49、メルヴィンにとっての現状確認
更新が遅くなってしまい申し訳ございません_:(´ཀ`」 ∠):
20時目指して頑張ってましたが、気付くと5分過ぎててサブタイトル未定!(吐血
明日よりはと、21時更新と致しました!
今のところ隔週の週末の更新を目指して、ぽちぽちと執筆しております٩( 'ω' )و
が、頑張りますぅ。。。。。。
忠告という言葉で締め括ったアレンハワードの語り掛けは一見、少し突き放している様な印象を与える。だが、その実深く関われない事情が非常に深刻且つ退っ引きならないものであり、本来縁もゆかりも何の情も持ち合わせない国であり領地に対し、既に過分な助力と助言を奮ってくれているのだと、メルヴィンも冷静になれば理解出来る。
それに対して自分はというと勝手にルーナエレンの極上の魔力を拝借したり、自領の民の為と宣い今思えば軽い気持ちで自分の契約者の血族と娶せようと一瞬考えたりした。
そればかりか一度は軽いノリとどさくさに紛れ、至宝とも云える姫に強引に触れようとして捕縛され、寛大にも心配して下さった姫の嘆願により解放して頂いたにも関わらず、結局破壊の化身にがっちり噛み跡を刻まれ繋がれた。
と、今に至るあれこれを思い起こしたメルヴィンは、再び猛烈な嫌悪と羞恥に襲われる。
《う‥‥埋まりたい‥‥居た堪れない辛い》
自然と下がってしまう視線と同時に俯くと、斜め前から至極機嫌の悪そうな低い声が降ってくる。
「お前、反省は良いが卑屈になり過ぎだ。侵食される前に弾き飛ばしてやったが、根腐れ起こして共倒れするぞ」
声音からは一瞬理解出来なかったが、レオナルドなりの欠片程の気遣いらしい。言われたメルヴィンに伝わる前に、アレンハワードがくすりと微かに笑う。
「そうだね、全てが悪かった訳ではないかも知れないよ。君から伝わっていた地上の様子はきっと、君の片割れには自らが身を呈してでも護った、そして現在も護っている掛け替えの無い世界の様子だろうからね」
「にしてもだ、もっとやるべき事があったのは覆しようも無い事実だろうが。全く‥‥素地が違うとはいえ、アレンの血族とお前の地の種族達の程度が、余りにも隔絶し過ぎだ」
只管に思考が暗く落ち込んで行きそうなメルヴィンが負の感情に染まり切らない為に、少しだけ労わる様に言葉を選ぶアレンハワードとは反対に、照れ隠しの不機嫌な声のまま返された内容は再び苦言とも言えるものになる。
だがアレンハワードからしてみれば、妖精にしろ精霊にしろレオナルドにしろこの物質世界で必死に生を送る種族とは明らかに次元の違う存在には理解出来ない、生き抜く上で培われたものが地域性や環境で大きく異なるという事象が、本当の意味では分析し切れないのだと識っている。
というのも、空間魔法の菜園の杜撰で不可思議な何でもありな有様を創り出したのがレオナルドだからなのだが、それは敢えて口にしない。
「それは個々の始祖の性質もあるし、土地柄も大きい。ほら、氷雪に閉ざされた世界と、温暖で豊かな深い森では大きく文化も異なるし、ここではその始祖を介さずここまで時代を繋いで来たんだよ」
「ふん、何も初期の始祖に障りがあったのは、ここだけでは無いだろうが」
「レオナルド?本当に滑りやすい口だね?」
彼の口調は変わらず穏やかだが何処か棘を含んでおり、レオナルドの話はやや強引に断ち切る様に止められる。
レオナルドが押し黙り口を開かなくなってからアレンハワードは軽く息をつき、上体をゆっくりとソファーの背凭れに預けた。
「メルヴィン、君から請われた助力は、纏めるとだ。まず一つ目、この『寝所』付近の地域に発生する魔獣の原因と対策。二つ目、御子の孵化に関する話。そして最後に魔力を豊富に持つ我々親娘の血と繋がりが欲しい。これが三つ目。こんなところだったかな?三つ目ははっきりと無理だと理解頂けている様だから、今現在では二つ目の、御子の孵化に関してのみが残っている、という判断で合っているかな?」
指を折りつつ今迄メルヴィンが助力を請うた内容を簡潔に挙げられ、自らも状況を再確認する。
一つ目に関しては確かに原因究明と、守護狼の骸諸共失われかけた領主の血族の救済を賜った。これは未だルディが自我を取り戻していないので忘れがちだが、呪いの性質や特性を知る事が出来た上に呪いを遺した存在の一部も浄化出来ており、ある程度見通しがたっている。
『はい、ここまでご助力頂いた上に、誠に図々しいとは存じております。おりますが‥‥御子様のお出ましがない事には、恐らくこの地はあらゆる面で歪みが修正されない処まで来ているのです。勿論我々の怠惰の因果では御座いますが、お慈悲を頂けるのであればどうか、伏してどうか、今一度お願い申し上げます』
深く頭を下げるメルヴィンに、アレンハワードは腕を組んでうーんと一つ唸ってからゆっくりと、先程自分が黙らせた相手にアイスブルーの瞳を向ける。
「レオナルドどう思う?今の戦力で地中深くに眠る、太古の古龍の御子が呪いに塗れているのを、私が相手に出来るものかな?」
「アレンとエレンだけで切り込む訳じゃないし、憑依したルークとコニたんには割と期待出来るんじゃないかと思えるが‥‥そうだな、一応エレンの浄化を聞き取ってちょっと解析して術式に発せたら、少し余裕が出て後手に回らずある程度の結果が出せるんじゃないかと思うぜ」
レオナルドの答えた内容を精査するように、アレンハワードは形の良い顎に手を当てて少し目を伏せて考え、軽く溜息を吐く。
「また何か創るのは良いんだけど、エレンと私の魔力が絡むとここは不都合がないかな?ほら、コニーの実例もある上、守護狼との戦闘ではむしろ怨嗟を増幅させてしまった訳だし」
「成程。じゃあ、術式だけお前が構築して、モルガンの者に造らせるか組ませるのではどうだ?オレにはとんと宛はないが、メルヴィンに該当する技術を持つ人選を任せればいい」
そこまで言うと、メルヴィンに向かってレオナルドが鷹揚に冷たい視線を投げかける。
『え、ええ。丁度趣味の範疇を超えた逸材に心当たりがありますが‥‥彼はこの場所に立ち入れる程の魔力はありませんよ?』
「ふん、一度オレが直接見てやろう。魂の選別で然程害と感じない者であれば良い。不安であれば、記憶くらいはどうとでもなる」
不穏な発言を得意げにしたレオナルドに若干じっとりとした視線を向けるアレンハワードだが、この現地の協力者を挙げさせた事自体が、『超越者』であり感情の発露からまだ時間の経過の少ない彼なりの、メルヴィンの内にある罪悪感に対する気遣いだろうと感じたので、それ以上の追求は飲み込む事にする。
それにしても、レオナルドの分かり辛く不器用な気遣いに思わず口の端を微かに緩めずには居られなかったが、敢えてそれを口にしてメルヴィンに伝えてやるつもりもないアレンハワードは、今後の予定を手短に取り纏めた。
「では、私は今夜の内にエレンの浄化に該当する術式をある程度予測して幾つか割り出して見るとするよ。エレンが明日起きてから実演と解説をして貰えば、少しは良い組み合わせが出来上がるかも知れないし」
「そうだな。浄化の属性の問題もあるから、最悪でも古の風を誤魔化すなり吸収を阻害するなり取れる手はまだあるからな」
レオナルドがニヤリと不敵に笑った表情が余りにも整い過ぎているが故に恐ろしくて、ブルリと震え上がったメルヴィンは自分に課せられた役割を遂行すべく、レオナルドとアレンハワードに礼を取りつつ声を絞り出す。
『畏まりました。では私は戻り次第、その者に命を下します。明日、参じる刻限と場所は如何致しましょう?』
「そうだね、君が連れて来る人物のひととなりも確認するみたいだから、朝食後少ししてからが良いかな」
「じゃあ、その頃にオレが直々に、菩提樹の若木まで出迎えに行ってやろう」
口振りからは、関わるであろう人物を空間魔法に迎え入れる流れだが、そもそもあの空間に足を踏み入れられる程の魔力と霊格があるのか分からない。
勿論メルヴィンがその条件を理解していない筈がないので、迎えに行くというレオナルドがどうにかするのだろう。
取り敢えずは今目の前の美丈夫の姿のまま、威圧を振り撒きながらの初対面を果たすまだ見ぬ人物に、若干の同情を抱いてしまうのは仕方ない。
「レオナルド、念の為に『レオナ』で行くのかな?」
言外に脅したり怯えさせたりせずその人物と対面出来る可能性が増えるよう、十歳程度の少女の姿を指定した。
「猫も山程目一杯に被らないと、技術者が腕を振るえないなんて事態は笑えないからね?」
「‥‥分かった。最初はなるべく擬態に気を配ると約束しよう」
軽口のように交わされる言葉に、一瞬契約者のかつての侍従長を宛にしていたメルヴィンは、言いようのない不安を感じつつも他の選択肢が見当たらず、彼の不運を心の中で詫びたのだった。
お読み頂き、有難う御座います٩( 'ω' )و
コニたんの試運転は第二段階まで一応確認出来たとして、「試運転」をタイトルから外しました。
本当にサブタイトル付けるの、下手で泣けます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)




