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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
二章
115/150

115、縛る

先週は、体調不良にて勝手ながらお休みさせて頂きました。

また、ぼちぼちと頑張って参ります_(:3 」∠)_

よろしくお願い致します〜٩( 'ω' )و

 


 発覚した龍脈の本流についての対処と処分はコニーを先行させ、青ひよこを処してからコニーに同行させる流れをレオナルドから説明されたグランジエールは、改めて「隷属」という単語に不安げな彩を花緑青の瞳に浮かべてしまう。


「契約より確かに厳しい縛りだが、それだけの事を此奴等はやらかしてんだ。メルヴィンに至ってはもっとだし、エルフ供は‥‥少々支流を確認した後にはなるが、氏族の関わりが確認出来たら即断だ。それらの対処はオレがするから、お前は気にしなくて良い」

『‥‥わかりました。あ、さんばんめのかだいはどうしたら?』


 国境をやや超えて火に纏わるイベントを起こせと言われていた件を思い出し、尋ねてみる。


 するとレオナルドは少しだけ考えるように視線をやや上に向け、すぐに問うように見上げるグランジエールと視線を合わせてくれる。


「正直今回の龍脈の支流を減らす作業によって、今後のその件に関しての予定が立たんのだ。支流を減らした場合、下手をすればそいつらも滅族の可能性も出てくるかも知れん。何よりも今後のエレン達との旅にも、支障が出る。それもあって、お前を強化出来るタイミングはなるべく減らしたくないんだ」

『‥‥わかり、ました。すべておぜんだてされた「きょうか」がほんとうにボクのちからになるのか、じしんはありませんが‥‥なるべくちちうえのおっしゃるとおりにします』

「‥‥良い子だ。じゃあなるべく自力で頑張れ。でも最低限は、エレンの為にも課題として取り込めよ?」

『はい、ちちうえ』


 足りない属性を考えた上で出会えるであろうタイミングと場所を幾つか指示を受け、その上で極小粒の純度の高い魔石を数個渡された。


「マルティエは地表の魔素も古龍から供給されている土地柄もあって、そう簡単に精霊や妖精が弱る事は無い筈だが‥‥国境や地下、環境によっては該当しないだろう。もし目の前に瀕死で有用な種族が居て、更にお前の直感で助けるべきと判断した場合に限って、それを使え」


 少々言い方がマルティエでは使う必要は無いと含んでいる様子だが、あくまでも判断はグランジエールに任せてくれているらしい。


 冬の間だけの先行だが、その間だけでも救える部分は救って力を蓄えさせ、更に助力を得やすい方法なのだろう。


 グランジエールは、こくりと頷いた。


「じゃ、早速」


 その声音は酷く冷たくて、アレンハワードが稀に纏う冷気よりも数段低くて身を刺す程に冷ややかだった。


 思わずびくりと身体を震わせたグランジエールは、目の前で平伏していた青ひよこの大精霊を無造作に掴んだレオナルドの動作を金縛りに遭ったように身動ぎ一つ出来ないまま視界に映す。


 ブルブルと身を縮こまらせた哀れな毛玉の胸に、無造作な動きでずぶりと義父の指先が突き刺さるのが見えた。


『!!』


 肉声では無い悲鳴が、魔素を介して直接グランジエールにビリビリと響くものの、存在そのものに関与する何かに干渉し削り取り支配される苦痛と恐怖を突き付けられたという青ひよこの感情が、ダイレクトに入り込んでくる。


 無意識に目を逸らすか瞑るかしそうになるも、それでも自分に関係する処置だと必死に心に言い聞かせ、刺す程に鋭利に伝わってくるそれ等に自分も染まらないよう怯えないよう、懸命にただただその光景を見守った。


「グランジエール」

『っ!は、はい』


 目の前で行われた何かは、時間にしてみれば一瞬の事だっただろう。

 だが、恐怖と苦痛を己の事のように感じたグランジエールは、レオナルドの低くて平坦な声音で名を呼ばれ、漸く我に帰って急いで返事をする。


「今のお前からもう少し成長してから取り込めるように、時限式な処置を施しておいた。これは、収納で所持はせずここで飲み込め」

『ええ?!』

「ひよこの核だ。隷属とはいえお前が変な指示を出さない限り、大した縛りはない。だがお前や我々に不利益に繋がるような事は、ほぼ自動で制限が掛かるだろう。ダミーの核をひよこには仕込んであるから、言う程此奴の能力は劣化しないとは思うが‥‥まぁ、使えるとお前が感じたら、前にも言ったが違う形や名をやるといい」

『ええと、ルリビタキ?でしたっけ』

「ああ、残念ながら他の姿は無理っぽい。なんで固定なのか‥‥もっと格好良い下僕になれれば良いものを」

『は、はは』


 目撃したものも気付いたものもいなかったが、その時マルティエの帝都の地下洞窟に鎮座する立派な青水晶群は、音も前触れもなく半分程度の大きさになってしまっていた。







 * * * * *






 青ひよこへの対処を終えたレオナルドは、下僕について簡単な取り扱いの説明を残してコニーに先行させた支流関連の雑務の確認へ行ってしまった。


 その場に残されたグランジエールと青ひよこは、何とも言い難い複雑な心境で対面している。


 義父曰く、隷属とはいえ下僕でありダミーの核しか持たない青ひよこは、グランジエールから離れてしまうと大精霊としての権能をほぼ行使出来ない身となったという。

 そして平素必要がないというか、出番が無い場合は何とグランジエールの中にある縛られた核に戻る為、本体の青水晶には帰れないのだそうだ。


 それによる副産物とも言えるのだが、結果として青水晶の力を大幅に削られた帝都のロートリンデン氏族は自然と能力の半分以上を封じられた形になり、龍脈を利用して得ていた特権も権能もほぼ使えなくなったという。


 余談ではあるが、今回発覚した長年の龍脈の不正利用は純朴なウィカーエバニ氏族はやはり関わりが無かったようで、元より権力欲もない彼等にはほぼ影響は出なかった。


 他に魔力量が豊富な亜人種はこの影響下にあまり無かったが、幾つかの有力な精霊や妖精が勝手や生活が変わったと騒ついたものの、すぐに黒い影と白いふわふわにビビり上がって大人しくなったと、青ひよこを通してグランジエールの耳にも何度か入る事になる。


 心無しかふわふわしていた羽毛がパサついてしょぼくれてしまった青ひよこを目の前にして、グランジエールは何と切り出したら良いのか迷いつつ、しかし義父達の動きの速さを考えるとすぐさま第三課題に向けて動き出した方がいいだろう。


 今は頭を切り替えて、勤めて明るめな呼びかけをする。


『ええと、いまのげかいのまりょくのじょうきょうがよくないのとか、ボクのうかがここまでじかんがかかったのもよくないというのはほんとうだけれど。いまだからこその、きずなをもてたとおもってるんだ』

『若さま‥‥』

『ちちうえのとりきめだから、このじょうきょうをかえることはできないけれど。よほどのことがないかぎり、ボクはキミになにかをしいるつもりはないんだ』


 出発まであまり時間を取れないけれど、これから四六時中共に過ごす事になるのだから、程々の距離感で互いに不快にならない様にしたい。


 そう考えて、なるべく柔らかい気持ちである意味本音を溢してみる。


『若さまぁ‥‥頑張りますピヨ!!』

『うん、あんまりひどいしゅじんだと、きっといんしょうわるくうつるとおもうしね』

『ん?!何か仰いましたピヨ?』

『なにかな?』

『???空耳でした?』


 仔猫の姿でありながら器用ににっこりと微笑んでその場を流したグランジエールは、可愛らしく小首を傾げて義父に課された第三課題について、ほやほやの湯気を出す程のヒヨッコ下僕に尋ねてみる事にしたのだった。








お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


グランジエール君は、悪い印象が自分につくのを回避したいのでふ_(:3 」∠)_

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