【第六回】デンモクらじお【番外編回】
「みんな久し振り! 気が付けば前回から三週間だね!」
「8月はボクらも夏休みだからねぇ! しっかり満喫してきましたとも!」
「へぇ、満喫。例えばどこにいったの?」
「漫画読み放題にネット繋ぎ放題、ジュース飲み放題の――」
「……漫喫?」
「ううん。ボクん家」
「やっぱりお金持ちだったよ!? しかも何処にも行ってないよ!? ジュースも飲み放題ってなにそれ!?」
「いやぁ、飲み放題というか……冷蔵庫に常にストックしてるからさ」
「ウチなんて基本麦茶なのに……」
「……知らないところで格差が発生してたんだねぇ。いや悪くないよ麦茶。いいよね麦茶」
「ぐぬぬ……薄っぺらな慰めなんてっ! 黒い気持ちになりそうだけど、タイトルコールに入らなきゃ……」
「負けるなケロちゃん、自身の心の闇に打ち勝つんだ! 次回、『ケロちゃん死す』」
「っ!? なんで私死んでるの!? 何があったの!?」
「そりゃあもちろん、涙あり、笑いあり――」
「笑い事じゃないよ! もう! ――ケロちゃんと!」
「シトリーの!」
「「デンモクらじおー!」」
「というわけで、第六回となりました! 今日もゲストを呼んでおります!」
「よっ! 待ってました!」
「ウチのグループ、【シトリー】から! タマちゃんです!」
「わー! 藍玉さんいらっしゃい!」
「だからそのタマちゃんて呼ぶの止めて欲しいんですけど……? ……こほん、ケルベロスさんもどうも」
「今日の朝に完結した番外編にもちょっと出てたよねぇ」
「あ゛ー、ですねぇ。ケルベロスさんと街に行ったら、散々な目に遭わされました」
「ちょっと!?」
「まぁ、あれが一位の日常だよ。うん」
「うわぁ、とてつもなく高い所からの発言だぁ……」
「……張本人が言えたことじゃないですよ? 一位と言えば、グラシャ=ラボラスさんとミントさんも大変だったとかとか」
「そうだねぇ。――とはいえ、ミントちゃん自身は楽しんでたらしいけど」
「グラたんに合わせて動くなんて、なかなかできることじゃないよー?」
「ま、まぁ? 第二位である私には遠く及ばないですがね! ……ケルベロスさんについていくのは当分遠慮したいところですが」
「そんなところで満足していいのかい? 君も一位の世界においでよ!」
「……それならその席を早く空けて欲しいところですね。私だって、一位に上がればシトリーさんのように――」
「プロになるにはプロと同じように動かないとだよ、タマちゃん。『プロになってからプロらしいことをしよう』なんて考えじゃ駄目駄目。こういうのは普段の一挙一動に表れるものなのさ」
「なんだか凄い良い事言ってるような気がする……! とっても第一位らしいよ、シトリー!」
「なんかいつもそうやって煙に巻くようなこと言ってますけど、シトリーさんのプロらしい行動ってなんなんです?」
「ボクは……あー、馬車馬のように働いてくれる友達を持つことかなぁ」
「他力本願!?」
「いやいや、全力で動いてくれる仲間には全力で協力するもんでしょ。片方が片方から甘い汁だけ吸おうとしても、そりゃあ成り立ちはしないってハナシ」
「まあねー、オンラインゲームだもんね。人との繋がり、大事だよね」
「ほらさ。今回のグラたんとミントちゃんの話もさ? 最後は『お互いが協力して変態バニーを倒しました!』って感じじゃない」
「デスバニーですね。デスバニー」
「あの見た目は凄かったね。たまにわざと奇抜な格好する人がいるけどさ、そういう人に限って割と強いみたいなところあるよね」
「それでも、あの状況で勝てたってのはこの二人だったからこそ!って感じかな。ボクでもあそこまで酷い状況になると少し厳しいものがあるけれど……タマちゃんならいけそう?」
「……私ならそもそもあんな状況に陥ったりしないです」
「ま、それが正解だよねぇ。【シトリー】として動くのならさ」
「見つけた天使は全部やっつけたんだから、結果的にはオッケーだったのかな?」
「スコア稼ぎとしては効率が悪すぎですけどね」
「まぁ、本来の目的はガス抜きで、スコア稼ぎは実際どうでも良かったからねぇ」
「確かに、あれはグラたんと組んだからこそできるやり方だったね……」
「まともな頭の持ち主なら、あんなの二度とやりたいとは思わないですから。上手くいったのだとしても、あくまで結果論ですです」
「でも楽しそうだったね。『無理無茶無謀もどんとこい!』みたいな感じで」
「ずっとやりたかったことなんだろうし。そりゃあ楽しいよねぇ、嬉しいよねぇ」
「ずっとやりたかったこと?」
「あれあれ。カフェインちゃん三号」
「……つまりはどういうことです?」
「不機嫌なときとかさ、タマちゃん気付かずに近づくじゃない。すれ違った瞬間とかたまに爆弾付けられてるんだけど……気づいてなかったんだ」
「ひぇっ……」
「相当ストレスが溜まってたのかな……? 普段、他の二人とはどうしてるの?」
「三人とも仲良くしてるよぉ。他のグループと動くよりは身内で固まった方が楽しいとか。三人の方が安心できるヒトもいるみたいだし」
「同じグループの三人が組むってあまり聞かないです。しかも監視タイプで……前代未聞ってやつですよ?」
「体操服着たちょこちゃんは基本的に前線ギリギリまで出るタイプだし、冬セーラー着たヴァニラちゃんはその後ろから広く見回すタイプだし、ミントちゃんは逃げ道の確保って感じだねぇ」
「つまりは、同じ【シトリー】でも役割が違うんだね」
「ちょこさんもたまにアルマゲドンで近くにいることがありますけど、引き際間違えそうになってますよ。あれ【シトリー】としてどうなんです?」
「そこはヴァニラちゃんが中心になってサポートしてるんだけどねぇ」
「なんだかんだ言っても、ちょこさんもヴァニラさんもミントさんも所詮は三人で一人! 第二位である私には遠く及ばないですとも!」
「もー。切磋琢磨するのも大事だけどさ、ほどほどにしないと背中から撃たれるよ?」
「撃たれる!?」
「藍玉さんも今や【シトリー】第二位。もう追う側よりも追われる側だもんね」
「追われる側……そう言われると悪い気はしないですけど!」
「ちなみに【シトリー】の中で戦って一番強いのって誰なの?」
「んー、一対一ならあまり差は出ないんじゃないかなぁ。ボクも下手するとタマちゃんに負けちゃうかもだし」
「いやいやいや、いくら持ち上げられても――」
「いやぁ、槍のリーチと相性悪いんだよねぇ」
「……相性の問題ですか」
「ミントちゃんなら爆弾にさえ気をつけていれば勝てるかもだけど」
「へー、それじゃ一対一じゃなかったら?」
「そこは組む相手と戦う相手によるかなぁ」
「それって殆どの場合がそうなんじゃないですかね……」
「ミントちゃんとグラたんの組み合わせと戦うなら、それこそケロちゃんと組まないと勝ち目なさそうだしねぇ」
「グラたんが私の足止めしている間に、シトリーがミントちゃんを叩く形だね! ……そう考えると、私一人であの二人を相手するのはキツいのかなぁ」
「ボムボムしちゃうからね」
「はぁ、ボムボムですか」
「BOMB、BOMBしちゃうからね」
「なんで急に発音良くなるんです?」
「ねぇねぇ、BOMBってスラングで『超クール!』とかいう意味もあるらしいよ」
「へぇ、あながちミントってのも遠くないのかもだねぇ」
「あ、そこは偶然だったってカンペが」
「計算してなかったんですか……」
「『眠りの森の気狂い兎――!』がやりたかっただけとか、裏でそんな話を聞いた気がするよぉ」
「うへぇ……。正気の沙汰じゃねーです」
「正気の沙汰じゃないんだ……」
「まずはそこだけ考えてから、後から大事な部分を隠すために設定を盛ったとか……実はタマちゃんも、最初は出る予定じゃなかったらしいよ」
「そんなぁっ!?」
「グラたんとミントちゃんで動かすのに、ケロちゃんを除ける必要があるからとか」
「「私たちの扱い酷くない(です)!?」」
「これも……現実なんだよねぇ……」
「ゲームの世界でぐらい夢見させてよ!」
「なんと非情なこと……!」
「というわけで、そろそろ時間もやってきました……」
「まだまだ番外編が続けば希望はあるよね!」
「今度こそ! 私たちがメインの話を……!」
「時間が来てるって言ってるんだけど!!」
「あ、ごめんね。エンドコールだね」
「名残惜しいけど、ここは退くしかないですか……」
「それじゃあ、今日のデンモクらじおもここでお別れです!」
「出てない設定もまだあるだろうし、次回もお楽しみに!」
「ケロちゃんと――?」
「――シトリーと!」
「ら、藍玉の!」
「「「デンモクらじおでしたー!」」」




