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さまざまな短編集

新人ナースと先輩ナース

作者: にゃのです☆

「いってぇ~!」

「す、すみませんッ!」


 四年目の看護師ともなると新人看護師の留置針の練習台によくされる。

 まぁ、主任とか、師長とかの大ベテランの人たちに声をかけづらいのはよくわかる。

 自分も最初の練習相手がこわ~い師長が一番手だったのは心底恐怖でしかなかった。

 それを経験していたら目の前で頑張って血管を探す子はいいなぁと内心思っている。


「いってぇ!」

「ご、ごめんなさい!」


 若い人の血管ほど刺しにくいというのもある。

 かと言って、高齢者の血管が刺しやすいというわけでもない。

 高齢者の血管は動脈硬化が進みころころと動くし、血管壁もボロボロになっているから刺しても点滴が漏れるのは当たり前。

 留置針ほど難しいのはないと思う。


「あいた!」

「す、すみません!」


 今日も左腕は失敗して内出血が絶えない。

 無くなったので、右腕に変わる。

 新人の練習とはいえ、腕を差し出すのは怖い。

 そして、Mではない。

 練習だから仕方ない。

 いきなり本番。というのはダメだから。


「いい? サーフローのコツとしては、血管に対して真上から一気に刺すの。ためらっている時間は無いし、ためらってゆっくり入れていくと患者さんも痛いからね」

「は、はい!」

「ここの血管に針を、そうそう。それで一気に――つッ!」

「あ、だ、大丈夫ですか!?」

「大丈夫。はい。外筒を中にいれて、そうそう。それで内筒針を抜く前に駆血帯を取って抜く。やったじゃん」

「はい!」


 逆血、注入もオッケー。

 ようやく入ったね。


「はい。以上ね。がんばった鍛錬してね」

「はい! ありがとうございました!」


 先輩は辛いのだ。

 

「うわぁ、またいっぱい刺されたね」

「そうですね。先輩も負けてないですけどね」

「こっちは七回よ。痛すぎるわ……」


 もう一度言う。先輩は辛いのだ……。


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