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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
一章
63/150

63、前日の布陣

夏休み始まりましたね。

すっかり体感温度が上がるわ執筆に集中出来ないわで、暑さも夏休みもいやーんです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


皆様も、暑さに負けず、くれぐれもご自愛くださいね!


今回はちょっと短めです。


 

 カーターにちょっとした後処理を投げて空間魔法(おうち)へ先に戻ったレオナルドは、憑依した身体に大分馴染んだらしきルークも引き連れて屋敷中央の奥、地階の工房を目指して歩みを進める。


 ルーナエレンが関わった浄化の護符や魔道具は、想定以上に人見知りな事が確認出来たので、本格的にメルヴィンからの依頼に乗り込む者と地上の監視要員とで割り振らなければならず、それに並行して装備の確認や備品の準備も進めなければならない。


 とは言っても、既にアレンハワードの戦闘スタイルはほぼ確立している。


 普段から装備のあらゆる場所に自らが多用する魔術式を刻み、ほぼ無詠唱にて攻撃魔術を幾つも発動出来る様仕込んであるので近接戦も熟す彼は、如何にも魔術師らしい装備というよりはやや丈のすっきりとした、身軽で装飾も目立たない動きを阻害されない衣服の内側に、簡易ながらも上質な革の籠手を身につけていた。

 実情魔剣士とも言えるが、他者に名乗る必要がある場合は旅の魔術師と名乗るので、ぎりぎり怪しまれない程度の身軽さを偽装しているし、実際に旅装に見える為の工夫も凝らしている。


 そして今回から愛娘の力作の籠手を身につける為、術式の移植や同時発動させる魔術の干渉や効果を確認したり、違和感のない見た目に落ち着ける組み合わせを考えたりと、早朝から既に工房で色々と始めているに違いない。


 他で入用なのは簡易ですぐ用意出来る様下拵えを終わらせた食材や軽食、着替えや万一に備えての毛布やある程度の着替えのストック。

 菩提樹の根元に拡がっているという黒い繭のある空間へ続く道中、何時もの様に空間魔法(おうち)へ出入り出来るとは限らない。お泊まりセットは余裕を持つべきだろうと、ルーナエレンのおやつや飲み物も、かなり余裕を持って収納へ予め入れて準備を整えた。


 これでルーナエレンが起き出して来ても、屋敷の厨房や食糧庫への備えが減っている分の補充のお仕事を幾つか割り振れば、幼いお手伝い願望はきっと満足するはずである。


 そこまでを順調に手回ししたレオナルドは、今度は少し立ち止まって思案する。


 ルークを宿らせたルディとメルヴィンは当事者である側面もあるので同行は確定するとして、コニーもルーナエレンの護衛とするとしても頼りになる戦力になり得る。カーターもコニー同様護衛にもなり得るし、陽動も斥候もある程度こなせるらしいので、彼も同行は確定だ。


 そうなると、警邏と称して残すメンバーのお目付役兼苦情処理係をどうしようかと一巡り考えようとしたが、結局面倒になってアレでいいかと投げやりに決める。


 この箱庭でサリヴァン親娘以外の為に、己の力の欠片でも使う気がないレオナルドは、今回の依頼が終わってもこの土地に遺す眷属など毛頭作るつもりが無い。


 アレなら既に監視の意味合いも含めてレオナルドに丸ごと縛られているのだから、秘匿すべき事柄や事象があったとしても、帝国内外に不用意に漏らさないだろうし、最悪アレの権力も権能も発揮すれば面倒は丸投げ出来そうだ。


 そんな事に考えを巡らせながら、ホウレンソウ〜と鼻歌を歌いながらレオナルドは地階の工房にいるであろうアレンハワードの元に歩を進めたのだった。






 * * * * *





 結局、ラドルファスの周囲に青いひよこちゃんを監視として配置し、更にそのお目付役としてアレンハワードと仮眷属契約を交わしたネヴァンの梟を召喚した。

 ただの梟ではなく、正に長くネヴァンに棲まう聖鳥の梟の翁で、久々の外界だそうだ。


 翁曰く、既に自分と契約を結べる技量を持った一族はネヴァンには久しく顕われなかったそうで、故郷に居た頃のアレンハワードも古い文献を元に試してみたが、能力的に契約を結ぶには足りていなかったのか成功はしなかった。


 アレンハワード自身も翁を眷属化は自分の力量では不可能だと認識していたので、今回レオナルドに試しに召喚()べと言われて渋々試した経緯がある。


「いいか、今回のドライアドの依頼がきちんと終わるまでエレンとは面識を持たせるなよ?」

「ああ、成程?」


 担ってもらう役割が現地への同行ではなく遠隔地であり、少しばかり良い感情を持てない相手の監視と目付けなのだ。

 しかも叡智を司る梟にとって、これまた少しばかり頭というか知性の足りない相手。

 ルーナエレンを認識してしまえば、多少の優しさでもって見守る心情は、あっと言う間に綺麗に消え去るに違いない。


 願わくば、レオナルドの様な破壊に繋がる権能を、躊躇いもなく無慈悲に揮える気性では無いことを祈るばかりである。

 そこはネヴァンの最上層部で翁を過去に眷属化していた存在が、彼の主人として有能だったが故に暴走した様な類の文献は無かったので、推測するしか無いのだが。


 ただ、精霊にしろ妖精にしろ本来とても自由な存在だし、気に入らない事があれば気分に任せ簡単に力を振るう。

 聖獣や裔の神はそれがより顕著で、(ひとえ)に人間の都合や立場など一欠片も関係ないのだ。


 彼等が心のままに惹かれるままに行動するのは自然の理なので、確実に精霊や妖精、聖獣に好かれるルーナエレンに逢ってしまえば、仮の眷属化までしか結んでいないアレンハワードでは制御は望めない。

 まぁそこで最終兵器であるレオナルドが居る為、依頼が無事に終わるまでなら表面的な問題にはならないだろうが。


 ルーナエレンが起き出す前に図書室地階の工房にてレオナルドの報告や人選などを聞き、召喚の話をされてから。

 アレンハワードは念の為、北の隠された鳥籠の温室から実家の隠し工房に渡り、梟の翁の召喚に成功した。


 そして仮の眷属化を経て意思の疎通は図れるようになったので、そのまま空間魔法(おうち)を経由してレオナルドと共に菩提樹の若木の元まで出向き、そのままレオナルドが強制的に青いひよこを召喚()び出し命令を下す。


「いいかひよこ。この梟の翁がお前の今回の上司だ。格の違いは理解してるな?」

『ピィぃぃ!こ、このお方は?!』

「ネヴァンの聖鳥だ」

『っ!!』

「お前はモルガンの小僧の監視と呪いの地上への影響に対応しろ。お前なら執政のエルフにも偉そうに出来るんだろ?」

『ぇぇぇ‥‥‥』

「出来るのか出来ないのか」

『ピィぃっ!で、出来ますうぅぅ』

「じゃあ、オレらが戻るまで上手いこと対処しろ。後、小僧には厳しめで構わん。翁は基本お前の手伝いはしない」

『か、畏まりましたぁ‥‥』


 レオナルドとひよこの遣り取りが終わると、梟の翁はアレンハワードの肩から静かに羽ばたいて菩提樹の若木の枝にふわりと舞い降りる。


『こ、これが‥‥貫禄』

「格の違いだろ」


 後はメルヴィンが伝言というお遣いが終わり次第、顔合わせと事情説明をしたらしっかりと身体を休め、決行は明日とする事になった。


「じゃあ、メルヴィンが戻ってくるまで、食料の調達でもしていようか」


 空間魔法(おうち)の周辺は自然も豊かで草木や果物は豊富なのだが、棲まう生き物はどちらかといえば実体が曖昧な妖精の部類になる為、蛋白源となる肉や魚、それから塩は外界に出て狩ったり採取をしなければならない。


 紹介はして貰えなかったものの、この場でかなり立場が高そうなアレンハワードが告げた言葉にひよこはここぞとばかりに自分か管轄する土地にある、滋養の高い岩塩をこれでもかとばかりに貢ぎ、そして良い狩猟のポイントを意気揚々と案内する。


 前回の圧迫面接にてひよこ座布団になった汚名を挽回しようと必死になっているのが分かっていたので、レオナルドも鷹揚な態度ながらも進言をそのまま受け入れ、賑やかな早朝は魔の森の獣にとってかなりの危険を齎したのだった。






お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


翁さんは寡黙でお話しない系です。コニたんは喋れませんが何処かツッコミ体質な雰囲気。


この後、無事にルディに憑依した状態のルークとルーナエレンの対面が叶い、仲良くお弁当や軽食作りに勤しみましたとさ_(:3 」∠)_

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