0話 失踪
ガチャ
1人の男が本を読む部屋の扉が開く。
そこからは小さな子供が入ってくる。
「おとーさーん」
短い足で立っている少年は父親を呼ぶ。
「どうしたレクター、眠れねぇか?」
お父さんは自身の綺麗な緋色の髪の毛が生えている頭皮を、くしゃくしゃ掻く。
「しゃーねぇな、また昔話聞くか?」
「うん!」
レクターという名の少年は頷く。
「ほれっ!ここ座れ」
そう言うとお父さんは自身の両膝を軽く叩く。
お父さんの膝に座るレクターは後頭部を父親の胸元に付け楽な姿勢をとる。
「お話を始めようか」
「昔そこにはとっても大きな森があった」
話し始めたお父さんの顔は、子供に話をする時の顔ともう1つあったように見えた。
「そしてそこの妖精さんはとても綺麗で」
当時の僕はそのお話を昔話としか捕らえていなかった。
「ある日、その森には1人の泥棒が入ってきた」
そしてその昔話が好きだった。
・・・5分後
「あれ?寝ちゃったか」
レクターは父親の膝の上に座り首を少し傾けて熟睡した。
「もう少しで感動のシーンなのに」
父親は自身の子を寝室まで運ぶ。布団を胸元まで掛け自室に戻る。
男は部屋に戻り、部屋の隅にある机に向かい、本を手にする。
本を読もうとすると机の上にある写真立てに目がいった。
そこに写っているのは綺麗な金髪と整った容姿の1人の女性だった。
写真と男は向かい合わせになった。
「なあ、リーシャ」
男は写真に問いかける。
「レクターはもうすぐ誕生日で7歳になるよ」
もちろん写真立ては返事をしない。男は話続ける。
「俺の親父は立派な戦士だった」
どこか細い声が写真立てに届く。
「俺は親父に憧れて戦士になった、でも」
男の目からは涙が流れる。
「でも俺は戦士になっても仕事はせず、遊び歩き、オマケにあの森に入っちまった」
涙を拭き、写真を見つめる。
「やっぱ自分のした事は、ちゃんと自分が責任を持ってやらねえとな」
そう言うと男はそっと立ち上がり、家を出た。
・・・数年後
つぅあっ、うぉぉぉっ、はぁぁぁぁっ
2人の男性が剣を交えている。
カンカンカーン
ものすごく響く金属音と共に腕を振る。
「ここだァァァァァ」
緋色の髪を持つ青年が踏み込み大きく振る。
カキーンという効果音の直後1本の剣が宙を舞い地面に刺さる。
「負けだ、俺の負けだ」
黒く短い髪をごしごし掻く男は負けを認める。
「初めて負けたよ。強くなったなレクター」
父親譲りの綺麗な緋色の髪の少年は剣を拾い鞘に直す。
「いえ先生があれだけ見逃してくれたからこそですよ」
「先生が初めから本気だったら秒殺ですよ」
軽く微笑みながら言う。
「だけどよ前までのお前は俺がいくら見逃しても勝てなかったろ」
痛いところをつく先生だ。
「それでよお前これからどうするんだ?」
先生は僕の顔をみる。そしてこう答える。
「いや、全く考えてませんでした」
先生の顔はキョトンとし、お互い顔を見合わせる。
「いやいやいやいや!!」
「考えてねぇってどうゆう事だ!」
「俺言ったよな!!!」
レクターは先生と出会った時の事を思い出す。
よぉ俺がお前に剣を教えるケインだ、よろしく。
俺はお前の親父に頼まれて来た。
俺はお前を剣士として育てる、1人前の剣士になったら俺は帰る。そっからは自分で考えろ。
「あぁ確かにそんな事ありましたね、先生に勝つ事に必死で」
あははははと笑って誤魔化す。
「ちぇっそういうとこは親父と同じだな」
「まあそういう事だあとは頑張れよ」
部屋に戻り帰る支度をする先生。
「先生!俺は」
「バカ野郎、俺はお前を1人前の剣士に育てた、もう俺は先生じゃねぇ」
「はい!ケインさん!」
俺父さんを探しに行こうと思います。
「そーかよ、帰る準備が出来次第ここを出る、頑張れよ」
「はい!」
それから少しするとケインさんは帰った。
父さんはある日を境に家を出てどっか行ってしまった。
そこからはケインさんに世話をしてもらった。ケインさんのおかげで僕はここまで立派に育った。
「まずはやっぱり王都に行くべきだよな」
僕は王都に行きまず情報を集め、絶対に再会する。
そして俺は…
初めての投稿です。
あまり国語の成績は良くないので言葉がおかしかったりします。すみません。
定期的には投稿できません。時間あれば投稿させていただきます。