第六十三話~此隅山城内の動乱~
第六十三話~此隅山城内の動乱~
此隅山城の城内は、混沌の坩堝と化していた。
それでなくても、義頼率いる織田勢の重囲に晒されているのである。 これだけでも十分重荷であるのに、そこに来て但馬国の有力国人である八木豊信が謀反を起こしたのだ。
彼は一方的に山名宗詮(山名祐豊)を悪と断じて、兵を差し向けたのである。 これでは、混乱しない訳がなかった。
しかもこの混乱を好機と直感した義頼が、此隅山城に対して総攻撃の敢行を命じたのである。 この命に従い、織田家の軍勢が此隅山城の大手門と搦手門へと殺到した。 しかし此隅山城に籠り城門を守る将兵達は、有効な手立てを打てない。 それどころか、反撃もままならなかった。
何せ本丸の辺りから、黒い煙が上がっているのである。 当然ながら火の手も見えており、その情景は此隅山城の将兵の不安を呷って申し分なかった。 そんな状態であるのだから、織田の軍勢による城攻めに対して有効な手立てを打てないのも道理である。 むしろこれで落ち着けという方が、無理な相談であった。
「一気呵成に攻めろっ! 目指すは本丸だ!!」
『おうっ』
大将たる義頼の鼓舞に、大手門を攻める将兵は力強く答える。 そんな彼らの気持ちを表すかの様に、城攻めの圧力が増していった。 元々、城攻めをする側の織田勢の方が、兵数も士気も此隅山城に籠る山名勢より上なのである。 その上、此隅山城に籠る山名勢に後はない。 これではいくら確りと守ろうとも、守り切れるものではなかった。
「開けよ! 滅びたくなくば!」
但馬国人らに任された搦め手門、そこで声を張り上げる者がいた。
それは、山名堯煕である。 大原義定の口添えもあって搦手門攻めの大将に任じられた彼は、門の前で開門する様にと声を張り上げていたのだ。 確かに織田家に降ったとは言え、味方であった山名家の者と出来るならば刃を交えたくはない。 そこで説得し、搦手門を開かせるつもりであった。
そんな山名堯煕の気持ちが届いたのか、搦手門から見覚えのある顔が覗き込む。 それは、田公綱典の顔であった。 田公家は、但馬山名家の重臣の家である。 しかも現当主である田公綱典は、山名宗詮と山名堯煕の二代に渡って仕えた男であった。
そんな山名家きっての重臣である彼の顔が、見て取れる。 その姿を確認した山名堯煕は、殊更声を張り上げていた。
「む!? 綱典か! 丁度良い。 門を開けよ」
「え? あ、いや。 そ、それは……」
「何を躊躇うかっ! このままでは山名家は……いや但馬国にとって不味い事となるのは、お主とて分かるであろう!!」
山名堯煕の言葉を聞いた田公綱典は、暫く考えた。
確かに彼の言う通り、このまま頑固なまでに抵抗を続ければ義頼率いる軍勢に但馬国内は蹂躙されるかと思える。 無論、義頼にその様な気がある訳ではないが、どう感じるかは相手次第でしかない。 少なくともこの時点で、田公綱典が義頼の軍勢に対して怖れを抱いていたとしても何ら不思議ではなかった。
「…………分かりました……仰せに従いまする」
「うむっ!」
やがて田公綱典は、苦渋に満ちた表情をしながらも山名堯煕に従うと判断した。
それは前述した通り、このままでは山名家の存続が危ぶまれるからである。 しかし山名家現当主たる山名堯煕が義頼の軍勢に居る現状であれば、必ずしてもそうは言い切れなかった。 それを証明するかの様に、搦手側とは言え攻め手の大将として山名堯煕が任じられている。 ならば、山名家を無碍には扱わないのではないかと考えたのだ。
田公綱典は、即座に軍使を送り降伏の意図を伝える。 すると山名堯煕は、経緯を報告しつつ降伏を受けれたいと大原義定に進言した。 そこで彼は、降伏を認めたのである。 大原義定からしてみれば、搦手を落とせればそれでいいのである。 攻めて開門させるも良しであり、戦なく開門してもそれはそれでよかったのだ。
こうして搦手門を守る田公家は投降し、程なく搦手門は開かれる。 すると山名堯煕を先頭に、但馬国国人達は此隅山城内に雪崩れ込んだのだ。 そしてこの搦め手を守る田公家の離反は、大手門も守る者たちにも影響を与えたのであった。
「搦め手が突破された!? 真か、それはっ!!」
「はっ。 殿に説得されて、田公様が城門を開いたとの事です」
「何だと!? 一体全体、どういう事だ! 能登守(田公綱典)が、裏切ったとでもいうのかっ!!」
「そこまでは分かりません。 ただ、田公様が搦手を開き、そこから織田に降った但馬の者が雪崩れ込んだのはまごう事なき事実にございます」
大手門を守っている宿南家当主の宿南信久は、報告を聞き動揺して思わず驚きの声を上げた。 あの田公綱典が裏切ったなど、到底信じられなかったからである。 しかし現実に、搦手門は開かれている。 衝撃の事実に、宿南信久は兵の指揮を怠ってしまった。
それは僅かの間であったが、隙が生まれたのは事実である。 そして生まれた隙を見逃す様な者は、此隅山城の大手門を攻めて居る織田勢にはいなかったのであった。
先ず動いたのは、島清興である。 彼は此隅山城の大手門を攻める先鋒に任じられた筒井順慶の命によって、兵を率いて大手門を攻めていたのだ。 しかしてその彼をして、敵勢に動揺が生まれたと感じられる。 これは好機だと判断すると、果敢に攻めだしたのだ。
また、筒井勢ばかりではない。 次鋒を任されていた佐々成政と蒲生頼秀も、敵勢の動揺と味方の攻勢に気付いた。 すると彼らも、兵を押し出して大手門を攻め出したのであった。
因みに彼らのすぐ後方には、森可成と森長可の親子が控えている。 そして森家以外にも、山名宗詮に対する意趣返しの為にと義頼に願い出た赤井直正が控えていた。
兎にも角にも、最前線は一気に慌ただしくなる。 その様子に、久方ぶりに戦へと出た三雲成持が声を掛けた。 彼は義頼の代理と為して、甲賀郡を治めている。 その為か、あまり戦に出る機会がなくなっていたのだ。
「殿。 これは森殿や赤井殿に出陣を命じては如何でしょうか」
「……いや、まだ早いな。 恐らく、もう一つぐらい動きあるだろう」
「ではその時こそ、指示を出しまするか」
「三左(森可成)殿や悪右衛門(赤井直正)殿が動かなければな。 最も、その心配はいらないだろう」
さて、話はほんの少しだけだが遡る。
それは、宿南信久が驚きのあまり味方の指揮を疎かにしてしまった直後の事である。 田公綱典の裏切りと思える行動に驚いていたが、その彼を正気に戻した者がいる。 それは、宿南信久の弟となる宿南保綱であった。
何と彼は、呆けている兄の頬を張り飛ばして正気へ戻したのである。 これにより現実へと回帰すると、慌てて防衛の指揮を執りはじめた。 そのお陰でかろうじて大手門が破られると言う事態は回避したのだが、かなり押し込まれたのは事実である。 何よりこの様子では、そう長くは持たないと思われた。
そこで宿南保綱は、兄に対して一か八かの賭けを提案をする。 それは即ち、門を守るのではなく敢えて打って出ると言う物であった。
「保綱、本気か?」
「このままでは、間違いなく破られます」
「……分かった。 そう、だな。 では、保綱。 敵勢を追い返して来るのだ」
「はっ」
兄の命を受けた宿南保綱は、一部の兵を纏めると大手門の内側に立つ。 それから、大手門を開く様にと命じたのであった。 その命に従い、大手門が開いていく。 やがて人が数名ほど通れるぐらいにまで開くと、宿南保綱は号令を下した。
すると気勢を上げて、兵が飛び出していく。 ここにきてまさか敵が出撃してくるとはと筒井順慶も佐々成政も、そして蒲生頼秀も面を喰らってしまう。 今度は彼らが、生まれた隙を突かれる形となってしまっていた。
しかし彼らも、幾度となく戦場に出た者達である。 この攻勢を耐える事が出来れば、そこに反撃の好機が生まれると考えていた。 何と言っても、味方の方が数は多い。 敵勢の勢いさえ削いでしまえば、後は数がものを言うだろう事も分かっていた。
しかし、それは敵も同じである。 敵を下がらせる為にと宿南保綱は、怒涛の勢いで城から打って出たのだ。 そのあまりに激しい攻勢に晒された事で、大手門を攻めている織田勢は押し返し続けられてしまう。 それでも味方を崩壊させるまではさせない辺り、彼らはも一廉の将であった。
「……ふむ。 意外にやる。 これは少々不味いか……長可!」
「はい父上」
「兵を集めろ。 打って出るぞ」
「は、はいっ!」
父親の言葉に、森長可は嬉しそうな声を上げると急いで兵を纏めた。
程なくして軍勢が整うと、森可成自らが率いて宿南保綱の兵に攻撃を仕掛ける。 彼は、此処が踏ん張りどころだと判断したのである。 そしてその判断は、森勢と共に控えていた赤井直正もまた同じであった。
宿南保綱が出撃して間もなく、味方が押され続け始めるのを見た赤井直正は流石に不味いと判断する。 そして急いで兵を集めようとしたその時、隣の森家の軍勢が兵を纏め始めたのを見て密かに感心していた。
それから赤井直正は、不敵な笑みを浮かべる。 そして自らの得物を振り上げると、後ろを振り向く事無く声を張り上げていた。
「者ども! 続けぃ!!」
『おおー』
この赤井直正の言葉を皮切りに、赤井勢は一気に突き進んだ。
そして先に動いた森勢に続く形で敵勢の横から、奇襲を掛けたのである。 これには宿南保綱も、驚きを禁じ得なかった。
そもそも敵勢に痛撃を与えるべく出陣した彼が、前線へと集中していたところにこの奇襲である。 幾ら必死の覚悟があったとは言え、森家と赤井家の攻勢が加わっては彼らも耐えられる筈もない。 敵勢から好きな様に蹂躙されてしまい、やがて宿南保綱の兵は四分五裂に陥ってしまった。
これでは真面な行動は出来ないと咄嗟に悟った宿南保綱は、味方に撤退の命を出す。 しかしその命が行き届く前に、態勢を立て直した筒井順慶や佐々成政や蒲生頼秀が再度攻勢を強めて行く。 これにより織田勢から挟まれた形となった宿南保綱の兵達は、あっという間に討ち取られていった。
それでも一人でも多く城内へ戻そうと、撤退の声を張り上げる。 しかしてその姿を、森長可へ見咎められてしまった。 敵味方入り乱れる中、必死に撤退の声を張り上げる一人の男が居る。 間違いなく敵の将だと判断した森長可は、歩み寄ると声を掛けたと言う訳であった。
「そこに居るは敵の大将と見た! いざ!!」
「くっ!」
森長可は一気に詰め寄ると、手にした槍の一撃を繰り出した。
宿南保綱はかろうじてその攻撃を逸らしたが、完全に弱める事は出来ない。 それぐらいに鋭い攻撃であり、その為に彼が身に着けていた鎧の袖が損傷してしまった。
すると森長可は、すぐに槍を引き戻すと横薙ぎに払う。 咄嗟に宿南保綱はその一撃を受け止め様としたが、それは叶わなかった。 森長可の攻撃が、鋭いだけでなく想像した以上に重かったからである。 その証拠に、あまりにも重いその一撃を受けた宿南保綱は、手にしていた槍を思わず取り落としてしまっていたのだ。
その隙を、森長可は見逃さない。 彼は、己が繰りだした槍の勢いを殺さない様に、円を描くとそのまま更なる一撃を加えている。 しかし既に得物を取り落としている彼には、その攻撃を止める事など出来はしなかった。
直後、森長可の槍の柄が強かに宿南保綱の体を打ち据えたのである。 その一撃に、彼は思わず膝から崩れ落ちる。 すると森長可は手にしていた槍を手放すと、刀を抜きながら躍り掛かった。
既に死に体となっている宿南保綱に、その動きを避ける手立てなどない。 馬乗りに圧し掛かられてしまい、完全に抑え込まれてしまう。 そのまま森長可は、宿南保綱の首に刀を添えると一気に押し切ったのであった。
「敵将が首、この森勝蔵長可が討ち取ったり!」
事実上、此隅山城大手門で繰り広げられた戦の趨勢が決まった瞬間であった。
弟が討たれたと知り、流石の宿南信久も抵抗を諦める。 彼は即座に軍使を出して、義頼に降伏する旨を伝えたのである。 こうして大手門と搦め手門の両方を攻略した義頼は、一気に攻め上がるのであった。
場所を移し、此隅山城本丸にある館の一室。 その前では、激しい攻防が繰り広げられていた。
「絶対に守れ。 豊信を、決して殿に近づけさせるでない!」
『御意!』
配下の将兵から返って来る力強い返事を聞き、磯部豊直は小さく笑みを浮かべた。
だがすぐに表情を引き締めると、厳しい視線を前方に向ける。 そこでは謀反を起こした八木豊信に加担した兵と、山名宗詮を守る磯部豊直の兵が武器を交えていた。
その情景を見た瞬間、彼は軍配代わりにと手にしていた扇子を握り締める。 すると、まるで悲鳴の様に扇子がミシリと音を立てていた。
「豊信め! 必ず血祭りにあげてくれるわっ!!」
「兵部大輔(磯部豊直)様!」
「どうした」
「はっきりとは分かりませんが、織田勢が動いたかもしれません」
「なにっ! ここにきてかっ!!」
「はい。 慌ただしく城を囲んでいる旗印が動いております。 何より大手門、搦め手門の双方に織田家の将兵と思われる旗印が肉薄しておりますので間違いは無いかと」
「肉薄……相違ないのだな」
「御意」
磯部豊直が報せを受けたほぼ同じ頃、八木豊信もまた織田勢の動きを知った。
その途端、彼は苦渋に顔を歪める。 それは織田勢がこうも早く動き出すとは、八木豊信も想定していなかったからである。 無論、何れは動くとは踏んでいたのであるが、もう少し時間的余裕があると判断していたのだ。
と言うのも、彼は山名堯煕が織田の陣に向かった事を知っていたのである。 だからこそ、織田勢が慎重になると踏んでいた。 その隙に山名宗詮を討ち取り、彼に全ての責任を押し付ける。 そうする事で、己は厄災から逃れるつもりであった。
しかし、状況はそうとはなっていない。 織田家の攻めは始まっているのに、自身はまだ山名宗詮の元にまで辿り着いてもいないのだ。
言うまでもなく、磯部豊直が最後の関門となっている事に原因を求められる。 この状況も、八木豊信にとって想定した事態では無い。 まさか磯部豊直が、こうも迅速に防衛線を築き上げるとは考えていなかったせいである。 それも、急造な割にかなり堅固な防衛である。 それでなければ今頃は山名宗詮を討ち、彼に全ての罪を被せていた筈だったのだ。
「それもこれも、全て豊直のせいか……くそっ!」
「父上っ!」
八木豊信は、話し掛けて来た息子の八木信慶を見る。 そして息子に返答しながら、同時に息子の慌てた様子を訝しがった。
「どうした信慶」
「大手、搦手の双方が破られました! 織田勢は、怒涛の勢いで城の各曲輪を抑えております。 この本丸までそうは時が掛からないとっ!!」
「何っ!? まずい、実にまずいぞそれは」
八木豊信の考えよりあまりにも早すぎるのだ、織田勢の侵攻が。 山名宗詮を討ち取るどころか、磯部豊直すら突破できていない。 これでは、自身どころか一族の身が危うかった。
だがそこに、八木豊信にとっての朗報が齎される。 ついに、磯部豊直が構築した防御を突破したとの報が入ったからだ。 これならばまだ間に合うと、八木豊信は息子の八木信慶と共に突撃する。 現場に到着すると、報告通り磯部豊直の防衛線が破られており、すんなりと通行できた。 後は部屋に踏み込むだけであったが、そうは問屋が卸さない。 山名宗詮が居る奥の一室の前では、数人の者達が必死に防戦していたのだ。
こうまでして彼らがそこを守っている理由だが、驚く事に山名宗詮である。 それは、磯部豊直の構築した防御が八木勢に破られた直後の事であった。 彼より報告を受けた山名宗詮は、一瞬だけ目を瞑る。 それから目を開くと、磯部豊直に対して腹を切ると告げたのであった。
「やはり、腹をめされますか」
「うむ。 堯煕や元豊の為にも、その方が良かろう」
「分かりました。 拙者も御同行いたします」
「すまぬな」
磯部豊直が、後に続くと告げる。 その言葉を聞いた山名宗詮は、じっと磯部豊直を見た後で礼を言ったのであった。
「あそこだ! あそこを突破せよ!!」
『はっ』
八木信慶の言葉に、彼の連れて来た兵が部屋の前に押し寄せた。
だが、この部屋の入り口を守る者達は最早死兵と言ってもいい。 彼らは己が命と引き換えに、劣勢の状況にも拘わらず八木信慶が連れて来た兵全てを討ち取ったのだ。
兵数の上で優位であった筈の八木勢が逆に討ち取られたと言うまさかの事態に、彼の動きが驚きのあまりに止まる。 そんな彼に対し、部屋から飛び出て来た強襲者が肉薄した。
「信慶! 親子揃って、この恩知らずめが!」
「くっ」
八木信慶は、かろうじて強襲者の刀を止めていた。
だが、体ごと飛び込んで来た強襲者こと磯部豊直の刃である。 完全には受け止められず、致命傷とまではいかないが肩口を切り裂かれてしまう。 その痛みに刀を取り落とし片膝を突いた八木信慶に対し、もう一人男が飛び込んで来た。
それは、伊秩重久である。 彼は山名宗詮の居る部屋の前で必至に守っていたのだが、致命傷と言える傷を負っていた。 しかし磯部豊直の一撃を受けて八木信慶が深手を負ったのを見ると、矢の様に飛び出して彼に刀を突き立てたのである。 正に渾身と言っていいその一撃を真面に受けた八木信慶は、ついには致命傷を負って絶命した。
そのまま磯部豊直にもたれ掛かったが、彼はその遺体を汚い物が触れたとばかりに忌々し気に蹴り飛ばす。 それから、直ぐに血塗れの伊秩重久を抱える。 すると磯部豊直の手は、彼が流す血によって赤く染まって行った。
「い、磯部様。 の……ぶよしは?」
「その方が討ち取ったわっ! だからしっかりせい!!」
「じ、じぶんのことゆえ……わかります。 もうしわけありませぬが……お、おさきにまいり……」
伊秩重久は、最後まで言い切る事無く絶命する。 今際の際の言葉を聞いた磯部豊直は、静かに体を横たわせると彼の目を閉じさせた。 その時、八木信慶の遺体を前にして一人の男が悲鳴の様な声を張り上げる。 そいつを目にした磯部豊直は、怒りを込めた目を向けながら刀を構えたのであった。
豊直たちが一矢報いました。
豊信嫡子、(速攻で)討ち死にです。
ご一読いただき、ありがとうございました。




