【第二回】デンモクらじお【課金要素・グループの役割・NPC】
「さぁ、今日もやって参りました! ケロちゃんとー?」
「シトリーのー!」
「「デンモクらじおー!」」
「もしかしたら第一回で終わってしまうかと思われたこのラジオ……」
「いや、思われてないからね。いきなり不吉なこと言わないでよ。『消極的なこと言っても良い事なんてないんだから!』とか何だったのさ」
「あれは言葉のあやと言いますか……」
「あやだったの!? まだ全体の十分の一も怪しいところなんだけど!?」
「『Tips!』の中身分すら説明できてないしね!」
「というわけで、気を取り直していかないと。ケロちゃんしっかりしてよ?」
「ブッチャヘンザ!」
「っ!?」
「エヴィバディセイ! ホーォ!」
「……急に作中でも見たことないぐらい変な感じになるの止めてくんない?」
「いやぁ、実はなんと……お便りが一つ来てましてですね!」
「それでそんな風になるの!? MCやパーソナリティを何か別のものと勘違いしてるよね!?」
「え、違うの!? てっきりそういうものだと――じゃなかった。そ、それぐらい! 嬉しいってことですよ!」
「そりゃ、もちろんボクだって同じだけどさ……。ささっ、早く読んで読んで!」
「えー、コホンッ。“小説家になろう”在住のMさんからのお便り!」
「Mさん! ありがとうございます!」
「『作中での、まるで春の日差しのように麗らかな[ケルベロス]さんの一挙一動に、私はすっかり心奪われてしまい、日々の食事すら満足に喉を通りません――』」
「いやいやいやいや待って待って。ストップ、ケロちゃん」
「ちょっと! いいところだったのに何で止めるの!」
「勝手に中身を捏造しない! もう……ボクが読むから貸してっ!」
「あっ――」
「……なんでこの内容から、あんな美辞麗句がすらすらと出てくるのさ……」
「言わないで……お願いします……!」
「恥ずかしいなら何でしたんだろうねぇ。オホンッ。それじゃあ読みます」
「“小説家になろう”在住のMさんからのお便り!
『作中内の課金形式ってどうなってるんでしょうか? 初回らじおでもちらっと出ましたが、どうやら課金はプレイの上で重要要素? アイテムとか特殊バフがあるのかな……? 設定放出ということで、良ければその辺りを――!』とのこと。ケロちゃんは課金してたし、詳しいんじゃない?」
「形式って言われると、どう説明すればいいのか迷うけど……。クレジットカードやWebマネーでコインを買って、それをゲーム内で使う形かなぁ。装備ガチャ回したり、ブエルみたいにアバターガチャ回したり?」
「それと課金アイテムとかだね。これは武器の強化成功率アップや、成長速度を上げたりして時間を節約する人が多いかも」
「強化失敗……レベルダウン……うっ頭が……!」
「(ケロちゃんのトラウマが呼び起されてる……!?)あとは前に言ってた“別陣営への移動”をするためのアイテムかなぁ。“一定回数だけ攻撃無効”とかもあったけど、すぐに無くなったよねぇ、あれ」
「うむむ……そこは仕方ないと思う。重課金者がいたらバランス崩れちゃうし」
「そんな感じでちょくちょく調整は入ってるけども、課金をすれば他の人よりも有利になるってのは間違いないかもねぇ。まぁ、全く課金をせずに? グループの第一位になっちゃう変わり者も中にはいるけどさ」
「あー、グラたんはね……あれは極端なケースだからなぁ。オークションで課金装備を買ってそれを強化してるパターンだね」
「課金者がゲーム内通貨を得るには、課金アイテムをオークションで売っちゃうのが一番手っ取り早いし。で、それを買えば無課金者でも課金アイテムを手に入れることができます、と」
「必要無くなった課金装備が高値で売れて、無課金の人も強い装備をゲットして! まさにWin-Winの関係ってやつじゃない?」
「……まぁ、決して安くはない買い物なんだけどね。安くて1M単位、高ければ100M単位かかったりするし。それだけのお金を自力で貯めるのも、結構時間がかかるものなんだけどさ」
「だけど皆諦めないで! 成功率アップは課金だけど、強化に必要な石自体は誰でも手に入れることができます! 課金者って面倒くさがりだとオークションを利用して強化石を買い集めてるから、無課金でもそれでお金を稼げたりしちゃうんですよ!」
「石を取りに百回も二百回も同じダンジョンをぐるぐるする人も珍しいけど、ホントに上手く回るようになってるよねぇ。結論からすれば『課金で有利になることは変わりないけど、課金しなくても時間をかければそこまで行ける』って感じでしょ。更に極端なことを言えば、課金装備があろうがなかろうが関係ないってグループもあるし」
「あー、【シトリー】はそんな感じだよねー。サポート役というか、斥候みたいな役割だし。遠くから敵を見つけて『やれー! 殺せー!』みたいな」
「そんな物騒なことは言った覚えないけど!?」
「あれ? 言ってなかったっけ」
「言ってないよっ! ……オホンッ。どちらかというと戦況の見極めだとかの、“経験的な”ものにウェイトが寄ってるという感じなのは確かだけど!」
「『いつの間にか周りを敵に囲まれてました!』なんてことは?」
「一度もありません! むしろ装備無しの状態でも、それなりの働きはできるつもりだよ、ボクは。【ケルベロス】みたいな戦闘メインのグループは、課金装備でステータスガン上げしないとキツいんだろうけどもねぇ」
「うんうん。攻撃も防御も無視できないポジションだからね。そこは戦略でカバーできなくもないけど、あればやっぱり楽かな。――そういえば、バアル=ゼブルなんて月数十万円課金してるとかなんとか」
「流石は七十二柱【バアル=ゼブル】のトップ。やっぱりそれぐらいしないと、一位中の一位にはなれないものなんだろうねぇ。よくやるもんだよ」
「さてさて、シトリーさん」
「なになに? ケルベロスさん」
「話の内容もいい感じに流れてきたし? ここでグループの役割について説明しとく?」
「やっちゃって! まずはケロちゃんどうぞ!」
「えー、と。それぞれの陣営は、数十のグループから成り立っていて。
大きな範囲から説明していくと――
・戦闘がメインのグループ
・戦場には出るけど、周りの補助がメインのグループ
・戦場には出ないけど、他の部分で活躍するグループ
以上の三つに分かれることになるのかな」
「中には一つ目と二つ目が、二つ目と三つ目が重なっている所もあるけど、概ねそんな感じだよねぇ。それぞれ得意なことが決まってるから、やりたいことがあればそのグループに移ればいいシステムだし」
「天使陣営も悪魔陣営も、グループとして使われている名前はそのまんま。悪魔陣営はソロモン七十二柱+αだったよね」
「そうそう。【ニスロク】だとかは七十二柱とは別の悪魔なんだよぉ。それじゃ、そのまま悪魔陣営側を例に、三つのグループの説明に入りましょう!」
「ではでは、まずは一つ目のグループ! これに該当するのは――
【バアル=ゼブル】、【ケルベロス】、【アシュタロス】、【バルバトス】
このあたりとか?」
「あとは作中には出てないけど、
【アガレス】、【フルカス】、【マルコシアス】、【フラウロス】
これらも戦闘関係のグループだったりね」
「アルマゲドンや現界で天使と戦うのが、このグループの主な役割かな。《奥義スキル》も自身の戦闘能力の強化だったり、直接大ダメージを与えるものだったりっていうのが多いね」
「他のグループでも、戦闘ができないわけじゃないけどねぇ。やっぱりこれらのグループが頭一つ抜けているんじゃないかなぁ」
「一対一で勝ち目のないときは、仲間と一緒に戦えば万事OK! 敵も多いけど味方も多いんだから状況を見て対処しよう!」
「今度はボクの番! 二つ目の補助グループ!
【パイモン】、【シトリー】、【ビフロンス】
ここらあたりがそんな感じ!」
「作中に出てないグループだったら、
【ガミジン】、【ブネ】、【ムルムル】、【フェニックス】もだよね!」
「ボクの【シトリー】はさっき話してたから割愛するとして、【ビフロンス】はアルマゲドン中に死んだNPCを怨霊として操ることができるし、【フェニックス】はそのまんま回復担当! こっちのグループは、状況によっては戦闘職以上に大活躍することもあるねぇ」
「《奥義スキル》の効果範囲も広いし、ピンチの時には頼りになるよね。……そういえば【シトリー】の《奥義スキル》って、相手のスキル構成とチャージタイムが見えるようになるんだっけ? ズルくない?」
「一対一の時はそれなりに使えるけど、たくさん敵がいる時は目がチカチカするんだよ、これ。一度に来られると頭パンクしちゃうからオススメ」
「それ、オススメしちゃダメなやつだ!?」
「最後の三つ目は数が多いんだよねぇ……。効果の種類も多くてさ。
【グラシャ=ラボラス】、【ブエル】、【アスモデウス】、【ダンタリオン】
【バラム】、【ベレト】、【プルソン】、【ベリアル】、
【マルファス】、【ハルファス】――」
「うっわぁ……ホントに多い。しかもまだいっぱいいるよね?
【ゼパル】、【ザレオス】、【ガープ】、【フルフル】、【ヴアル】、
【グレモリー】、【サブナック】、【ウィネ】……うわぁ……」
「このゲームのシステムとして、戦闘ばかりじゃ勝てないってのがあるからねぇ。アルマゲドンまでに、どれだけNPCを自分側に引き入れるかってのが鍵だからさ」
「アルマゲドン開始時の‟陣営の支配下にいるNPC”の割合で、戦闘中にかかる補正が決まるんだよねー」
「補正って言っても馬鹿にできないからねぇ。数が多いから、たった5%でも大違い――まさに生命線なんデスよ? 流石に投げ出したくなるほど差が付いたことはないけどさ」
「だから相手側の邪魔なNPCを排除して、こちらに有益なNPCを引き入れて。管理下にある街のNPCの数を増やして――」
「つまりは現界がメインの仕事場のグループって感じかなぁ。天使相手じゃなくてNPC相手だから、装備もあんまり差がでないっていうね。ま、課金装備も持っていた方が良いことには変わりないんだけど」
「現界で仕事をするってことは、不意に天使と遭遇することもあるし?」
「そうそう。相手の管理下の街を襲撃して妨害したり、逆に向こうが妨害に来たり」
「グラたんの仕事は“敵の重要NPCの暗殺”だったよね。敵にばれないよう潜伏して、サクッと殺して急いで逃げるんでしょ? 想像するだけで神経使うなー、うあー」
「でも、毎回良い仕事するんだよねぇ……。性格に合ってるんだろうね、ああいう地味な仕事がさ。相手の街から人一人、いつの間にか消し去っていく様はまさにWoA界の――」
「WoA界の――?」
「フレディ・クルーガー!」
「エルム街の悪夢!? 暗殺者じゃなくてお化けじゃんそれ!」
「いやぁ、歴史上の暗殺者って大概一回成功したら捕まってるからさぁ。どちらかといえば、ホラー映画に登場しそうな雰囲気だし、ねぇ?」
「うーん……。《奥義スキル》が一時的な透明化だから、急に背後にドロンッとかよくやるし? 確かに忍び込むにはピッタリなんだけども」
「いくぞ――」
「≪Pay with blood and life ≫!」
「アハハハハハ!! 似てる似てる! アハ、ハハハハ!」
「あーこれ駄目だ、笑う。フフッ。あるよね、たまに声出してる時」
「はぁー、お腹痛い。少し恥ずかしそうなのがポイントだよねぇ」
「ねー、本人が言うのを嫌がってるから弄られるんだよ。全然、悪い能力じゃないのに」
「天使側からしたら嫌な能力だよねぇ。本人も守りの隙を突くタイミングをしっかり把握してるし、鬼に金棒って感じ? ま、ボクの《奥義スキル》なら、ばっちり見えるんだけど(ドヤァ」
「あぁっドヤ顔してる!? スキルの圧倒的優位差に慢心してドヤ顔してるよ!?」
「でもまぁ、その代わり全体的なステータスでは負けてるし。一長一短、どっこいどっこいということで。どのグループもそんな感じだし、ね。――じゃ、時間も来るみたいだし、そろそろエンドコールといきますか」
「ではでは、第二回デンモクらじおもここらで終わりです! 前回よりも長くなっちゃったけど、話したかったことは話せたよね?」
「お便りで受けた課金要素についてと、それぞれのグループについて。あと、システムに大きく関わるNPCについても少し触れた感じだねぇ。これからもお便りがあれば、本題と絡めて紹介するよぉ!」
「それでは次回もご期待ください! ケロちゃんと!」
「シトリーの!」
「「デンモクらじおでしたー!」」




