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狐にまつわるエトセトラ

作者: 猫舌威
掲載日:2026/08/08


夏ですね。

夏といえば怪談ということで、このネタ……というか私の過去話を書いてみようと思いました。


ホラー部門には置きません。自分の実生活がホラーだと思いたくないんで……



白い狐のお面。

私は子供の頃から、これが恐怖の対象でした。幽霊と同じレベルで怖いのです。


でも別に、その辺にいる狐は平気です。動物園にいる子とか、夜に車で走ってたらちょろっと出てくる子とかは全く怖くない。

狐は、車が来たら素早く避けます。どんくさいのは狸。右往左往したあげく車に寄ってくる。そんなんだから朝に道端に転がってるの狸ばっかなんだよ!道路維持作業の皆さんありがとう!撤去めちゃ速い!

佐和山の狐は大好きです(笑)。


それはさておき。

そもそも稲荷も怖い。お社の両側で狛犬ポジション取ってる、細面でスマートでシャープなあいつ。何故怖いのかは、自分でもわかりません。


明確な理由はない……けど、ひとつ覚えてるのは、小学校低学年時、学校の図書室で読んだ絵本『那須の殺生石』の影響はあるのかな、と。


古来より恐れられた、近づくと命を取られる石。その正体は、周辺で火山ガスが噴き出してるからと現代なら原因が分かってますが、昔はその石が妖怪だと考えられておりました。


それを退治するのが頼光四天王……だっけ?

大勢の侍が、殺生石を刺したところ、白い巨大な狐が正体を現した……という絵が見開きでドーンと描かれていて。それがものすごいインパクトで、未だに覚えてます。


九尾の狐だったのかな。人を飲み込むでかさの白い狐、吹き出る血、突き刺さる刀……

おそらくそれが、白い狐→怖い、となる第1歩だったのかなと。

怖くて泣いたとかではないです。そこでは。


同時期に、親戚の住む地域で行われてた七夕祭に、従兄弟と一緒に参加しました。ねぶたの小さいのみたいな灯籠を子供らが引っ張って練り歩くのですが、途中、稲荷神社の横を通ります。


私はギャン泣きしました。見上げた先の稲荷神社にとてつもない恐怖を感じました。

というか、私はそこが稲荷神社であることを知りませんでした。地域住民ではないので。なのに恐怖で泣き止まず、そこで祭からリタイアです。

他の神社でそうなったことはありません。幼い私は、小高い丘に何を見たのでしょうか。


時はたち、中学1年。

入学早々のGWに祖母が亡くなりました。火葬の日は、みぞれが降りました。火葬場の花壇のチューリップにみぞれが溜まってたのを覚えています。変な気象でした。


皆さまはイタコをご存知でしょうか?

うちは隣が青森県なこともあり(恐山があります)、口寄せと呼ばれる降霊術ができる人が数人います。シャーマンキングのアンナ様だと思って下さい。葉くんでもいいよ。


我が家の近所にはY田さんというイタコの婆ちゃんがいまして、Y田の神様と呼ばれてました。

引かないで! 引かないで下さい! 変な宗教の話じゃないです。イタコさんを神様と端的に読んでるだけです、因習村とかじゃないです!

ごく普通のロマンスグレーの婆ちゃんです。私は古巣の仕事で交通災害&不慮の災害保険の勧誘に行ったことあります。入ってくれませんでした(笑)。


で、うちの地域は、亡くなって35日だか49日目にイタコさんを家に呼んで、故人を口寄せしてもらい声を聞くというイベントがあります。全世帯がやるわけでなく、希望制です。

我が家では、私が学校行ってるあいだに、それが行われました。

見たわけではなく、母から後日聞いた話です。


我が家は玄関入って真正面が仏間。その仏間で、Y田さんが言います。まだ口寄せ始まってません。


「あんたんちの婆さん、玄関から上がって来れない。何か、邪魔してるものがあるね」


そんなものに、誰も心当たりありません。Y田さん、おもむろに仏壇の隣の神棚に手を伸ばします。

神棚には平べったい巣箱のような箱が立ててあり、小さな丸窓が開いてて、中の天照様かな?の御札が見えています。

Y田さん、まさかの箱を分解!

すると中から、稲荷の御札が表れました。


我が家に稲荷はありません。

それでなくとも、天照様の御札と一緒に稲荷の御札を入れるのは、おそらくありえません。

誰も入れた覚えがないし、そもそも小窓より大きい御札をあとから入れるのは不可能です。

そしてY田さんは、私の母に言います。


「これ、あんたの娘に憑いてるよ」


イッツ・ミー!!!!


……そして稲荷の御札を取り除いたら、祖母が玄関から上がって来れたそうです。


猫舌「よかったー! じゃあもう私に憑いてた稲荷はいないんだね!」

母「いや、祓ったわけじゃないから、まだ憑いてるんじゃない?」


そう。イタコさんは降ろすだけであり、祓うことはできません。それは別業者の仕事です。


猫舌「……てことは、まだ肩に2匹いるのかぁ……」


実はこのY田さん、私の運動会に来た母がリレー中にアキレス腱切った際にも、口寄せしてもらっていたのです。(なんで?)

その際に判明したことが。


我が家に昔いた馬が、足をケガして、祖父がそれを放置して死なせてしまいました。その馬が母に憑いてたのだそう。


プラス、その馬小屋に卵を宿した白蛇が迷いこんでいて、祖父が棒で叩いて半殺しにして海に棄てました。白蛇は卵も失った怨みで祖父の子(父)に憑き、さらにその子(猫舌)にも憑いたのです。

祖父がクソです。

七代祟って許すまじといわれる白蛇。私まだ三代目だよ。子供いないけど、これで終わるのかな?


私はてっきり、憑いてることわかったんなら祓ってくれてるんだと思ってたんですが、イタコさんは祓えないことが判明。

なので私の肩(頭かもしれんが)には、まだ稲荷と白蛇が乗っかっているようなのです……


って書くと、なーにいい年して厨二なことをwwwと思われるでしょう。まぁ憑いてるかは知らんけど、祓ったことはなく、憑いてると言われたのは事実です。

私は怖がりなんだからな!(泣)

憑いてていいから、私に見えないでいてほしい、特に狐!



もうひとつ付け足すなら。

両隣の家には稲荷があるんですが、南隣の家が建て直しをした際、前の家のトイレがあった場所に稲荷の社を移しました。

近所の人(うちの母含む)は「大丈夫かあれ……」と、不敬ぶりに眉をひそめていました。


4年ほどたった深夜。

何か暑くて寝苦しいな……と、うっすら目が覚めかけた頃、階下から母が叫びました。

「隣の家、火事だ!!」

飛び起きると、隣家の窓という窓がオレンジに輝き、熱風が我が家に吹き付けていたのです。


隣家の一人暮らしのおっちゃんは、周囲に火事振れをしに走ってたので無事でしたが、火事の原因は謎(床暖房の電源の異常ということにしたらしいけど)。

その後、再再建した家の稲荷は、もともとの場所に戻っていました。

近所の人が「やっぱり……」と囁きあったのは、言うまでもありません。

稲荷は神様です、不敬はダメ絶対!


怖がることは不敬でしょうか、お稲荷さま。


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― 新着の感想 ―
猫舌威さまとは真逆に、お稲荷さんが大好きです。 何故なら可愛いから。 それだけの理由ですが、好き。 イタコさんにみてもらえるのいいですね。ルーツみたいのがわかりますよね。 祖父。ムカつくね。 無駄な殺…
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