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WoA 設定等 物置  作者: Win-CL
WoA番外編!
11/27

2019年8月【ドキッ!? 真夏のバカンスイベント!】

夏イベント、九月に入る前の一コマ

おまけ扱いなのでメタ要素入ってます

 今は八月、夏真っ盛り――も、終わろうかという時期。

 当然、WoAでも夏のイベントはあったわけで――


「(」・ω・)」うぅぅぅぅぅ(/・ω・)/みぃぃぃぃ!」


 現在、現界に用意された浜辺マップで、バカンスを楽しんでいる最中である。


 集まったのは、いつものメンバー。

 それに加えて、[ベリアル]、[アスモデウス]、[アシュタロス]。

 そして、なぜか付いてきた[ブエル]。


 第一位が七人と、なかなかに豪華な面子だった。


「[ダンタリオン]は《大図書館》で留守番か、勿体ないよなぁ」

「勿体ないの意味がよく分からないんだが……」


「いやぁ、夏イベントにギリギリ間に合ったよー。水着アバター!」

「さっきから騒がしいぞ、おい」


 [ケルベロス]は普段とは異なった服装――

 さっきの発言通り、白を基調とした水着アバターを身に着けていた。

 ……[ЯU㏍∀(ルカ)]さんから預かったマフラーをしたままで。


「どう? 似合ってる?」

「んー、あー……いいんじゃないか?」


 夏の海を模したMAPだからだろう、太陽光が一際強い気がする。

 海面や砂浜もそうだが、[ケルベロス]の水着姿がとても眩しく見えた。


 なんだっけか、あのヒラヒラしてるの。

 腰に巻き付けるタイプの水着――

 確かパレオだとか、そんな名前だったような。


「……テコ入れか」

「テコ入れだな」

「テコ入れだねぇ」


「……テコ入れ!?」


 水着回ってことだよ、言わせんな恥ずかしい。


 というわけで、自分もイベント用に配布されていたアバターを装備していた。

 初期状態のシンプルな海パンである。


 ――で。


「お前らは相変わらずその格好なのな」

「いいじゃないの、浜辺に白衣」


「そんなんだから、ヒロイン枠から外されちゃうんだよねぇ」

「なっ……!」


 海に入らず、浜辺に用意された白テーブルに着いているのは――

 自分と、[シトリー]と、[アスモデウス]。


 [ベリアル]は優雅にビーチチェアに寝そべっている。


「夏と言えば! やっぱり俺だろ?」


「ガッツポーズしなくていいから」

「やめてくれ、暑苦しい」


 相変わらずのアロハが、浜辺で映えていた。

 このために生まれてきたようなオッサンだった。


「それにしても、はしゃいでるねぇ。ケロちゃん」

「まぁ、アバターが手に入るまでは我慢してたらしいし」


 [アスモデウス]以外の女性陣――

 [ブエル]、[ケルベロス]、[アシュタロス]の三人はビーチバレーに興じている。


「水着一つでも、結構性格が出るもんだな……」


 [アシュタロス]は露出控えめの、無地のパーカーのような水着だった。

 ……呼び方は知らない。

 水着に関しての知識なんて、パレオですらうろ覚えである。


「へぇー。ああいうのも嫌いじゃなさそうだねぇ。へぇー」

「その物言いは、一体なんなんだ……?」


 [シトリー]が容赦なく噛みついてくる。

 また、弄るためのネタにしようとしているのだろうか。


「それなら、もっと分かりやすい奴がいるだろ」

「だなぁ……」


 ――[ブエル]。


 これ以上にないぐらいに浮いている。

 浮き輪も合わさって、唯一無二の浮力だった。

 恐らく、あれが今回の夏ガチャのコンプ特典なのだろう。


「あ、あれは流石のボクでもねぇ……」


 ……紺のスク水。

 ご丁寧にも、胸の名前部分に[ぶえる]と表示されている。

 あの[シトリー]でさえ、少し引くレベルの破壊力である。


「……あざといな」

「あぁ……あざとい」


 なまじ中の人の年齢を知っているだけに――

 とてもじゃないが、直視できなかった。


――――


 事件が起きたのは、それから少ししてから。


「[ブエル]ちゃんのドキドキッサマーラーイブ!(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾♡」


 ――と、案の定[ブエル]が騒ぎ始めた頃。

 この盛り上がりが目についたのか、天使が突然襲い掛かってきたのである。


「[ブエル]ちゃん、一旦ストップ! 敵をおびき寄せちゃってるから!」

「(´・ω・`)えー」


「ステージまで用意して騒いでりゃあ、流石に出てくるよなぁ」

「さっさと片付けちゃおうかっ!」


「雑魚ばっかりだねぇ。ボクでも倒せそうなレベルかも」


 対して、こちらの面子は全員グループ一位である。

 片付けるのにも、それほど時間を必要としなかった。


 残った天使がいないことを確認して、一息つく。


「でも、どうしてこんなに……?」


 やってきた天使は十二体。

 いくら[ブエル]におびき寄せられたからと言っても――

 偶然に集まって、襲い掛かってくるにしては多い数だ。


 イベント用とはいえ、ここは戦闘可能エリア。

 天使側の領地にも跨っており、さらには現界の他のマップと同じ扱いである。

 戦闘の可能性も、十分にあったのは分かるが……。


「あー、あれだねぇ、原因は」


 ほぼ対岸に位置する場所に――

 こちらと同じような浜辺で、[ブエル]と似たことをしている集団がいた。


「んー? ステージの上にいる天使って誰?」

「あー、あれは……[ラミエル]だねぇ」


「[ラミエル]っていうと――」

「こっちの[ブエル]と同じ系統の天使でしょうか……?」


「[ラミエル]ちゃん……彼女こそ、私の永遠のライバル……!(๑•̀д•́๑)キリッ」

「ホントかよ……」


 【ラミエル】――

 [ブエル]と同様、《踊り》のエモーションで味方NPCを増やす天使である。

 おおかた、向こうもここでスコア稼ぎに出ようとしたのだろう。


「客の取り合いになるから、乗り込んできたわけか……」

「それなら売られた喧嘩だ。いっそのこと、ど真ん中でやろうや。場所取りなら俺に任せろ!」


「[ベリアル]、こういうの好きそうだよねぇ」

「『火事と喧嘩は江戸の華!』とか言いそうだわね」


 いの一番に駆けていく[ベリアル]。


 いつの間にやら、他の悪魔(プレイヤー)たちも集まってきたようで――

 すっかり大将気分だった。


 もちろん、こちらが送る冷ややかな視線には気づかない様子。


「なんだろうね、この温度差……」


 仕方ないので、後を付いて行こうとした自分達に――

 突然声をかけてくる悪魔(プレイヤー)が。


「話は全部聞かせてもらったぁ!」

「……ん?」


 背後に立っていたのは、ツンツンの赤髪をした女。

 法被(ハッピ)姿に鉢巻といった、チャキチャキの江戸っ子風女子である。


「また暑苦しそうなのが……」

「えーと……誰?」


「何を隠そう、アタシが[フォカロル]だ!」

「違う、そうじゃない」


 そういうことを聞いてるんじゃない。


「[フォカロル]っていうと――」


 ソロモン72柱では序列四十一位。

 海に関係する悪魔だった気がする。


 この辺りを縄張りに行動しているのだろうか。


「で、つまりどういうこと?」

「アタシも混ぜろって言ってんだよ!」


 そう言うや否や、[ベリアル]の後を追うように突っ込んでいく。


「ちょっと!?」

「行っちゃったねぇ……」

「……まぁ、いいんじゃない? 一応、【フォカロル(グループ)】内では一位らしいし」


――――


 ――瞬く間に袋叩きにされ、戻ってきた。

 慌てて[ブエル]が、回復スキルで治療を行う。


「よっわ!」

「何しに来たんだお前……!」


「海の上ならまだ頑張れるのに……」


 まな板の上の鯉よろしく、全く役に立たない第一位だった。


「仕方ない、いくぞ」

「あいあい。パッパと終わらせましょっか!」


 そうして、戦闘の中心部へと飛び込んでいく。


 ……自分と[ケルベロス]の二人で。

 いや、[アシュタロス]も来てはいるのだが――


「――頑張ってねぇ」

「私たちって、非戦闘職だからねー」

「ここから応援するから! ファイトー!✧.゜٩(๑>◡<๑)۶:.。♡」


 あぁ、分かってたよ! ちくしょうめ!


 ――とは言っても、向こうもそれほど数がいたわけでもなく。

 [ベリアル]がまだ生きているレベルなのだから、敵の強さもたかが知れていた。


――――


 そして、あらかた片付け終わったころに――


「――っ! [ミカエル]と[ガブリエル]!」

「げ、親玉級だ」


 ここ最近はないものの、何度か戦闘もしたことがある。

 戦闘能力で言えば、段違いに上の方にいるのは間違いなかった。


 攻撃を仕掛けてくるようなら、いつでも反撃を取れるよう構えていたのだが――

 向こうが襲い掛かってくる様子はない。


「……?」


「あんまり大騒ぎしてくれるから、僕らに呼び出しがかかってね」

「……ここで戦闘をするのもあまり乗り気じゃないし。とりあえずさぁ、これ以上戦いたいなら余所でやってくれない?」


 見ると、向こうも水着アバターを装備していた。

 ……あっちもあっちでバカンス中か。


「――と言っても、既に終わった後なんだけど」

「そもそも、天使(そっち)から仕掛けてきたんだしねぇ」


「だーかーら。ここはこれでチャラにしてやろうって言ってんのよ」

「こちらとしても、あまり被害を大きくしたくないからね。アルマゲドンの手前、そちらも同じなのではないかな?」


 別のチャットで指示を出したのだろうか――

 残っていた天使たちが、ぞろぞろと自分達の領地へと戻っていく。


「仕切り直しは九月の始めでどうかな。場所は闘技場エリアで」

「おお、いいぜ。やったろうじゃねぇか。今後のライブ場所剥奪戦だ」


 売り言葉に買い言葉。

 二つ返事で[ベリアル]が了承してしまう。


「あーあ、勝手に決めちゃっていいのかなぁ」

「いいんだよ、こういうのは勢いが肝心だろ」


「それじゃあ、[バアル=ゼブル](君たちの大将)にもメッセージを送っておくよ」

「まぁ、[バアル=ゼブル]は断らないだろうねぇ」


 この時点で、ほぼ確定したようなものだった。

 闘技場エリアなんて、ただ殴り合いをするために用意されたような所である。

 つまり、【グラシャ=ラボラス】向きの戦闘場所ではない。


「……俺は参加しないからな」


――――


「いやー、一時はどうなることかと思ったけどねー」

「お前らは見てただけだろうが……!」


 [ミカエル]達と分かれた後。

 元の場所へと戻ったのはいいのだが――


「あらら……? なんかこっちに来てない?」

「……この場は引かせる、としか言って無いもんねぇ」

「まさか……」


 対岸(むこう)側から、こちらへと向かってくる影――


 一つや二つではない。

 何隻もの船に乗って、こちら側へと天使が向かってくる。


「あの統一されたアバターはラミエル親衛隊か? どんだけかき集めてんだ」

「それでも私のファンの方が多いんだからー!щ(゜д゜щ)ゴラー!」


 ここで競ってどうする。


 ――とはいえ、敵が迫って来ているのは事実。


 海からなので、その幅も広く――

 囲まれてしまえば、一網打尽にされる可能性もある。

 少なくとも、そう思えるぐらいの数の差があった。


「うえぇ。疲れそう……」


 [シトリー]が見た情報によると、ガチ勢とは程遠いらしい。

 九月の戦いの頭数にすら入りそうもない面子、ということだった。


「あいつらを使って、すこしでも消耗させようって魂胆か?」

「別にボクたちが戦うって決まったわけでもないのにねぇ」


 まぁ、アルマゲドンも目の前に控えていることもあるだろうけど……。

 どちらにせよ、あまりいい結果になるとは思えない。


「で、どうするんだ? 正面からぶつかるのも面倒だぞ?」

「ここは、アタシに任せな。舞台が海の上なら、アタシの独擅場だ」


 そう言って出てきたのは――

 先の戦いの中、始終のびていた[フォカロル]である。


「お前らもそんなに踊りたきゃ、とっておきのステージを用意してやるよ!」

「≪Be() scattered(って踊り) to this (な。そ)ocean(れが) with(ルー) flowerルだ≫」


 発動したのは、【フォカロル】の《奥義》スキル。


 高く掲げた右腕に呼応するように、海流がうねりをあげ始めた。

 それは次第に、力強さを増していく。

 高く、早く。全てを飲み込むような嵐へと変わっていく。


「うわぉ……」


 波と波がぶつかり合い、幾つも上がる水柱に――

 浮かんでいる船にはもちろん、天使たちもダメージを受けていた。


 局所的に起こされた嵐の中、船は海岸まで辿りつけるはずもなく。

 乗っていた天使たちは殆ど海の藻屑、魚の餌である。


《奥義》が収まり、辛うじて体力が残っているのもいたが――

 それはもはや、脅威とは程遠いものだった。


「火事と喧嘩は江戸の華! また何かあったら呼んでくれよな!」

「お、おう」


 呼んでもないのに来たやつが何を言っているのか。


「まぁ、海の上で戦うことがあればまたよろしくねぇ」

「よく《大図書館》で駄弁ってるから! 遊びに来てね!」


 夏のイベント、最後ともいえるバカンスで――

 非常に個性的で、限定的な仲間ができた一日だった。


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