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転生?!

 不快にさせる機械音が響く。俺はいつもの癖で即座に止め、また眠りにつこうとする。遠くから女の子の声が聞こえるが、眠いので無視をする。

 ......ん?女の子?俺には妹がいるが、もう成人していて結婚し、家を出て行ったはずだ。姪はいるが、まだ一歳だからしっかり喋れないはずだ。だとしたら誰だ?彼女はいないし、母さんは再婚して遠くに引っ越したし......なんだか言ってて悲しくなってきた。

 とりあえず、部屋から出てみよう。そう思ってベッドから降りようとした時、足に違和感を感じた。違和感の正体を確かめるため、布団を思いっきりめくると、右足が無かった。


 ん?右足が無い?

 

 「う、うわあああああああああああああああああああああああ!!!!」

 「お兄ちゃん?!大丈夫?!」


 俺の叫び声を聞いてツインテールの少女が部屋に飛び込んで来た。慌てて虫を見つけたと勘違いしただけだと言って部屋から出て行かせた。それにしても妹が可愛すぎる。あれは確実に俺の妹じゃない。俺の妹は中の中くらいだと思うが、あれは上の上だ。もしかしたらその上を行っているかもしれない。それに体型がまさにボンッキュッボンだ。二次元だったら確実に俺の嫁だ。

 そんなことはどうでもいい。俺は誰なんだ?右足を無くすような大怪我をした覚えが待ったく無い。あんな可愛すぎる妹を持った覚えが無いし、そもそも部屋の内装が違う。たくさんあったはずのフィギュアは参考書や小説に変わっているし、アニメのポスターは綺麗さっぱり無くなっている。

 とりあえず情報を探してみよう。なにか松葉杖みたいな物は無いのかと思って周りを見渡すと、義足があった。これで歩けるだろう。初めて装着したが、何故か普通に歩けた。体に記憶されているのだろうか。よし、これで部屋を探索してみよう。


 しばらく部屋を探索して、結構分かった事がある。

 まず、俺は雪村 颯真(ゆきむら そうま)という名前らしい。鈴木 一郎という誰でも読める、履歴書の手本に書いてありそうな名前ではなくなっていた。妹の名前は蘭奈(らんな)、母親は光子(みつこ)、父親は健次郎(けんじろう)という名前みたいだ。一軒家で家族四人で暮らしており、父親はサラリーマン、母親は看護師だという。妹は今年中学二年生で、俺は高校一年生らしい。15歳若返ったのか。やっぱり体の軽さが違うなと思った。

 そして、俺が通うことになっている高校は「桐島学園高校」という関東一の名門校で、勉学、スポーツのどちらの面でも優秀な高校らしい。卒業生はそのまま大学へ進むというエスカレーター式の学校で、幼稚園から同じ学校の敷地に通う人もいるという。とんでもない所に受かってしまっているみたいだ。高校は不真面目な人間だったので、生き残れるか心配だ。どうにかなると信じたい。


 「颯真ー!入学式に遅れるよ!早く起きてきなさーい!」

 「はーい!今行くよ!」


 母さんと思わしき人からお呼びがかかった。入学式から始まるなんてなんて都合が良いんだろう。久しぶりに着る制服を着て、俺は慣れない家の階段を下りる。

 今は転生したこの瞬間を楽しもうじゃないか。


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