myuzの三題噺「黒砂糖」「甘酒」「フレンチ」
友人と「同じお題で書いてみよう」と言う事で書いてみた三題噺。暇つぶしにどうぞ。
6/18追記
友人のものがUPされました!よければどうぞ。
後書きにURLがあります。
目の前を黒砂糖が横切った。
どうやら先回りされていたようだ。
「くそったれ!」
俺は悪態をついてフォークを投げる。それは、幾つかの飛んでくる黒砂糖を相殺して
カラン。と地面に落ちる。
「やるじゃないか。才能は惜しいが、我々の脅威となる前に潰させてもらおう。」
黒砂糖を飛ばしてきたのはこいつだ。格好付けながら黒砂糖を構える姿はシュールだが、
実際に強いからツッコミ様が無い。くそっ、なんで俺がこんな目に・・・
―事の始まりは昨日だった。
―国全体で、アンケートが取られたあの時。
「アンケートを前に出したやつからかえっていいぞー。」
「国内最強料理決戦派閥アンケート・・・これ、なんだ?健太。」
「そうそう。このアンケートに好きな料理とか書くんだって。」
「意味が分からない・・・。」
その時俺は、その朝に食べたフレンチトーストを思い出して、「フレンチ」と書いた。
「なんだよお前、フレンチって。格好付けてんじゃねーよ、俺なんか納豆ってかいたぜ?」
親友の健太と一緒に笑いながら、アンケートを先生に提出して、帰った。
今思えば、ここまではまだ、普通だったのかもしれない。
次の日、俺は普段どおり登校した。そして自分の目を疑った。
教室には、健太がたっていた。納豆と箸を持って、一人だけ。
―そして、周りには、クラスメイト達の死体が散らばっていた。
「健太、これ・・・!?」
「黙れ、『フレンチ党』。俺の前に・・・『和食連合』の前に立つなら、
親友のお前でも容赦はしないっ!」
「なんなんだよっ!?」
それからは俺はとにかく逃げた。そして住宅街へと逃げ込んだ。
今、目の前に居る黒砂糖男とは、この時出会ったんだ。
住宅街にも、死体は散らばっていた。
「一体何が起きてるんだよっ!?」
「戦争・・・だよ。・・・私は『和食連合』の霧野だ。」
声がした。その方向を向いたら、女性が立っていた。
女性の手には、甘酒の紙パック。何故そんな物をもっているのか。
違和感を感じて、自分の手元をみてみた。
そこには、いつの間にかナイフとフォークが握られていた。
「なんだよこれっ!おいアンタ、何が起きて―
「さようなら、少年。いつか地獄で会おう。」
女性が紙パックを傾けると、中から甘酒が出てくる。
そしてそれは、空気に触れると、発火した。
火炎の奔流が襲ってくる。
「だから、なんなんだよっ!?」
とっさに手を交差させ、顔を守った。
しかし、その炎が俺に届くことはなかった。
目を向けてみると、人間サイズの巨大なフレンチトーストが、壁となり、炎を防いでいた。
トーストが倒れ、視界が開ける。
先ほどの女性は驚いた目でこちらを見ていた。
「まさか防ぐとはね・・・私も本気で―」
その瞬間。女性の左胸を、何かが貫いた。
「かはっ・・・!?」
バタン。と、女性が崩れ落ちる。その目からは光が失われていた。
「あぁもう!一体何が起きてるんだよ!?!?」
とりあえず俺は、女性の心臓を貫いたのは何か、確かめてみた。
それは、血まみれの黒砂糖だった。そして俺の頬をかすめて、何かが横切った。
結局それも、黒砂糖だったんだ。
黒砂糖での狙撃は、数十分も続いた。
俺は何もできなくて、ただひたすら逃げ回った。
でも、それも終わりみたいだな。
目の前には、男が無数の黒砂糖を原理不明の力で浮かせている。
あれを撃ってきたら。間違いなく・・・死ぬ。
なんでこんないきなり。
なんでこんなやつに。
死にたくない。死にたくない。怖い。怖い。怖い。怖い。
「さらばだ。」
「くるなぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
突然男を包むように6枚のフレンチトーストが出現する。
「うああぁぁぁぁああああっ!」
だが俺は、そんな奇跡に驚く余裕もなく、
本能的に、右手のナイフを振るった。
フレンチトーストは、半分に裂けた。
オレは、トーストにつつまれた、人間の分断された下半身を見つめた。
「そうか。みんな、コウしちゃえばいいんだ。そうだ。そうしたら、何も怖くない。」
何故気づかなかったんだろうか。健太だってそうしていたじゃないか。
皆消シちゃえ。何もイラナイ。全部壊シちゃえ。皆無クシちゃえ、そしたラ、
何も怖くない。何も怖くないんだ。何も怖くない。何も怖くない。
何も怖くない。何も怖くない。何も怖くない。何も怖くない。・・・
「という夢をみたのさ!健太!」
「お前怖ぇよ!!!!!ちょっ、こっち来んなし!」
ちゃんちゃん。
昔書いた物をそのまま持ってきたのですが、今見ても酷い。
でも後悔はしていない。反省も。
友人の三題噺 黒砂糖 甘酒 フレンチ はこちら
http://ncode.syosetu.com/n1536u/
オマケ・これを書いた時に書いたあとがき
収集が付かなくなりました。
えっと・・・ハッピーエンド・・・なのかな?
終わりよければすべてよしだよねっ!
夢オチっていいのかどうかは知らないけど。
フレンチってなにさ。フランス料理なんてしらんがな。
あと甘酒も。甘酒ってなにさ。
え?ggrks?だが断る。
というノリで書いたらこうなった。もう三題噺なんてやりたくないね!やるけどさ。