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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
二章
111/150

111、お出迎え

大遅刻ですε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

日付を跨いでの更新で、申し訳ありません!

ごめんなさいぃぃ_:(´ཀ`」 ∠):

 

 実父の次に保護者にも等しいとこっそり思っているレオナルドが「養子」にした雛ことグランジエールは、ルーナエレンにとって大事な温もりのあるもふもふである。

 コニーと似た毛並みや質感ではあるが、より艶やかでしっとりとした毛艶で、しかも質量も程良く心地良い体温もあるのだ。


 その上、更にコニーではまず得られない、能動的なスキンシップと愛情表現と言うべき行動があり、旅の一過性の出会いとは違ってレオナルドが養育すると定めた為、晴れて同居する間柄となっている。


 初めて出逢った時の姿は暗くてあまりしっかりと認識出来なかったけれど、土に所縁の深い四足歩行型の幼体で、朧げにしか覚えていないがコニーの足を食べた後から今の毛並みを得ていたみたいだった。


 あの時のルーナエレンは、コニーを食べられた事がショックで気が動転していたし、考え得る最上の処方をしたつもりではあったけれど、幾ら頑丈な種族と考えられたとしても孵化したばかりの幼体に対して、容赦が無さ過ぎたのも本当で。


 前後であの雛から視えた悲痛な感情や想いもあって、罪悪感と庇護欲でその後は必死に看病をした。


 抵抗も反発も一切見せずにすぐルーナエレンに大人しく身を任せ、ぴったりと寄り添って過ごした時間ですっかり絆されてしまったと言っても良いかも知れない。


 自分にくっついて頼り切っている雛に対して魔力供給と癒しに意識を傾けている間、アレンハワードとレオナルド以外で初めての近さに、不思議になって夢現の状態で側で見守っていたレオナルドに尋ねた気がする。


 家族以外、触れていたい心地良いと感じた事が無かったのは、どうしてだろうと。


 意識が半分は眠ってしまっていたから本当にきちんと覚えていないけれど、確かに普段よりも柔らかな表情でレオナルドは教えてくれた。


 世界一の偉大な魔導師の愛娘だからな。


 正直それは答えになってないと思ったけれど、眠りに向かう意識の中でそれ以上何も考えられず、腕の中の柔らかさと温もりに自分から頬擦りするようにして、すぐに微睡に沈んだのだ。


 そうやって同居後すぐにルーナエレンの抱き枕になった雛は、義父レオナルドに順調に似たのか恩恵なのかは定かではないが、大きなもふもふクッションから仔猫の姿になった。


 本来は龍種という存在らしく、レオナルド曰く今現在は幼体故の一時的な世を忍ぶ仮の姿というものらしい。

 純然たる猫科の獣ではない為なのか、気分によって普段は可愛らしい三角のお耳が稀にまぁるいお耳になっている時があるのだが、その気分の違いはルーナエレンだけが知っている。


 この空間魔法(おうち)内で冬の寒さの厳しさこそほぼ感じないが、自宅の暖炉の前でクッションに埋もれながらグランジエールとくっついて微睡んだ日々は、ルーナエレンにかつてない種類の感情を湧き起こしていた。


 安心出来るアレンハワードの体温と香りじゃないけれど、しっとりした毛艶と丁度良い重み、物心ついてから庇護される一方の自分に、初めて全身全霊で寄り掛かり身を委ねている姿に、体温以外の温かみが胸に宿った気がするのだ。


 それが全く嫌ではない事と、今ここに居ない事が何処か寂しく物悲しく感じてしまって。

 何時もほぼ離れず寄り添ってくれる実父(アレンハワード)が居るというのに、何となく申し訳なさも感じて。


 グランジエールが冬が明ける頃まで、外界へ修行に出ると聞いて旅立ってしまってからのルーナエレンは本の少しだけ、元気が無かった。


 それらの感情を保護者達も理解してくれて居たのだろう。


 報告として定期的に強制的に帰宅の提案を呑んだグランジエールは、五日毎にレオナルドのお迎えによって帰ってくるというルールを守っている。


 本日その二回目の帰宅の日なので、朝から少しだけソワソワとした様子のルーナエレンを、保護者達は温かい目で見ていたり悶えて裏庭の地中深くに本気で埋められたりしていたりする。


 勿論埋められた本人も自分が煩くして処された等と、態々ルーナエレンに対して申告したりしない。

 結果、通常運転として裏での多少物騒な遣り取りは、大人達の中で暗黙の様式美となっていたのだが、当然ルーナエレンは知らない。


 そしてコニーに足拭き用の小さめの盥と温めのお湯を持って貰って、エントランスへとお出迎えに向かった。







 * * * * *






 エントランスの内扉すぐ横にある待機室のソファーでソワソワした様子で座っていたルーナエレンは、近付いて来る最近馴染んだ魔力を感じた。


「あっ!コニー!かえってきたの!」


 心なしか弾んだ幼い声が、思ったよりも吹き抜けに響くが本人は気付いていない。


 邸内のあらゆる扉は品良く重厚な造りではあるが、登録制の魔術で資格を有する者が触れた場合は抵抗無く軽い動作で開閉出来る。

 保護者達の過保護仕様ではあるが、外の環境を今一理解していないルーナエレンは物心付いた頃からこれが当たり前なので、視界からの情報と体感が一致しない事は気にしない。


 荒っぽくならない程度に扉を開き、タイミング良くポーチを駆け上がっていた仔猫の花緑青の大きくまん丸な眼と視線が合った。


「おかえりなさい!」

「にぃっ!」


 ルーナエレンと念話が可能になる様な直接的な絆を結ぶ許可はまだ降りていない(まだまだ当面降りる気配なし)為、まるで本物の仔猫の様な鳴き声でしか応えられないグランジエール。


 動物的な喉の構造を意図的に変化させられない未熟さが、大好きなルーナエレンと意思の疎通を阻害している事が不満で辛くて、少しでも早くどうにかしたくて修行いう名目で視察に出た訳だが、まだまだ成果は見られない。


 だが、グランジエール側からして見れば、こうやって嬉しそうな暖かい笑顔で「お帰りなさい」をルーナエレン本人から言って貰える経験が出来たし、ルーナエレン側は出逢って僅かな時間しか経っていないとはいえ、一度懐近くに認識した相手が長時間側に居ないという経験が、もどかしいというか寂しいという感情を齎していた。


 そんなルーナエレンの感情はまだ当人も相手であるグランジエールも、自覚は無かったし伝わっていない。


 けれど、二人のこれからには確実に何かが変化したきっかけではあったようだ。


 飛びつきたいのを我慢して元気に鳴いたグランジエールの脚を、コニーと一緒に温いお湯で濯いで冷えないうちにしっかりとタオルで拭き、コニーが片付けに下がってから漸く待望の抱っことばかりに仔猫の身体が伸び上がる。


「ふふ、おそと、おてんきよかったの?いいにおいだし、ふわふわ」

「なぅん」


 ルーナエレンはしっとりふわふわでほこほこと暖まる毛並みを堪能するように、グランジエールは大好きな女の子に甘えるように、互いのほっぺをすりすりと寄せ合った。


「じゃあ、にかいのだんろ?それともこうぼう?」


 会話は無理ではあるが、選択肢を明確にした場合は賢い二人にはある程度遣り取りする内に一定の受け答えが出来るようになっている。


 地階の工房も暖かいし、二階の共有スペースの暖炉前も二人が過ごした定番の暖かスポットなのだが、この二択であればグランジエールが視線や顔を上か下かに向ければ回答になる。


 早くルーナエレンに記録の魔導具の映像を観せてあげたいところだが、保護者達の検閲が終わっていないので合流後になるだろう。


 きっと前回同様、上映会は地階の工房になる気がするので、グランジエールは一先ず大好きな女の子との触れ合いを優先する事にした。


 今回の帝都や藤の花の(くだり)はちょっとあまり好ましくない流れもあった為、少しでも早く長く、ルーナエレンを堪能したいし補給したいし癒されたいという欲求がある。


 その欲求に忠実になって、グランジエールは断腸の想いでほっぺすりすりを中断し、そのまろい仔猫の顔を上階へ向けた。








お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و



私ごとですが、中2の息子が(厨二ではない。。。)近頃色々とやらかしまくってて、もうもう日々吐きそうです_:(´ཀ`」 ∠):

一番直近のは、執筆の頭が全く動かなくなるくらいのやらかしで、参ってます。。。


子育てって、ムズカシイデスネ‥‥(/ _ ; )


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