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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
一章
54/150

54、改装拡張完了

大幅に更新の時間が遅刻してしまい申し訳ございませんでしたぁ!_:(´ཀ`」 ∠):


ちょっと短めです。

 

 部屋を案内するレオナルドに連れられて、結局大改築された様を確認すべくアレンハワードも連れ出される事になる。


 応接間を出ると、初めて邸に通された時とは明らかに廊下の長さや広さ、そして扉の数までが違っていて困惑するが、大改築を施したと胸を張っていた黒髪の少女のみならず、この邸の主人であるアレンハワードも特に迷うでもなく平気な表情でやや手前を歩いているので、カーターは取り敢えず案内されるがまま歩を進める。


 元は一階に広めの応接間と玄関ポーチと待合と収納が三つ程、日当たりの良いテラスに面した居心地の良い居間と厨房に食糧庫、食堂に浴場と手水場、北の中央部分の尖塔にぐるりと本棚を配した図書室があり、二階部分にそれぞれの個室と工房替わりにしていた一番大きな収納あり、後は屋根裏部屋を含めればそれが邸の全容だったのだが。


 今はそれぞれの施設がかなり拡張された上に、一階の南西にはサンルームや子供用の広い室内遊具やぬいぐるみが置かれた部屋が新設されており、他にも客室が二部屋と談話室配置されている。


 尖塔部分もすっかり広くなり、図書室と半地下に素材の棚がずらりと並んだ工房は、二階部分まで吹き抜けとなっており、作業スペースも充分で数人が作業をしても恐らく互いに邪魔にならないだろう出来だった。


「あれ?レオナルド、外から見たら三階があるように見えたんだけど」

「ああ、予備に拡張はしたけどまだ先行き不透明だからな!予定は未定なんだ!」

「予定は未定って‥‥まぁいいけど。ああ、二階は客室も二つ程増えているんだね」

「アレンの個人的な工房は触っていないから、今後エレンが練習するにしてもカーターが仕事場にするにしても、図書室エリアで余裕を持って作ってあるから、そっちだな」

「成程、レオナルド有難う。手間をかけたね。それに、ベイリー殿も問題なく二階へ来る事が出来る様だし、好きな部屋を選んで貰って構わないですよ?」


 一階をざっと案内された後、尖塔部分の円形の壁沿いにある階段を二階に上がり、広い吹き抜けに面した開けたフロアの東西にそれぞれ複数の部屋があり、南西の角部屋とその北隣にある中庭に面した大窓のある部屋が客室だとカーターに見せながら、黒髪の少女の先導で二階の案内を終える。


「一階だと客室は北西の客室か南東の食堂横になる。工房や図書室の出入りだけを取っても二階からも出入り出来る様にしたから、好きにしていい。アレンが作った『鍵』を選んだ部屋の扉に設定したら、そこがアンタの部屋になるから、その設定さえまた別の部屋に繋げれば部屋替えは簡単だから、気楽にな」

「そ、そんな事が、可能なのですか」


 黙って案内されるがままに従っていたカーターは、少女から語られた言葉に薄灰緑の目を見開き思わずといった風に呟いてしまったが、満更でも無さ気なレオナルドはにやりと可愛らしい口の端を歪めた。


「‥‥嬉しいのは分かるけど、エレンに見せられないような悪役顔してるよレオナルド」

「おおっと失礼」


 ンンッとワザとらしい咳払いをして表情を引き締めると、レオナルドはカーターを見上げる。


「歓迎するぜ。ああそれと、今回の依頼はちょっと緊急なんでな。着替えやら生活用品や作業に必要な道具なんかは、さっきのコニたんが粗方用意している筈だから、部屋を選んで扉の設定が出来たらすぐに滞在中の不便は無いだろう」

「それでも何か不備があるようでしたら、気軽に私にでも伝えて頂ければ出来るだけ希望に添います。勿論レオナルドでも構いませんよ?」


 穏やかに微笑みながら、アレンハワードは部屋を決めた後の扉の登録を簡単に説明し、登録が無事に出来たら図書室で落ち合う提案をする。


 彼等はこの後、屋外の改造具合を確認に行くと言っていた。この場所に降り立ってすぐ、屋敷からまろび出てきた幼子が足を取られて転びかけたのも、その改造が原因の一つだったらしくそれらもきちんと保護者の視点から確認をするのは当たり前との事。


 小さな主人の身の回りの細部まで気を配るのが当然の身だったカーターは、目の前の二人に対して畏怖の念もありながら大変親しみも持てる様子なので、少々じんわりと胸が温かくなった。


 彼等の愛娘が昼寝から目覚めるまで半刻前後らしいので、それまでは図書室での魔術や魔道具についての貴重な書籍や興味がある分野の蔵書を閲覧していても良いと伝え、カーターとは別れ二人で歩き出す。


 一階にレオナルドとアレンハワードが降りてから、広くなった階段下のエリアから新しく外に出られる北向きの掃き出し窓があり、そこに続くウッドデッキから北に藤棚のような小道が続き、その先に認識阻害の掛かった四阿と更に奥に愛娘が望んだ筈の温室があると言う。


 言われるままに進んだ先、そこには純度の高い硝子に覆われた、巨大で繊細な鳥籠の様な温室があった。


 それが視界に入った途端、アレンハワードが短く息を呑みアイスブルーの瞳を僅かに細めたのが分かったのか、黒髪の少女がふんすと鼻息荒く胸を張った。







 * * * * *





 結局カーターは、一階奥の北西の客室を選んで使う事になった。

 そこそこ広く上等な部屋であり、窓からの景色も良好で彼は恐縮していたが。


 扉の登録をした事で、この空間に入る時に浮かんだあの柔らかいフォルムの木製の扉がその部屋の扉となっている。


 カーターはその不思議で非日常な光景に暫く固まっていたが、図書室と工房への興味もここに至るまでの経過から否が応でも昂まっていたので、すぐに図書室へと足を踏み入れた。

 円形の大部屋の奥、北側の壁に沿って直角に幾つもの本棚が部屋の中心から放射状になるように並び、その突き当たりの壁際にも少し弧を描いた形の本棚が嵌め込まれている。


 塔の真ん中は不思議な素材で出来た螺旋階段があり、階段の周りには座り心地の良さそうな二人掛けのソファーが幾つか配置してあり、その間に間隔を開けて小さなチェストと机もある。そして螺旋階段の二階より上には、その真ん中に見たこともないような魔道具の柔らかな光が幾つも浮いていて、まるで星の瞬きを散らした様な幻想的な光景だった。


 三階部分まで尖塔の中は吹き抜けで、この邸宅自体の一階一階の天井も高いのもあって図書室は二階部分にも螺旋階段と通路があり、その間の中二階とでも言うエリアと足場と書棚もあって、一個人が保有する蔵書としては破格の質量だろう事はカーターにとっても想像に難くない。


 そして一階の入り口左横には部屋の六分の一程床が大きく繰り抜かれており、そこに地階へと続く階段と壁に嵌め込まれた照明、図書室の書棚と似た薬棚の様な幾つもの棚や収納があり、その反対側には作業場の設備が整っていて、部屋の東側には水を扱えるような簡単な施設まで備え付けてある。


 それらをカーターはつぶさに見て周り、思わず乾いた笑いを溢してしまう。


 ドワーフの技術があったとしても、ここまで機能美と作業性と利便性も兼ね備えた施設が矛盾なく共存している、現実離れした空間と邸宅は恐らく無いのではないか。

 何よりも、こんなに魔術や魔術式や魔道具についての専門書や、一般に知られていないと思われる文献が圧倒的大多数であり、長い間同じ志もしくは目的を持っている多くの人物が集めたり自ら認めたりしなくては、これだけ集まらないと言い切れる。


 こんな環境を与えられ、そして関わってしまえば、もう自分はこの帝国やモルガン領に所属し続けるのは無理だ。


 正しく神が与えたもうた最後の課題なのかも知れない。

 そう思うと、今回関わってしまった事柄の規模の壮大さに、ぞくりと背筋が震える。


 それからカーターはレオナルドとアレンハワードが、ルーナエレンを連れて図書室に入って来るまで、暫く時間を忘れて新しい知識を貪欲に吸収するべく、様々な書物に没頭するのだった。






 


お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


調子に乗って空間魔法のお家の間取りを考えているうちに、ちっとも話の執筆が進んでいなかったという体たらく( ˊ̱˂˃ˋ̱ )

ほんとに申し訳ないです。。。

そして別棟作るって言ってましたが、温室の下がある種の秘密基地的なものなので、レオナルドさんのやるやる詐欺という訳ではなかったりします。


次はメルヴィンさんブッコム。

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