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呪われ魔導師と秘密の至宝  作者: 七縁ささみ
二章
105/150

105、取引

大変遅刻してしまいました!申し訳ございませんんん_:(´ཀ`」 ∠):


何とか本日中に更新ですぅ〜!ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

 

 冗談半分にギデオンの招致方法を尋ねるグランジエールのまろい額に、レオナルドはプスリと長い人差し指を突き立ててぐりぐりと押し込みながら咎める様な口調を敢えてする。


「誘拐とか人聞きの悪い。今回の件が落ち着いたら、己の知的好奇心をより満たせる環境に身を置くという提案をしようとだな」

『ボク、ちちうえがとりひきっていってたの、しってます』

「‥‥‥良いじゃねえか。実質不法入国に不法占拠という領域侵犯を不問にする代わりに、アレンとエレンの役に立って貰っても!」

『そうですね。ドワーフとくゆうの、ちしきやぎじゅつりょくをぞんぶんにふるってもらいたいですね』

「‥‥おぅ」


 これらの本音を踏まえての『取引』というのであれば、やはりある程度はグランジエールがこのマルティエという地域を掌握しておく必要があるだろう。

 そして直接意思の疎通が執れる状態になっておくべきなのだが、ドワーフは亜人とはいえ妖精種に由来するものの物質体(マテリアルボディ)への依存度が高い。

 青ひよこの様に甘噛みをしたところで、簡単に精神体(アストラルボディ)にパスを繋げられるものでもない。


 対話を可能にするには、やはりグランジエール自身の能力や実力を成長させる他は無いのだ。


「義理とはいえお前の親を自称するんだ。帰る前にオレから取り敢えず会話なり念話出来る様になるまで、修行の道程に同行するよう提案をするから、同席はしろよ?」

『はい』

「で、その後は取引を自力でやれ。引抜きの了承を得てから、改めて顔合わせで一時帰宅。(エレンとの)相性を見てその後空間魔法(おうち)まで出入り出来る様になるかは、まぁ臨機応変に、だな」

『わかりました。ではちちうえとギデオンのおはなしにどうせきしてから、ロートリンデンとウィカーエバニにでんたつへむかうことにします』


 すべき事に意識を向けたグランジエールを満足そうに青の眼を細めて見ると、大きな手のひらでゆるりと仔猫の頭を撫でてからゆっくりと足元へ降ろしてやる。


 そして盛り上がっている仲間達のやや後方で満足げに立っていたギデオンへと視線を向け、静かに歩み寄る。


「おぉ、すまんつい盛り上がってしまった。こんな立派な施設を提案だけでなく施工まで手をお貸し頂いた御恩、なんとお礼を申し上げるべきか」

「構わんさ。此方もなかなかに良い実験例となったからな」

「なんと‥‥。その、他にもまだまだ何か新しい技術や様式がありそうな口振りに感じるが」

「まぁ、オレというよりは知識の宝庫のような身内が居てな。この義息子も、その一端を知っている訳だが」

「ほうほう」


 レオナルドがニコニコしながら語る内容にとても興味が惹かれるギデオンは、先程彼に『取引』と言われた件に思い当たる。

 同時に自分達が軽く考えていたここ最近の無許可の行為の不味さを思い出し、改めてこの黒髪の美丈夫と足元の不思議な仔猫の存在に想いを馳せた。


 自分達ドワーフは亜人種で妖精にとても近しい存在ながらも、扱う土の魔術の特性から限りなく性質が物質に引っ張られている特殊な存在である。


 それでも、眼の前の美丈夫が規格外の最上位に近い存在であると感じ取れるし、途轍もない、場合によっては畏怖の対象でしかないと本能が訴えてくる。そしてその義息子と言われる仔猫に至っては、種族は不明ながら土の属性の最上位の何某かと、何らかの繋がりがあると肌で感じ取れる程の存在感だ。


 それでもまだまだ発展途上といった雰囲気はあるのだが、不思議と畏怖よりもどこか親しみを強く抱かずには居られない。


 もしかしたら、この遺跡を内包する『龍の背骨』がある山にも(えにし)が深い、山の裔神シエラに関係している可能性もある。


 そうなった場合、ある意味ギデオン達ドワーフにとっても恩恵深い、古の龍の様な存在に近しいのかも知れない。とはいえその眷属に関しては、幾度も歴史が盛衰を繰り返した中で、一切歴史に記述が残っていない。


 そんな事を徒然と考えながら、ギデオンは『取引』について何と切り出そうかと思考を巡らせ始めたが、先にその話題を切り出したのはレオナルドの方だった。


「さて、お前ももうある程度察している事だろう。ギデオン、取引について、話そうじゃないか」


 何とも直接的な発言に、ギデオンの喉が緊張の余りグゥと鳴った。








 * * * * *







 レオナルドは普段通りのやや高圧的な物言いと態度で、ギデオンに告げた。


「ドワーフは土に深い共感を持つからな、ある程度感じているだろう?この義息子はな、お前ら『龍の背骨』や『寝所』に恩恵を受ける種族と切っても切れない存在だ。いわばその雛だ。マルティエも勿論だが、ある意味オクリウェート内でも認識されたら最後、多大な影響を受ける事は最早必須だろうなぁ。それで、だ」

「むぅ‥‥‥」


 思わせ振りな言葉の切り方につい唸り声を溢してしまったギデオンの反応に、レオナルドは気を良くした様に微かな笑みを溢すと、その先を話し出す。


「不法入国と不法占拠に関して、うちの義息子が赦すという代わりに。こいつが今暫く外の世界に慣れるまで、側についてある程度世話をして欲しい。オレは事情があって余り頻繁には顔を出せない」


 予想はついていたが、その口振りは既に仔猫の正体をマルティエのトップに限りなく近い存在だと告げていた。

 だが、現在の帝国の舵は執政を務めるエルフの氏族が担っていた筈だという知識を持つギデオンは、背筋を伝う冷や汗が止められない。


 どう見てもレオナルドも仔猫も、エルフには見えない。

 またギデオンの知識の中でも、エルフはかなり他のマルティエ内に住まう多数の種族に対して、魔力量であったり格の高さを表面上で推し量るに余り有る優れた容姿を持つ事で、ある意味鼻持ちならない選民意識の高い種族と囁かれている存在でもある。


 実際ギデオンもかなり昔だが自国の中枢に近かった時代、隣国の高位エルフを遠目で見かけた事があった。


 その当時は見た事もない神々しいまでの美貌だと遠目ながらも驚いた記憶があるが、今目の前の黒髪の美丈夫と比べたならば何という事も無い。全く取るに足りないと言わしめる存在に成り下がるだろう。


 そこまで考え付いて、エルフよりも高位となれば絶望的な気持ちになったのも仕方ない。


 ギデオンは震えてしまいそうな声を胆力でなるべく抑え、必死に感情も制御して出来る限り丁寧に返答をする。


「ご、ご温情溢れる沙汰、感謝の念に耐えません。ご下命、このギデオン確と承り」

「待て待て、其処までビビらせるつもりはねぇよ。まぁアレだ、雛ってのは全く嘘じゃなくてだな、まだまだ本当に世情や常識に疎いんだコイツ。だから、ある程度外で違和感の塊みたいな存在にさせないよう、ちょいちょい軌道修正をしてくれる世話人が欲しいんだわ。身近に居んのがオレを筆頭に、出自や立場がバラバラでな」

「な、成程」

「目安は雛が念話なり会話なりがギデオンや他の信頼出来る者、あ、妖精や精霊は含めないぞ?と、交わせる様になる迄だ。その先は、本人と遣り取りをして貰いたい」

「は‥‥‥畏まりました」


 恐ろしい世界の裏側の話の様なものの一端に触れた様な気がして、ギデオンは身を強張らせながら二人の足元に跪くが、その様子を見上げていた仔猫が鼻先を義父の脚にツンツンとしていたのは見えなかったようだ。


 言葉遣いを必死に畏まったものにしているギデオンに苦笑いを浮かべたレオナルドは、グランジエールの念話を受け取るまでもなく何となく伝えたかった意図を感じ取る。


「あ〜、あんま緊張しないでやってくれ。といっても無理かもしれんが‥‥さっき迄のお前の態度でも、コイツお前を気に入ったって言ってたから。口調も戻して構わんぞ?」

「う、いや‥‥お、恐れ多い事で‥‥」

「うーん、青ひよこの通訳でコイツの言動ある程度聞いただろ?大丈夫!悪戯っ子な面もあるから、保護者兼指導役として、頑張ってくれ!」

『若さま、ファイト!』


 諸々の巨大な爆弾の投下を連続で受けてしまったギデオンは、最後に軽い調子で何かを押し付けられた気がしたが、青ひよこと言われる存在であったりツインテールの若草色の幼女だとかの存在も含め、これ以上出来るだけ追及しないでおこうと心に固く誓わずには居られなかったのだった。





お読み頂き、有難うございます٩( 'ω' )و


ギデオンさんをゲットするのは確定。

拠点のドワーフさん達の処遇はまだ未定ですが、罪に問う可能性は限りなく無い感じです。

なかなか通達と修行にお出かけ出来ない進まない_(:3 」∠)_

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