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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
二章
120/150

120、お迎え

もう恒例となった遅刻懺悔_:(´ཀ`」 ∠):

申し訳ござらぬぅぅぅ(キャラ崩壊?!


若干短めです。


 

 精霊でありながら物理特化のチェリー姐さんを、通いにするか住み込み?にするか三人で話し合いつつ、今週中の課題でもあるギデオンの事も伝え、この後の予定として遺跡へ向かう事にした。


 今後、同僚となる予定のギデオンの簡単な為人等の説明に付け加え、チェリー姐さんが大いに興味を惹くであろう遺跡でのあれこれも、敢えて一緒に語って聞かせると、大方の予想通り、少々引くくらいの喰い付きを見せた。


 グランジエールの予想だと、恐らくギデオン達もチェリー姐さんに引く程喰い付くと思っている。主に角の辺りの素材的な意味合いに。


 なのでこの後ギデオン達とは引き合わせ、それぞれの相性なども確認しながら週末に義父の審査を受け、青ひよこと同じような対応となるのだと思われる。


 ギデオンは正式な従者契約を結べば、恐らく職人の立場も含めて空間魔法(おうち)に立ち入る許可が降りる筈。


 (ギデオン)はやや粗野ではあるが乱暴という印象は無く、その言動は理知的であり腕の良い職人である。


 知識人としてもルーナエレンと接する事が可能な、貴重な人材となる事は勿論、遺跡に関する様々な知識に関しても、アレンハワードとも厚く意見を交わすであろう姿が容易に想像出来る。


 物作りに深い造詣のある種族なので、カーターとも恐らく親密になるに違いない。


 どこまでがレオナルドの意図で組立てた状況なのかそこまでは理解出来ないけれど、グランジエールにとっても良い出逢いである事に違いは無かった。


 国境を越えて然程北上した訳でもないので、本日はチェリー姐さんの案内で付近の景勝地巡りや素材の固有種の有無、顔を合わせておいた方が良さそうな近隣の有力上位種族に関してだけは知識のみ、一日を費やす。


 そうしてルーナエレンが喜びそうな風景を記録の魔導具に納め、サリヴァンへのお土産の鉱石や魔石を複数『収納』に入れ、ギデオン達ドワーフが喜びそうな鉱物系素材を携えて、翌朝三人は意気揚々と遺跡へ向かって南下を始めた。


 尚、チェリー姐さんのテリトリーであった湖の温泉は、龍脈の支流減少の影響で放っておいても本来の環境に戻るのみだと本人が言い切るので、周辺の生体環境も含めて放置である。


『じゃあ、そろそろギデオンにあいにいこうか』

『ピヨ!』

「‥‥温泉改革が楽しみだ」


 最後の一言だけややベクトルがおかしかったが、先日とは打って変わって少し遅めの朝の出立になった。






 * * * * *






 ギデオン達が住処としている遺跡の拠点は、国境マルティエ側の山脈の中腹寄りに位置する。


 試運転とばかりにチェリー姐さんの背中に乗っての移動になったのだが、当然鹿なのでどうしても肢体の上下動作が想像以上に激しかった。


『‥‥‥』

『要改善点、デスピヨ』


 青ひよこもグランジエールも基本的に念話でしか対話手段がない状態なので現状としては被害はないが、これは色々と調教(話し合い)が必要だろう。


 ましてや現状ではこの大鹿にあの空間魔法(おうち)への立入り許可は当面無いと断言出来るし、ルーナエレンに対面させる事はまず無いとこれも断言出来る。


 春以降外向きだけの付き合いになる可能性も考えつつ、ギデオン達とある程度の利害関係を結べて程々良好な関係を結べるのならば、相応な対応も都度考えるのが無難かも知れない。


 そんな風に思考を巡らせている間に、何時しかオクリウェートとマルティエの国境を越え、見覚えのある閉ざされた集落付近に差し掛かった。


「ここ‥‥嫌な雰囲気だな」

『ピヨ?』

「嫌な匂いが色々混じってる」


 ふと脚を止めたチェリー姐さんがボソリと呟いた声は、一割増程低くなっている気がする。


『イヤなにおいって?このすこしさき、むじんになってるエルフのしゅうらくがあるけど』

「フゥン‥‥じゃあ害獣対策としてハーブや匂いのキツイ低木が、意図的に植えられてるのか」

『ああ、獣除けデスピヨ。でも、確かにちょっと匂いがキツイですピヨね』

『そう?まえも、こんなだったっけ』

『うぅん‥‥冬真っ盛りにしては、確かにちょっと?あまり覚えていないですピヨ』

『ってコトはだよ?ぜんかいは、きおくにのこらないていどだったなら、へんかがあった?』


 それぞれ首を傾げるが、先週ここに来たというグランジエールと青ひよこの記憶には、周囲に植えられているハーブや低木の香りはほぼ残っていないらしい。


 今回敏感に感じたのはチェリー姐さんであり、その発言に意識が引っ張られて印象付いた可能性もある。


 ほんの少しの違和感を丁寧に探るにしても、龍脈の支流の減少の影響という一番の変化があったばかりなので、今となってはきちんとした調査は難しいかも知れない。


 何よりも集落の住人が居ないので、現地の本来の姿や状況が把握し辛いのだ。


『ギデオンにごうりゅうしてから、りゅうみゃくのそうさぜんごのへんかとか、きいてみないとだね』

『ピヨ』


 そうしてグランジエールが最初に遺跡に入った洞窟へ向かい、入り口付近で一悶着ありはしたものの、無事にドワーフ達の拠点の広場へ三人は辿り着いた。


 広場でグランジエールと青ひよこの背後に控える大鹿の威圧的なサイズ感が若干バグっている気がするが、ギデオンは遠巻きに彼らを跪いて迎え、ギデオンだけが少しおっかなびっくりながら出迎えの挨拶を口にする。


「若さま、青水晶の大精霊様、良う戻られた」

『うん、きたよ』

『今週もよろしくですピヨ』


 非常に切り出し辛そうにギデオンの口髭がもごもごとしていたので、グランジエールは敢えて先に二つ目の課題について片付ける事にする。


『ギデオンは、こんごボクとこうどうをともにするかくご、できた?』


 新しい顔ぶれの説明をする前に、所属をはっきりさせるつもりであると感じたギデオンは、自然と背筋を伸ばして顎を引いた。


 そして恭しく跪き、胸に左の拳を当てて首を垂れる。


「今後、儂は若さまに全てを捧げ、若さまの恩為に生きると誓う。火の精霊と土の精霊、山の神々の身元に還るその時まで」

『うん、ありがとう。これからも、よろしくね?』

「はっ!」


 ギデオンに関しては、勝手に何か縛る様な事はしない。


 きっとレオナルドやアレンハワードが、カーターに与えたような何かを用意している筈だからだ。

 それに自分には、精霊や妖精となら強引に絆を結ぶことが出来るけれど、亜人であるドワーフ族のギデオン個人とのこれ以上の絆というのは、そう簡単に結べないのだ。


『もう、しゅったつできる?』

「この週末に猶予を頂いた故、いつでも」

『うん、じゃあドワーフのみんな。またね』


 朗らかな可愛らしい念話の声が、今まではギデオン以外には聞こえなかった筈の残留組ドワーフ達に届いた。


 一瞬揃って厳つい相貌を、驚愕で目を見開き口を半開きにしてしまっていた彼らだったが、驚いている間にギデオンを迎えた一行は柔らかな空気と共に消えてしまっていた。


 青ひよこの土魔法によって、一瞬で地上へと出立したのだろう。


 実を言うと、チェリー姐さんの精霊らしからぬ狭い場所に馴染めない性分が、限界突破寸前だったと言うのが事の真相だったりするのだが。


 後のギデオンの話では、別れという程自由がない訳ではないし、何よりも湿っぽいのは苦手だとそっぽを向いてカーターに語っていたのだが、それは年配組二人の秘密だそうだ。






お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


チェリー姐さん、もしかして狭所恐怖症疑惑。

本来マテリアルボディを持たない精霊のはずなんですがね_(:3 」∠)_


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