#6 ちょっと息抜き
百合の家に住むようになってから半年が経った。
再就職先も見つかり全てが順調だった。
就職した事に時間の流れを感じた。
しかし、いくら時が流れようと茜のいない生活には慣れなかった。
百合「あぁウゼェウゼェ。クソハゲオヤジ!」
雪「百合…まぢで怖いよ。」
百合「あんたも知ってるだろう⁈」
雪「確かにあいつは嫌だけど。下品だよ。」
百合「最初雪だって同じ事言ったろ?」
雪「あれ?そうだっけ?」
相変わらず百合は言葉にトゲがあって怖い。
でもそれが百合らしさでもある。
百合「でも帰って来ると待っててくれる人がいるって良いもんだな。」
雪「そうでしょ?」
百合「雪を泊めて正解だ。」
雪「え?あたしまだ泊まってる事になってんの?」
百合「家賃払ってんのは私だ。」
雪「むぅ。」
ちなみにクソハゲオヤジとはあたしが元いた(百合のいる)会社の部長の事だ。
あたしにキレたのもこいつ。
百合「あ、ゴメン言い忘れてた。明日からペット飼う事にしたから。」
雪「え?そうなの?何飼うの?」
百合「ネコ。」
雪「ニャ~。」
百合「あんたがやっても可愛くない。」
雪「むぅ。」
そして。
百合「選んだのは私だろう……。」
雪「良い子ね~ゴロゴロぉ。」
ネコを招き入れた訳だが。
百合には全く懐かなかった。
ちなみにネコの名前は生クリーム。
変な名前だけど白い毛並みにもふもふだから。
あたし命名。
百合「コッチだぞぉ。」
クリーム「フゥゥゥゥ!」
めっちゃ毛を逆立てて威嚇してる。
百合「何でだよぉ(泣」
雪「クリーム、こっちおいで。」
クリーム「トコトコトコ」
百合「くそぅ。ココは私の家だろう。」
更に半年後。
百合「(泣」
雪「大丈夫?」
百合は生クリームに引っ掻き回され身体中キズだらけだった。
百合「バカネコがぁ!住まわせてもらってる分際でぇ!」
雪「やめて怖いよ百合!」
百合「あぁん⁈」
クリーム「ニャー!」
ジョキッジョキッ!
百合「きゃーっ!!」
雪「あ、ダメでしょ!」
その日からネコは大き目の檻に入れて飼う事になった。




