あわれシロクマ
ザインがモンスターを倒しまくって数時間、私のレベルが10になったので一度町に戻ってみる。
フルでゲームしようかと思ったけどこのペースなら、一度寝てしまおう。捨てる女子力は少ない方がいい。町の中で宿をとり、召喚師用の部屋でザイン達を出したままログアウトする。とりあえず6時間は寝てきます。
で、再びログインしました。
今日は土曜日。じっくりとやっていきたいと思います。とりあえず運営から来ているメール類のチェックをしよう。
なんとなくステータスも確認して、あれ?となる。……おかしいな、ザインのレベルが10になってる。
ザイン LV10 ♂
HP 1090
MP 1090
AT 292
DF 209
MA 209
MD 209
SE 219
スキル
【威圧】【咆哮】【挑発】
【武術】【剣術】【加速】
【魔力操作】【火】【闇】【魔装】
【火耐性】【闇耐性】
【気配察知】【索敵】
レベルが1上がるごとにステータスが1あがるのは自分のステータスでも確認していたけど、5レベ毎に特化ステータスの振りが2になるのかな?あがりかたそんな感じだよね。
ついでにラズのステータスはこんなんです。
ラズ LV15 ♂
HP 1140
MP 340
AT 114
DF 164
MA 314
MD 264
SE 64
スキル
【魔力操作】【魔力察知】【エコー】
【鞭】【受け】
【火】【水】【風】【雷】
【火耐性】【水耐性】【風耐性】【雷耐性】
【もぐもぐ】
そして称号【引き摺り回されるもの】が追加されていた。……ザインに引き摺り回されたの?
そして自分のレベルはそのままである。……これが称号、【我主の為に】の効果かな。鑑定スキルがないと自分のスキルの詳しい内容も知れないのは不便だ。まぁ、そのために情報屋があるのだけど。ちなみに効果は以下の通りである。
称号【我主の為に】
召喚師がログアウトしている間、召喚獣が自分の意思でフィールドへと行き、行動する。
最近ちょくちょく見掛ける放置ゲーかな?とか思わなくもない。私は放置ゲーみたいなの好きだけど。どうでもいい話ですね。
すこし遠い目をしつつ、ザインに未熟の森へと行くように指示する。このザイン達の様子だと、正直序盤でレベリングをする意味を感じないので、さっさと次のフィールドへ行くために、未熟の森のフィールドボス、シロクマを倒してしまおうと思う。……ザインが。
雑魚の露払いはほとんどラズがし、一時間もしないうちに、フィールドボスのシロクマが出現する、森の中の小さな草原へと足を踏み入れた。
ど真ん中にあるそこそこ大きな岩。そこへシロクマが降ってくる。……どんな登場の仕方だ。せめて反対側の森から出てくるとかにしようよ。違和感がすごい。人によっては笑って戦闘にならないんじゃないかな。
グルグルと威嚇するシロクマに対し、ザインは私を地面に下ろしてからシロクマの方へ歩いていく。そしてそのままシロクマを殴った。
哀れシロクマ、ステータスの差がありすぎたせいで顔を歪めながら吹き飛び、木に衝突した上で消滅した。