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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
一章
17/150

17、領主一族の動き

メルヴィンどこ行った!自領で迷子なのか!?と自分でも突っ込む程の出てこなさ_:(´ཀ`」 ∠):

今回は世界の設定だとかで、すごく手間取ってしまいました。


そして、ブックマークやメッセージ、評価など、本当にめっちゃくちゃ嬉しいです(*´꒳`*)

一人でニヤニヤしてしまいました!

これからも拙いですが、頑張りますので、お付き合い頂けると幸いです!٩( 'ω' )و

 

 ここ数日、城内に勤める文官も女官も侍女も家庭教師も、それに騎士団も明らかに慌ただしく動いている。家庭教師も常に穏やかな表情を保っているのが常だが、何処か意識が他に向いているのか耳の動きが隠し切れていない。


 ルディはマルティエ帝国のオクリウェートとの国境に領を預かる、辺境伯であるモルガン伯爵の三男で、今年の中春の月に六歳になった。

 他の国の事はまだ家庭教師にも学び始めたばかりで理解が追い付いていないが、このマルティエは少々特殊な国家である。

 古の龍の遺骸がそのまま大地の恵みとして未だ現存し、龍の寝所という地域が国に存在し、このモルガン領はその領内に多く該当する地域を持っている。龍の寝所が特殊と言われるのは、この地が龍の力によって魔素や魔力が他領より遥かに豊かであり、その恩恵も弊害もどちらとも大きい土地だという事。


 故に、龍の寝所を治める他の領の種族も、モルガンと同じく高い戦闘能力を有する優秀な種族である場合が多い。

 その他では豊かな恵による素材を魔道具の素材へと加工する技術を誇る種族や、魔術に他種族より造詣が深い種族、それを流通させる商業の才に特化した種族の領地などが挙げられる。

 それらの個々の領地は旧小国家郡であり、身を寄せ合うように帝国となった。


 自然と北のオクリウェート、北西のネヴァン、西のフェイトリネア、更にその西隣のカトルボルグが大陸のほぼ真ん中に位置する大河で接する国境沿いこそが、マルティエではこのモルガン領であり、一番の要所であり大きな国境門となっている。

 実力のない領主と辺境騎士団では、とても帝国内の他領を護れない関係上、モルガン家は魔力量も戦闘能力も高い事が要求される家柄であり、幸い現当主は領内最古の妖精と契約も結んでいる。


 長男であるイーサンは今年十四歳で頭脳派で思慮深い人柄であり、魔力も良い契約相手が見つかれば現当主にも迫るのではないかと目されている。来年の成人を待って、領主の執務の補佐を始める事になっていた。

 次男のバーナードは今年十二歳ながら体格に恵まれており、魔力は専ら身体強化に特化していた為一番武勇に特化していると言える。ただ、見た目に反して少々気が優しく、魔獣以外での闘いが万が一起った場合の判断が若干不安視されていた。

 そしてルディはというと。

 まだ幼い三男という事もあるが、兄二人と比べると平均と言えた。


 先代までと違い、現当主には今までにない程の契約妖精が居る。跡目争い等とは縁遠い結束力を持つ、狼の眷属の特性を持っているからというのもあるが、それでもルディが兄達に及ばないと、内心燻っていても仕方なかったかも知れない。


 そんな折、ルディは領内の要所で眷属に準ずる魔獣の話を領主の執務室で耳にしていたのだが、翌朝というには早い時間に、乳母も務めてくれていた侍女に寝室のふかふかのベッドの中で身体を優しく揺すられた。


「ルディ坊っちゃま、ランドルフ様がお呼びでございます。すぐに支度を整えますので、起きてくださいませ」

「‥‥わかった」


 本当はもっともっと眠っていたいけれど、こんな夜も明け切らぬ時間に領主である父に呼ばれるなど、火急の要件に違いない。眠い頭でそう考え、もぞもぞと暖かいベッドから身体を起こす。用意された手桶で顔を洗い、同じく用意されていた衣装で身支度を済ませてから、側仕えと共に部屋を出て領主の執務室を目指した。

 扉の前で領主の護衛がノックをし、ルディの訪れを告げて入室の許可を得てから室内に招き入れてくれた。


「父上、おはようございます。お呼びでしょうか?」

「ああ、ルディ。こんな時間にすまないな。バーナードもすぐ来るだろう、少し待て」

「はい」


 緊張しながらルディが返事を返したその一拍程後、執務室の扉が再びノックされ、バーナードの来訪を報される。同じように室内に招き入れられ、彼も側仕えとルディの横に並んだ。


「父上、おはようございます。ルディも、おはよう」


 挨拶を返しつつソファーに促され、現当主と息子二人が向かい合うように席に着いた。


「お前達の耳にも入っていたと思うが、領内で異例の魔獣報告だが。昨日、討伐が為されたとの知らせが入った」

「!!」

「本当ですか父上!!」

「ああ、本当だ。ただ、偶然居合わせた、腕の良い魔術師殿の助力が無ければ、敵わなかった討伐だったそうだ」


 ランドルフの口から紡がれた魔術師と云う言葉に、バーナードもルディも思わずといった風に口の中で「魔術‥‥」と漏らす。


 魔力は保有していたとしても、マルティエ帝国内に攻撃魔術を実戦で連続行使出来る者は然程居ない。帝都であれば、それこそ宮廷魔術師として一定数存在していると聞くが、生憎とこのモルガン領では、補助魔法や支援魔法で精一杯といったところだ。

 それでも、豊かな魔術具の素材がある環境と近隣の魔術具開発のルートを持っている為、昨今の特殊な魔獣でない限り、遅れを取ることもなかった。


 例外として、現当主の末弟でモルガン辺境騎士団の団長を務めているラドルファスが、領主一族で唯一突然変異若しくは先祖返りか不明ながら、火の魔術の適正を持って生まれ、自らの長剣に魔術具を用いなくても火属性を付与する事が出来る。『龍の背骨』付近の調査報告次第では、騎士団長自ら討伐に向かう予定となっていた。


 それが、無事に討伐が為されたという。

 どんな魔術で報告のあった魔獣を討伐したのか、どんな人物がそれを成したのか。

 幼い二人の好奇心や憧憬が内混ぜになった瞳を、輝かせ対面する父親を見上げても仕方の無い事だ。

 その二人の表情を受けて、先程契約妖精と話して目論んだ計略は腹の奥深くに隠し、ランドルフはほんの少し口元を綻ばせる。


「ラドルファスを使者に出したが、是非とも直接話を聞きたいと思っている。バーナード、ルディ。直ぐに出立の準備が出来るのであれば、明の一刻の鐘が鳴るまでに城の西門まで来い。話は以上だ、戻って疾く支度を整えておけ」





 * * * * *



 本来、森に惑わされながらの徒歩であれば、十日とアレンハワードが聞いた領都と『龍の背骨』との距離は、土地に慣れた者であれば六日、馬車を使えば二日程の距離がある。石畳の街道が整備されているのは、ほぼ領都に入る郊外に差し掛かった頃でやっとではあるが、主要な移動手段が馬か徒歩である為、街道の途中に小さな宿屋を兼ねる馬借が整備されていた。


 昨夜の伝令の早馬では、宵の一刻の鐘(午後六時)と共に要塞を魔馬で出立し、小休憩程度の魔馬の交換以外を挟まず闇の四刻(午前四時半相当)という計七刻分(十時間半)の時間でその距離を駆けている。同じ魔馬とは言え領主一族の為に設えられた、あらゆる魔術具で改造された馬車によりも、訓練された兵士の体力も耐久力も馬術も上回っているし、小回りも利きく故に叩き出せた速さなのだ。

 結局使者として闇の四刻のうちに出立したラドルファスとコナーに遅れること一刻、明の一刻の鐘(午前六時)と共に領主(ランドルフ)は子息二人を連れ、最低限の荷物と人員で『龍の背骨』へと馬車を走らせた。


 座面と背の部分に上質な魔獣の毛皮と羽毛でクッション状にし、車輪の振動が車軸に伝わるまでに緩やかにする風の魔術具を組み、馬車の外壁には大型の鳥の魔獣の魔力を多く含む素材を惜しみ無く使用したという、高機能で贅沢な馬車だったが、遠出にも馬車にも慣れていないまだ幼いルディもバーナードも、長時間は耐えられない。

 必然的に二刻毎(三時間毎)に小休憩を挟みつつ、旅程として中継地点となる幾つかの町ないし街で魔馬も替えながら、『龍の背骨』にはその夜、宵二刻頃(午後七時半頃)には到着の予定という強行軍ぶりだ。


 そして昼休憩を挟んで走り詰め、予定より少し早く三分の二となる地点の街の別邸でお茶休憩を取る事になった時の事。

 息子達と馬車を降りたランドルフが不意に、表情を固くした。

 それにすぐ横を歩いていたバーナードが気付き、まだあどけなさの残る顔に少しだけ戸惑いの表情を載せ、小首を傾げる。


「父上?」


 次男に呼びかけられ、ハッとして従者と息子達に視線を向ける。


「済まない、少し席を外す。バーナード、ルディ。俺が戻る迄であれば、自由行動を許す。少し旅程も余裕があるし、其方達の護衛と共に行動するならば、街を見て回って来ても良いぞ。‥‥さて、この辺りで人払いが出来る場所はあるか?」


 言葉の後半部分は従者に向かっての言葉のようで、ランドルフは従者に案内されながら、街の役場へと行ってしまった。


「兄上!行こうぜ!!」

「あ、待ってルディ!迷子になるよ!」


 微笑ましげに兄弟を見守る護衛を従え、バーナードとルディは賑やかな商店が建ち並ぶ通りに向かって、元気よく小走りに移動して行った。



*世界設定*

・一年は12ヶ月・四季あり

春(初春の月、中春の月、晩春の月)、夏(初夏の月、中夏の月、晩夏の月)

秋(初秋の月、中秋の月、晩秋の月)、冬(初冬の月、中冬の月、晩冬の月)

・一月は25日、一週間が5日(五週間)

曜日は時刻の区分四種と安息日が最後に一日で、計5日。

・時間の概念

朝(明・四刻)、昼(陽・四刻)、夜(宵・四刻)、深夜(闇・四刻)

それぞれ一刻は1時間半に該当、よって一日は十六刻

時計の魔道具はありますが、午前六時・正午・午後六時・午前零時に当たる明一刻・陽一刻・宵一刻・闇一刻に鐘が鳴ります。

厳密には「分」の概念がないので、一時間半の間が◯刻という扱いになります。半刻という表し方となります。



そろそろメルヴィンさんを本気で召喚したいです!

カモーン!ニューカマー!(違


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