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致命的ズレ

作者: 甘異愚実

頑張りすぎた、どこかの誰かの話。

「部活、やめます」

僕は心臓の鼓動が先生に届くほどに緊張しながら言った。

バレーを始めたのは高校からだった。中学時代、周りが部活に打ち込む中陸上部の幽霊として2年過ごし、その生活のせいで運動ができない奴になっていた。そのイメージをぶっ壊したかったのもあるが、なにより1番かっこよかったエースの友達に憧れを持っていた。

彼に勝ちたくて、だらけきった身体に鞭を打って走って跳んで筋トレもした。やる気の権化とも言えたと思う。

しかし、いつの間にか1年の部員は僕1人になっていた。

先輩に色々教えてもらいながら、必死に一年間部活をやってきた。おそらく、今までの人生で一番頑張ったと言っても過言ではなかったと思う。

僕はやる気がありすぎたのだ。

入ってきた後輩は、技術も才能も身長もあって羨ましいと思っていた。

ただ、やる気だけが欠落していたのだ。

1人になってしまい、キャプテンをやらされることになったので引っ張って行かなくてはいけないのはわかっているが、性格上人に怒ることも、人を鼓舞することもできず、ただ舐められるだけの状態を作り上げてしまった。

いつかはきっとやる気を出してくれる、そう思って頑張ってきたが、後輩たちは全くやる気を出してくれなかった。

大好きなスポーツのはずなのに、どんどん嫌になっていた。楽しくなくなっていた。

だからやめた。

先生は驚いていた。何度も助けを願ったはずなのに、切羽詰まっていたことに気がついていなかったみたいだ。まあ、どうでもよかった。

やめてからの生活は、自由そのものだった。

授業を適当にこなしさっさと帰って寝てゲームを夜遅くまでやる。もう走り込む必要がない、気負う必要はないと思うと、開放感がすごかった。

次の日、帰って寝てゲームして、寝る前に首を吊って死んだ。

結末は決まっていたのだと思う。きっと続けていても悩み苦しんだ挙句死んだだろう。親、先生、友達の声を聞くのが嫌だった。脳を叩くノイズだった。なんで、どうして、ほらなやっぱり。

自分が中学の時から変わっていないのを認めるのが怖かった。だから、全てを投げ出したのだった。


「…なんか微妙な文章になってしまった。まだまだだな…とりあえず、死なない程度に"もう少し"頑張ろうかな」

誰かが言った。

読んでいただきありがとうございます。

微妙…。ここから成長していくんで、ハイ。

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