ハロー
対峙するのは、赤く大きなペンギン。モデルの種類はマカロニペンギンだろうか。ただし黒いところは赤く眉のような黄色いところは茶色である。そして高さは5メートル。大きい。
シロクマと違い初っぱなからそこに立っていたペンギンはひょいと片手(片翼、か?)をあげて一声鳴いた。
「ハロー」
ここのフィールドは笑わせてから殺しに来ますね?私の笑うところがオカシイだけかもしれないけれども。
―――――と、思考を飛ばしていたが、急な移動のせいでザインの顎に頭をぶつけた。
「う」
「ハロー!」
何故ザインは急に私の体が動く程の移動したのか。答えはペンギンが勢いよく此方へ滑ってきたから。某狩りゲーの寒いフィールドにいるウサギのような動き、と言えばプレイしてるハンターはわかってくれるだろう。腹を下に地面を勢いよく滑るのだ。
……ここは草原なので、現実だったらペンギンの腹は傷だらけだろう。
「ハロー!ハロー!」
「!?!?!?」
滑りながら鳴いたかと思えばそのまま飛び上がり、かなり高い位置で宙返りしたかと思えば、土下座スタイルで急降下。ジャン・ペング・ドゲザァのアース・ウェーブの倍以上の威力の土波がこちらへ向かってくる。あまりに範囲が広すぎて避けられない。
「ぷゆん」
気の抜ける鳴き声が聞こえたかと思えば目の前にラズが飛び出し数メートル先で回転をはじめる。触手は風を纏い、土波の方へと威力の高い風を
………………風か?竜巻に見えるのだけど?
土波を吹き飛ばし、そのままペンギンへと竜巻があたる。とはいえ波を防ぐだけのつもりだったであろう竜巻は威力が弱くなっていたのか、ペンギンを倒すことはなかった。
「ぷゆん」
ラズはそのままふよふよとペンギンの方へと向かう。ペンギンもラズに対して迎撃体勢を整えた。
そのままラズは発光。体内に雷を溜めている。それにペンギンは焦ったのか特攻するもラズの触手に流され別方向へと滑っていく。
ぐるりと方向転換。再びラズへと向かうも今度は頭に張り付かれそのままラズは放電。プスプスと音を立てぐらつくもぎりぎり立て直しラズを引き剥がそうと頭を地面に擦り付けようとしたが
―――――スパァン!
「ハロー!」
どこをとは言わないが、風を纏ったスキル【鞭】での攻撃でペンギンは消滅した。
……ウイーリに戻ろうザイン。ボスが2回連続で憐れすぎるよ。