【第四回】デンモクらじお【アルマゲドン・グループ内の繋がり】
「あ゛ー……。デンモグら゛じお゛ー」
「はっじまっるよぉぉ……」
「…………」
「…………」
「いやぁ、熱いね。倒れそうだね」
「物置だからねぇ。申し訳程度の扇風機しかないから」
「夏舐めてたよぉぉぉぉおおぉおおお」
「夏場にゲームしてる時って、エアコンの効いた部屋にいるしねぇ。……で、ケロちゃん?」
「……? はいはい、なんでしょうシトリーさん」
「ボクたち二人しかいないけど、今回のゲストは――」
「帰ってもらいました」
「っ!?」
「いやぁ……これ以上人口密度増えちゃうとマズイかなって……」
「気持ちは分かるけどさ……貴重なゲストだよ? ちなみに誰を呼んでたのさ」
「……ベリアルさん」
「あー、帰して正解だったね、うん」
「『夏場でも元気そうだし!』って思って呼んだけど……流石に今日はマズイと思ったから……ねぇ?」
「室内温度3℃ぐらい上がっちゃうからねぇ。ボクたち倒れちゃうよ」
「――というわけで! 今回は二人で進めてしまいましょう!」
「焦熱地獄もなんのその! 第四回デンモクらじお、始まってるよ!」
「さてさて、切り替えたのはいいんだけどさ、今回は何について話すんだっけ?」
「あーそういえば前回の終わりには、今日何を話すか言ってなかったねぇ」
「つまり……? 今決める感じ?」
「……物語の進行にも深く関わっている、アルマゲドンについて!」
「即断即決!? では早速お願いします!」
「作品のあらすじや冒頭では“天使と悪魔が戦う”とざっくり書いてあるんだけども、その中でもいろいろと複雑な部分があるんだよね」
「終了の条件は『一定時間の経過』か『どちらか片方の陣営の全滅』。一応、勝敗は『アルマゲドン中に稼いだスコア』で決まるんだけど――」
「全滅するような状況だったら、間違いなく負け決です。本当にありがとうございました」
「よっぽど均衡した状態じゃないとねー。『両陣営最後の一人!』みたいなことになれば、もしかしてあるかも?」
「そんな状況もまずないだろうけどねぇ。で、スコアってのは要するに全部です! 敵を見つけたり敵を倒したり、味方を回復したり。砦などの建物建てたり、逆に壊したり!」
「そこは普段のお仕事と変わらないよ! アルマゲドン中は普段よりも稼げるから、ランキング上位に食い込むための追い上げにも最適だったり?」
「でも、焦り過ぎて他の人の役割を取っちゃうと、全体に悪影響が出ちゃうわけで」
「あー、初心者にありがちなパターンだ」
「【シトリー】でもないのに、早めに前線に上がっちゃって? 慌てて敵を見つけても、あまり意味がないといいますか」
「能力も低い上にボーナスも付かないし、踏んだり蹴ったりだよね。全員が統制とれて『まるで一つの生物のように!』となれば、だいたいどんな状況でも勝てるんだろうけど……」
「まぁ、そこは他の人と遊ぶオンラインゲームだからね。アルマゲドンで勝ったところで、普段の行動にいろいろ補正バフが付く程度だし。陣営全員が一致団結なんて殆どないでしょ。よくやっても、各々のグループの一位二位ぐらいでさ」
「そんな中でも【シトリー】は優秀だよね。藍玉ちゃんとか、他のみんなと連携取れてるじゃない」
「各々が勝手に行動したら一番ダメなグループだからねぇ。同じ箇所に複数人行ったら意味がないしさ。縦の繋がりだとか、そこらへんの調整は一位として頑張ってるんだよぉ」
「私の周りでちゃんと一位っぽいことしてる人がいると焦っちゃうんですけど!?」
「補助職は連携しないと成り立たないってだけでしょ。戦闘職はまた違う話じゃない。……ちなみに、あの集まりに出てる面子は皆大なり小なり似たようなことしてたりするんだよねぇ」
「嘘だぁ……」
「グラたんだって一応伝達はしてるんじゃないかな。直接、他の人のところに顔を出すのは難易度高いだろうから、どっか専用の掲示板利用してるんじゃない。(実は勝手に覗いてるけど)」
「やっぱり【シトリー】だけは特にって感じなんだねー。……そういえば、【シトリー】のグループ内でのお話だとか、他にスピンオフとして藍玉ちゃんが主人公の連載が出る予定だったってほんと?」
「な、なかなかに情報通じゃないのさ……。ま、隠す必要もないんだけど。実際、玉ちゃん視点でケロちゃんの身の回りで起きた出来事を眺めるみたいな感じだったらしいよぉ」
「私!? なんでその内容が当の私まで来てないの!?」
「いやー、コロシアムで100人抜きとかそんなことをさせるつもりだったらしいんだけど、登場人物そこまで用意できないとか。となると本編のメンバー総動員する必要もあるし、絶対途中で勝てない敵が出てくるだろうって話になってさ」
「ぐっ……。確かに[ЯU㏍∀]さんには勝てないかもだけど……」
「あくまでゲームだからさ、気合でひっくり返すようなことはできないってハナシだし?」
「グラたんも手も足も出なかったからねー。主人公なのに」
「実は勝率あんまり高くないんだよねぇ。主人公なのに」
「まー、だからこそ時間稼ぎだとか、敵陣引っ掻き回すだとか? そんなことに全振りして作中で活躍してるわけなんですけど」
「自分から割り切って捨て駒になる人って、一人いるだけで全体の動きが変わってくるからねぇ」
「ダンタリオンもグラたんがいてくれて助かるって言ってたし」
「勝手に動く駒のことも見越して、僕ら“ある程度意思を組んで従う駒”を動かして。時には死兵になることも厭わない“忠実な駒”で核を突く。囮になったり、切り口に飛び込んだり、『帰ってくることを考えなければなんでもできる』って典型だよね」
「普通の人ならいざという時、『最後まで戦場に残っていたい』って自分の希望を優先させるのに、グラたんはそれがないからなぁ」
「変態だからねぇ。最終的に全体の勝利を掴めればオールオッケーみたいな」
「『駒を取られずに勝てる勝負はあり得ないし、大事なのは冷静に足し算と引き算ができるかどうか』ってのも言ってた――って、今日はもうダンタリオン呼んでおけばよかったんじゃないかな?」
「あー……そうだねぇ。でも『もう2000文字過ぎちゃってるから、やり直しするのも……』ってカンペが」
「いつにもまして作者の考えが明け透けじゃない……?」
「PCに無理させたせいで熱暴走気味になった上、エアコンが効かなくて余裕がなくなってるんじゃないの」
「うわぁ、私情ダダ漏れだぁ……」
「VR環境作るために高性能なグラフィックボード買って、それのおかげでディスプレイ増やせるからって三枚にしちゃってさ。ちなみにCPUそのまま」
「……車のエンジンで飛行機飛ばすようなものだってそれ」
「しかも、最大で五枚まで増やせるようで! いつかやろうと画策してます!」
「お願い! 無茶しないで!」
「ま、ボクもそんぐらい普通にできるんだけどさ。前提条件としてVRものの登場人物は、みんな最初から高スぺPC標準装備だもんねぇ。ウチもVRとまではいかなくても、MMOだしラグ怖いし、それなりに必要としているわけで」
「……実はみんなお金持ちだったり?」
「2018年が舞台だから安価で手に入る世界な筈ないし、そうなっちゃうねぇ。流石に可能だからって理由だけで画面を三枚に増やすような人は、あんまりいないだろうけど」
「私も二枚が限界かなぁ……いや、満足に使えるって意味でね。母親に『目が何個あるつもりなの』って言われて『確かに』って納得しちゃった」
「ボクは何枚増えても大丈夫なんだけどさ。普段から何をするにもマルチタスクだし。でも“使える”のと“使いたい”のって、当たり前だけど別なんだよねぇ」
「それが《奥義スキル》でも活かされてるって感じなのかな」
「まぁ、他の人よりも使いこなせてるとは思うけどさ」
「――さて、今日のラジオ枠もそろそろ終わりなんじゃない?」
「そうだねぇ、やっぱり3000文字ぐらいに収めようとすると、話も一つか二つぐらいで埋まっちゃう感じかも。というよりも少しオーバーしてるし」
「今回はアルマゲドンについてと、グループの人との交流。あと【シトリー】で番外編があるかもしれなかったって話だっけ? だよね?」
「まだ引きずってる……? そういえば、ケロちゃん主人公のスピンオフで【ケルベロス】一位になるまでの話も裏で進んでいたような……」
「ちょっと待って!? その話もう少し詳しく――」
「それでは第四回デンモクらじお終わります!」
「うわぁぁぁぁん! シトリーが虐めるんだけど!?」
「ほらほら、エンドコール始まってるから!」
「もぉぉぉぉぉぉ! ケロちゃんとぉ!」
「シトリーの!」
「「デンモクらじおでしたー!」」




