猶予と確認した保護者会議の最後に、レオナルドがやや声を落として少しだけ上体を前のめりにして切り出してくる。


 少しの警戒を滲ませてアレンハワードが先を促すと、何時もは何処か面白がる様な光を宿している青い眼が、常に無く真剣な様子でアレンハワードとカーターを見上げている。


「雛に父上って言われたんだけどさ、オレ今後どんな姿で居れば良いと思う?」

「「‥‥‥‥‥」」


 目の前でどんな言葉が出てくるのかと若干構えていた二人の長い沈黙に、レオナルドは少なくとも今後『少女』の姿は封印する事になるのだろうと、理解した。








 * * * * *







 それはあの微妙な終わり方をした保護者会議から二日後の昼下がり。


 余りにも眠ってばかりの愛娘に耐え切れなくなったのは、実父のアレンハワードではなくレオナルドであり、彼は痺れを切らしてコニーにルークの腕輪のコピー品を作らせ、予備の魔石を嵌め込んで浄化の護符を用意した事から訪れた変化だった。


 ちなみにルークはレオナルドの黒い笑顔の威圧にも必死に耐え忍び、ルーナエレン作の腕輪を死守したのだが、その様子に若干の同情を滲ませたコニーが収納から予備の魔石を提供し救ってくれたというのが、事の真相だったりする。


 ルーナエレンにぴったりと寄り添って辛うじて呼吸をしている雛の右前脚をレオナルドが取り、仮の措置ではあるが複製の腕輪を嵌めたのが今日の早朝。


 その昼過ぎには、ルーナエレンも護符のサポートの甲斐もあって幾分すっきりと目を覚まし、雛から自主的に離れて昼食の席にやって来たのだ。


「やっとしっかりと目が覚めてるエレンに逢えた!寂しかったよエレーン!!」


 がばりと黒髪の長身の男性の腕に掬い上げられて抱き締められ、ほんの一瞬ルーナエレンの小さな身体がびくりと震えたが、すぐに相手に思い当たったのか彼女はされるがままに任せて身体の力を抜く。


 そしてすぐ男性の背後にアレンハワードが歩み寄り、黒髪の男性の肩から顔を覗かせているルーナエレンの柔らかい頬に手を伸ばし、そっとそのまろい頬をするりと撫でる。


「本当だ、やっとエレンの綺麗な瞳がちゃんと見られて、本当に嬉しいよ、エレン」

「とうさま‥‥レオナも、ありがと。しんぱいかけて、ごめんなさい」

「ううん、エレンは頑張っていたんだから」


 そこから暫くルーナエレンを抱き締めて離さないレオナルドはまるっと放置して、揃って昼食を摂りながらそれぞれの状況の説明会が始まった。





お読み頂き、有難うございます٩( ᐛ )و


おネェさんのお姉さんのキャラ付け、真面目にやろうと思ってるのですが脳裏でイロモノが準備体操を始めています。

やっぱり双子なのか。。。。。

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