表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
一章
61/150

61、護符付き新装備


 更新、遅刻してしまい申し訳ございませんでしたぁ!_:(´ཀ`」 ∠):


戦えるインテリ眼鏡なイケオジ、尊し!


 

 一目で寝不足と解る護符の開発者二名の健康の為、ルーナエレンの強権が発動された結果。

 程なくして上記二名は、速やかに其々の寝室に強制収容された。


 その間にレオナルドがルーナエレンの要望を聞き取り、収納からそれぞれ護符の土台となりそうな、品質の高い粗方組み上がった素材類をテーブルの上に所狭しと並べ、専用の護符の仕様会議が繰り広げられる。

 

「護符って程じゃないが、ちょっとした守袋とか組紐なんかが割と一般的、かな?後は‥‥使用者それぞれの、戦闘スタイルに配慮するくらい?」

「せんとうすたいる‥‥」

「そう。アレンは遠距離なら魔術で掃討するし、近距離であれば魔力を剣として振るったり、相手の弱点属性を纏って体術を使ったりするだろ?」

「うん!とうさまかっこいいの!!」

「‥‥オレだって強いんだからな?」

「うん!レオナもいろいろまっくろで、かっこいい」


 何の含みも悪意も無い至極純粋な感想なのだが、物理的に手を出さないレオナルドの暗躍をちゃんと理解出来ているらしいルーナエレンの、紫の瞳に宿った尊敬の彩は酷く擽ったいと感じる。


 たわいもない会話を楽しみながら、簡単に状況に合った装備や装飾品に防具、種類は違うけれど魔力を殆ど持たない者でも使える魔除けの香や、旅の背嚢や馬車や馬具に着ける簡易の魔道具の話も一つの事例として教わった。


「まぁ、オレが一緒にいれば、雑魚は寄ってこないからな。エレンが見た事ないのも無理はない」


 何処か得意げに話して聞かせてくれるレオナルドに、ルーナエレンはキラキラと瞳を輝かせて興味津々の様子だ。


「アレンは色々自前で仕込んでるから、護符と既存のが干渉しないように都度確認が必要になる。まぁ装飾品でも軽い防具でもいいと思うが、指や首だとか簡単に取れそうな装飾品も、基本除外だろうなぁ」

「じゃあ、たたかうひとには、ぼうぐ?」

「個人的な好みもあるだろうが、あいつはエレンがくれるなら、絶対何でも喜んで身に付ける。取り外しが効くものと、普段から常に身につけられるようなのとかが良いんじゃないか?エレンの負担にならなければ、だけど」

「そっかぁ‥‥うーん」


 考え込むルーナエレンを作業机に残し、レオナルドは図書室の蔵書からカーターが持ち出していたであろう複数の書籍の中から、装飾品の細工の図案やパターンが纏められた職人向けの目録集と、防具に関する書籍、アレンハワードが纏めたであろう幾つかの仕様書を取り出してルーナエレンの前に持ってくる。


「それと、カーターも狼の亜人だからな。パッと見あれで、かなり戦えるっぽいぜ?」

「そうなの?!」

「身体強に特化した種族だし、何よりモルガン自体この帝国の名門武官らしいし」

「カーターさん‥‥かっこいい‥‥」


 少々聞き捨てならない言葉が小さなお口から溢れているが、戦える一見細マッチョのインテリである父親ラブなルーナエレンの好みに、年齢制限は定かではないがかなり綺麗にヒットしているのは理解出来てしまったレオナルド。


 そうして二人は何度か話を脱線させながら、カーターには小さめの護符の魔石が装飾されたルーフタイと、モノクルの蔓部分の回復と魔力循環を紐付けながら護符の効果も上乗せ出来る様、小粒の護符魔石数個装飾に追加する事に決める。

 コニーにも一応、いつの間にか自分で用意して着用している艶やかな黒のベストと共布で、少し大きめな蝶ネクタイを作りその下にチャームとして濃い目の青い護符の魔石を取り付けた。


 アレンハワードには彼の瞳の色に近い、澄んだ淡い水色の大きめの護符の魔石を綺麗に半分にして、魔導銀(ミスリル)の籠手の側面に装飾と一緒に嵌め込んだ。

 魔力を通し易い素材で最高品質であるが故に、ルーナエレンにも比較的簡単に魔力による加工が出来たので、レオナルドに協力して貰い、図書室にあるレリーフや装飾に関する書籍も参考資料として更にテーブルに積み上げ、かなり熱中して作り上げた力作となった。


 感覚を掴んだらしいルーナエレンが予備として、汎用性の高い細身でシンプルな魔導銀(ミスリル)腕輪と比較的小さな護符魔石を数個嵌め込んだ腕輪を二つ程創り終えた頃には、いつもよりも沢山おやつを貰ってしまう程クタクタなお茶の時間になってしまったのは仕方の無い事だったのだろう。


 あまりに熱意を込めて実父へのプレゼントを作っているのが羨ましくなったレオナルドは、本来護符など全く必要ないにも関わらず、お茶の時間中コニーと同じ魔石の一番小さいもので腕輪をしつこく強請り倒し、結果的には勝手に交換条件として差し迫っている決戦の準備諸々を処理を請け負う事になった。


 おやつタイムの後にはすっかり可愛いお目目を擦り船を漕ぎ出したルーナエレンは、ご満悦なレオナルドを放置してふらふらと父親の眠るベッドに潜り込み、ぺったりとアレンハワードにくっついて遅めのお昼寝をし、夕飯よりも少し早い時間にスッキリと起き出した。


 どうやらこの親娘は、互いを補完し合う相乗効果もあるらしい。






 * * * * *





 その日の宵の一刻には夕食を早々に終え、もじもじしながらルーナエレンが手渡して来たプレゼントに、外の状況も忘れてアレンハワードもカーターも大喜びをしていた。


 既に使用者固定の『願い』が発動されるのを確認し、更に素材に追加で自分の好きな術式を二つ三つは足せる品質なのも素晴らしい。

 そして何より本職の職人とまではいかなくとも、三つやそこらの幼い女の子が仕上げたとは思えない程の細やかな彫金の技術に、アレンハワードは懐かしい故郷の血縁を確かに感じ少しだけ感傷的な気分になる。


 現段階で効果がきちんと発揮されるのを確認して、初めての魔道具製作を想定より遥か上の出来栄えで用意出来たのを褒めちぎられ、大満足の内にそのまま寝かし付ければ後は大人達の話し合いとなった。


 まずは普段使用している装備と併せ補いたかった魔術を精査し、互いに己の手の内を順に晒し合い互いの立ち回りを効果的に補い合い、連携が取れるようにする。


「そういえば、緑の人(ドライアド)は?」

「あ」


 この三日、すっかり放置して脳内から存在自体を遥か彼方に忘れ去っていたレオナルドは、態とらしい咳払いを一つしてからルディに憑依しているルークへと、意識を僅かに繋げて素知らぬ声音で呼び掛けた。


『ルークそっちどんな仕上がりだ?』

『身体?雑魚?』

『じゃあまず身体』

『大分動ク様ニナッタ。チビッコノ意識モ薄ラ感ジル瞬間ガ、増エテ来タゾ』

『なるほど。慣らしは出来たが、本人は未だ不在、と‥‥。じゃあ、後者は?躾直しの感触はどうよ』

『‥‥‥‥ドM?』


 話の流れ的には、急に沈黙したレオナルドを黙って見守っていたのだが、不意に少女の眉間に深い皺が刻まれ、可愛らしい小ぶりな唇が真一文字に結ばれたので、アレンハワードは少し首を傾げてアイスブルーの瞳でどうしたのかと問いかける。


「明日くらいには準備を整えて出るかと思ってたんだが、モルガンの小倅はもう少し、時間がかかるみたいだ。予定通りルークで対応する。予備の腕輪にサイズ調整の魔術式と、合流後に双子の魔力の登録を追加しとかないとな」

「そうか、じゃあエレンが用意してくれたのを後で調整するよ。で?それだけ?」

「あー‥‥」


 鋭いツッコミに青い眼がアレンハワードとカーターの間でしばし彷徨い、やがて諦めた様に白状する。


「カーター、お前んとこの当主実弟様なんだが‥‥新たな扉を開いたかも知れないそうだ」

「?!そ、それは‥‥」

「いや、ええと、お前にとっては前の主人の末っ子だっけ?ルディって言ったか、その小倅の慣らしに勝手にやってきた騎士団長を付き合わせたのが三日前。小倅(ルディ)は後天的に先祖返りと始祖の間くらいにな、なってる訳なんだが‥‥ちょっと色々縁深い奴も複数混ざっててだな、調整を学ばせるのと懲罰とを一緒に済ませてしまおうと思って、その‥‥」


 珍しく言い訳めいた口調で状況説明を語りつつ、自分が長時間放置した所為もあるが故の謎の罪悪感を感じているのだろう。最後の方はゴニョゴニョと言葉を濁らせている様子に、アレンハワードは溜息をつく。


「レオナルド様。敢えて一つ、お伺いさせて頂いてもよろしいでしょうか」

「‥‥おぅ」


 内心少しくらいは動揺しているのかも知れないが、カーターは落ち着いた態度でレオナルドに向き直り、椅子から立って背筋を伸ばした。

 自然とレオナルドもソファーに座ったまま、背筋をピンと伸ばして対峙する。


「ラドルファス様は、職場に復帰出来る状態でしょうか?」

「おぉう、ちょっと確認する」

「はい、お願い致します」


 そのまま腕を組んで眼を瞑り、レオナルドはルークに確認すべく再び意識を僅かに違う場所へ飛ばしたのだった。

















お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


そろそろ、話を進めて行きたい今日この頃。

すっかり暑くなって来ましたので、皆さまもご自愛下さいませ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ