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勇者を目指した理由

 この世界には今、魔王という悪の親玉的存在が各地を脅かしている。

  女王は魔者や魔王が引き起こす厄災や事件に対して勇者という戦闘のスペシャリストを各地へ派遣させ防災をさせている。





 ーーー最近過去に女王が討伐した、魔王が復活した。


 そのせいで、今僕の住んでいる復元の国「ロスト」は、昔魔王を討伐した女王がいるせいもあってか、魔王に狙われ厄災が頻繁に起こっている。

 

 その被害は僕の住んでいる村にまで広がっていた。

 でも村の人達は勇者が派遣されると言って誰も逃げようとしない。

 

 魔王軍は執拗にこの村を攻撃しようとしてくる、勇者が派遣されたとて、何日もつか分からない。

 そもそもこの村に勇者を派遣するかも分からないのだ。


 だから僕はお金を貯めてこの村を抜け出してどこか安全な場所に住もうと考えている。

 

 まだしっかり計画は決まっていないけど何をするにしてもお金は必要なのだから貯めておくだけ無駄じゃないだろう。


 そうして金稼ぎの薬草採取を始めて30分が過ぎようとしていた。


 すると、ふいに森の中からごそごそとこちらに向かってくる音が聞こえた。


 僕は焦ったなぜなら僕はまともに戦闘をしたことがない、戦いのど素人だからだ。

 

 でも聞こえてくる音は大分小型の音だ僕は安心した小型ならまだナイフや魔法で戦える。


 音が聞こえてくる方向を見るとそこには細長い鞭みたいな体が特徴的な「リトスオフィス」という魔物がこちらを見つめていた。





「無理無理無理無理無理」


 僕は声を荒げながら叫んだ、なぜならリトスオフィスには近づくと毒を吐いてくるし魔法で倒そうとしても、頭に付いているクリスタルのせいで魔法が効かない。


 せめて弓があれば攻撃ができたのに、僕はなぜ丸腰で森に入ったんだと今更後悔した。


 どんだけ逃げてもリトスオフィスはずっと追ってくるもう無理かと思った。


そのとき目の前に崖が見えた、僕は迷わず飛び出した。


「アネモダルメノス」


 地面に手を向けそう詠唱した、地面につく寸前にふわっとやわらかな風が僕の体を持ち上げ落下の衝撃を吸収した。

 

 地面についた後すかさずふりかえった、さすがに崖の下までは追ってこなかったようだ、だが安心するにはまだ早かった。


「ここどこだ?」


 周りを見渡すとそこは岩だらけの谷底だった。








「はぁ、はぁ疲れた」


ーーー谷底を彷徨って40分が過ぎた、登れるとこを探すために歩いている。


 けど、いくらなんでもでかすぎる村の近くにこんな場所があるなんて聞いたことがない。

 

 周りいったい岩と大量の魔物がいる湖と生物の骨だらけの場所で頭がおかしくなりそうだ。


 一旦休憩をしようと岩陰に座った、水も食料も残りが少ない、だからここにあまり長居していたら足元をすくわれかねない。


 そうこうしていると休憩しはじめて10分くらい経った、また歩き始めようとした。


「ドスン ドスン」


 いきなり大地が震えるような音がした、周囲が異様なオーラに包まれる。

 

 僕はそのときやっと気づいた、なんでもっと早くに気づかなかったのだろうか、周りの生物の骨、そこら中にある、化け物の水飲み場としてとても有用な湖。

 そう此処は決してただの人間風情が踏み込んではいけない厄災生物の住処だということに。




「ドスン ドスン」

 

 大地を震わせる音がだんだん遠のいていく、僕は恐怖した。


 厄災生物とは、魔王が復活したときに発生した、膨大な量の魔素を野生の魔物が一気に取り込むことで生まれた生物のことだ。


 さっきまで暑がっていた体は、冷や汗により涼しくなっていた。

 考えるための頭はまわらず、逃げるための体は言うことを聞かない。


 厄災が遠ざかったことにより、少しの安堵感が湧いた、そのおかげか頭が少しまわるようになり、体も言うことを聞くようになった。

 だが頭で考えるより先に体が逃げていた。


 不安と焦燥感にかられ逃げていた、ふいに、ほら穴を見つけた近づいてみるとそこには、人の死体が転がっていた、肌の色はまだ綺麗だった。

 けど、虫に食べられていてとても見れたものじゃない。


 ほら穴で落ち着かない呼吸を整えのようと深呼吸をした、だが呼吸は整わない。

 あの厄災からは遠ざかれたものの「安心」と言えるはずもなく少しはまわるようになった頭で考えようとした。

 だが、幾度考えようと思考を巡らせた先には「絶望」しかなかった、思考を放棄したくなるほどの希望薄の未来、思いつく先は全て「絶望」、考えを巡らせれば巡らすほど、息が荒くなる、その呼吸の音は「焦れ、焦れ」と急かすように響く。


 厄災のことを考えていては、いつかストレスに潰れてしまう、そう思った、だから厄災のことを考えることをやめた。


 そもそもこんな谷底、村の近くになかった、短期間でこの広範囲で複雑な谷底が自然にできるとは考えにくい、多分この谷底はあの厄災が作った場所だろう。

 もしそうだとすればあの厄災にはそれなりの知能があるはずだ、獲物を簡単に逃すような作りにはしないだろう。


一度厄災のことを考えるのをやめ、頭を落ち着かせると、この場所に対しても厄災に対しても疑問が湧いた、無意識のうちに考えるのをやめた、厄災のことを考えていた。


 出口はきっと厄災が立ち塞がっていてそこ以外出れる場所はない。

 そしたらあの厄災との接触は避けられない、でもだとしたら、厄災は何故動いていた?、ずっと待っとけばいいものを何故移動していた?


 様々な疑問が頭を駆け巡り、一度まわりをよく観察しようと外に出た、決して体を蝕んでいた恐怖心がなくなった訳ではない、ただ疑問を解きたいという気持ちが強かった。


 厄災を見た場所へと戻り、厄災が訪れて戻って行った、方向へ進んだ、すると頭の上に一羽のコウモリが横切った。


「コウモリ?」


 こんな昼間にコウモリが活動している?しかも一羽で?そんな疑問が頭を埋め尽くす、それぐらい違和感を感じた。


 疑問は尽きないが、それに没頭するとあしもとをすくわれるので、厄災の足音がしないか集中して耳をすませた。


 この谷底は音が反響しやすい、あんな大きな体をしていたら、音の反響で厄災の居場所を特定ができそうだ、でもその音でこっちの居場所も厄災にバレるだろう。


「目!」


 途端後ろに振り向いた、

 曲がり角から四足歩行で灰色のとても大きな口となんでも噛みちぎれそうな鋭利な歯、体はとても太くてずっしりとしている巨大な厄災が現れた。


 やっぱりコウモリは厄災の「目」だったのだ、おそらくコウモリが見た情報は厄災にも見える、いわば共感覚のような「固有魔法」だろう。


「ボコン」


 いきなり足元の地面から、複数本の土の棘が生えてきた、間一髪で回避した、だが棘が足をかすめた。

 つんざかれた痛みが足全体に広がる。


 僕は走った、厄災相手に背を向けて走るなんて、言語道断の行為だが、真正面に戦って到底敵う相手ではない、「ボコン ボコン」と後ろから土の棘が生えてくる。


 厄災は曲がり角からそのまま戻って行った、この谷底の道は全て厄災の待つ出口へと繋がっている!だとしたら厄災が出口から離れている今がチャンスだ。


「アエラス」


 ぷわんっと体に風魔法を纏わせて、走る速度を格段に上げた、しばらく走っていると、広い空間に出た、あたりを見渡すと谷底から出れそうな坂を見つけた。


 僕が出口へ向かうと、地面からまた土の棘が生えてきた、厄災のお出ましだ。


 僕は走りながら詠唱を始めた、


「燃えろ 燃えろ 大地を震わせ全てを焼き尽くし滅亡させよ 我が名はマギア・ラヴァイニ 炎の神よ この世を滅ぼさんとする厄災に制裁を下せ 爆ぜろ フロゴンエクリキシ」


 とてもきれいな炎の柱と共に「ゴォーン」という重低音が辺に響く、僕は走った無我夢中に走った、逃げ切れるチャンスは厄災との距離が空いていてやつの怯んでいる間だ。

 

 抜け出せるそう思ったのも束の間


「行き止まり⁉︎」


 出口だと思っていた坂は罠だったのだ、驚いた、僕が驚いたのは行き止まりになっていたことじゃなくて、こんなちょっと考えればわかる罠に引っかかった自分に驚いたのだ。

 

 厄災の攻撃が飛んできた、僕はかわしきれずに足に棘が刺さった、もう終わりだ、そう絶望した。


 僕は自分自身を馬鹿だと思った、厄災と呼ばれるような化け物がそう簡単に逃がしてくれるはずがないのに、逃げ切れるという淡い希望を抱いて無謀な挑戦をして失敗するそんな自分を馬鹿だと思った。


 厄災がこっちに向かってくる、走馬灯が見えた気がした、すぐそばまで近づいてきたとき、いきなり刃物が飛んできて厄災の左目を切った。




「マギア大丈夫か!」


暴れる厄災の足音の中、耳の中に透き通る声が聞こえた。


「こいつは厄災だ普通に戦っても勝てない!」


「分かった!マギア目瞑ってて!」


「フラッシュ!」


周りいったいが白い光に包まれた。


ーーー「ん、」


目を覚ますと、綺麗でさらさらしている黒髪ショートカットのレイ・ロイールが僕を抱えて走っていた。


「ありがとうレイおかげで助かったよ」


「昼には帰るって言ってたのに全然帰ってこないから心配で見に来たら、すごい爆炎が見えて驚いたよ」


 さっきまで今際の際にいた僕に、レイは笑い事のように話した。


「でかい魔法を打ったらレイが見つけてくれるかなと思って一発打っといたんだよ」


「でもその魔法って魔力消費量が大きいから、打った後しんどくなるでしょ、私が見つけなかったらどうしてたんだ」


「分からない、でもレイが見つけてくれるって信じてたから」


「なにそれ、私が間に合ったからって逃げ切れるとは限らないんだからね」


 レイはそう照れたように強い口調で言った。


「レイなら逃げ切れるだってレイは期待の新星冒険者だからな」


 僕は照れているレイを揶揄うように答えた。


「その呼び方辞めて」


「もう恥ずかしがっちゃって、街の方でも有名らしいから素直に喜んだらいいのに」


 そんな話をしていると、気づけば村に着いていた。


「あー!やっと帰ってきた」


 桃のように淡いピンク色の髪をしていて、ツインテールの幼稚な雰囲気を漂わせている、自称この村一番の美少女シノンが近づいて来た。


「マギアそんな姿でみっともなくないのー?」


シノンはレイに抱えられている、ボロ雑巾のような僕を見て煽ってきた。


「黙れシノン僕はお前と違って働いていたんだ」


「働いてるっていっても薬草採取してただけでしょ」


とレイが水を差してきた


「レイはやく降ろしてくれ、なんか恥ずかしくなってきた」

「無理」

レイは即答した


「なんで酷い」


「だってその足じゃ歩けないでしょ」


「うぅ」


 僕は情けない声を出した、


「あたしがその足回復してあげよっかー?」


 不服だがこの村で回復魔法を使えるのはシノンしかいない


「頼んだシノン」


 僕が答える隙なくレイが答えた非常に非常に不服だがここはシノンに頼るしかない


「シノンよろしく」


「はーい」


 僕の家の寝床までレイに運ばれてそこでシノンの治療が始まった


「足見せて、うわぁ何したらこんな怪我するの?とりあえず棘抜くね」


「痛い」


「我慢して、一気に引っこ抜くよ」


「分かった」


「3 2 1でいくよ」


「3 2」「ズボ」


 シノンは悪魔的な微笑みを浮かべながら、僕の足に刺さっている大きな棘を力いっぱい抜いた。


「痛ァァァイ3 2 1で抜くって言ったじゃん酷いサイテー」


 もう声を出す気力も余裕もなかったが、棘を抜かれる痛みでそんなこと関係なく、大きな声が漏れた。


「あーはいはいじゃあ回復魔法詠唱するから黙って」


 シノンは騒ぐ僕を抑え込むように言った。


「うぅ」


 シノンはとても真剣な声と表情をして、詠唱を唱えた。


「フィリア ストルゲ エルフェリア 神よ 我が名はシノン・アーベント 哀れな人間に希望の光を与えたまえ エカトヘクペラール」


 シノンの詠唱が終わると緑色の優しい光が僕の足を包んだ。


「やっぱりシノンの回復魔法はすごいね、みるみる治っていく」


「本当に酷い状態だったよ、いったい何をしてたの?」


「魔物に襲われた」


「いったいどんな魔物に襲われてたのよ」


 厄災のことが知られて村が騒ぎになったら、面倒くさいから厄災のことは伏せておいた、


「まぁいいわ、次からはお金とるから気をつけてね」


「えぇ、でも治療してくれてありがとうおかげで助かったよ」


 治療を終えるとシノンは帰っていった、シノンが帰った後僕が外に出ると玄関前レイが居た。


「治療お疲れ、なぁマギアずっと考えてたんだけどさ、私と冒険者パーティを組まない?」


黒髪の少女は紫色の瞳をきらきらさせながら聞いてきた。


「え!なんで?」


 僕は思わず聞いた。


「だって、マギア、君の魔法はすごい私は魔法は簡単なものしか使えないから君が魔法使いとして来てくれたら心強い」


 力強く念を押すように言われた。


「ごめんちょっと考えさせてくれない?」


「分かった、じゃあ2ヶ月後僕が冒険者として旅にでるその日までに返事をくれ」


「わかった」






ーーーあれから一ヶ月が経った、僕はまだレイに返事ができていない。


 冒険者とは、この世界の約10分の3以上が生業としている職業だ。


 勇者は女王直々に命令されて働く、でも冒険者は役所にあるクエストを選んで仕事をする。


 確かに冒険者はお金も稼げて、冒険と称してこの村を出ることもできる、でも冒険をするのだから命の危険もそれなりにある。


 実を言うと僕はレイが冒険者になること自体反対だ、だってレイは僕にとって小さい頃から遊んでいるかけがえのない親友で命の恩人でもある、だからこそそんなレイに死んでほしくない。


 できるなら冒険者になってほしくない、でも親友の夢を否定するような行為は僕はしたくない。


 早くどうするか決めないと、僕はなんとなく風にあたりたいと思って外に出た、外に出るとレイが居た。


「マギア最近浮かない顔してるけど大丈夫?」


 心配そうな声で声をかけられた。


「あっ、うん大丈夫」


 僕はそっけない返事を返した。


「もしかして前の話で悩んでる?無理に誘っちゃってごめん、別に私に気を使わなくていいから、私はマギアが選んだ道を尊重する」


 レイは僕に気を使うように話した。


「大丈夫、別に、、、とにかく大丈夫だから」


 言いたいことたくさんあるのに、何故か言葉が詰まってしまう、こういうときなんて言えばいいのだろうか。








ーーーレイに誘われてからとうとう二ヶ月が経ってレイが旅立つ日になった。


 僕とシノンはレイを見送るために朝早くから村の入り口で待っていた。


僕は結局なるのかならないのかどっちつかずのままだった。


「レイ遅いねー」


「僕たちが来るのが早かったんだよ」


「ーーー」


「ねぇ、シオン」


「なに?」


「シノンはもし悩んでも悩んでもどうしたらいいか分からない、人生の分岐点みたいなものに差し掛かったらどうする?」


 僕はいつもだったら絶対頼らないシノンにいきなりそんな質問を投げかけた


「んー、わからない、わからないけどもしあたしがそうなったら多分思い切って決めると思う、いきなりそんな話してどうしたの?」


 シノンは僕の質問に珍しくまともに答えた。


「僕は今どうしたらいいか分からないんだ、どんだけ悩んでも答えが見つからない、何が正解かまったくわからないそんな問題に直面してるんだ」


 僕は二ヶ月間隠してきた、僕自身の悩みをシノンに話した。


「ふーん、それは大変だね、悩んでもわからないなら仕方がないことなんじゃない?何が正解か分からないなら、選択肢に囚われず、自分が後悔をしない行動をすればいいと思う」


 いつものような煽り口調ではなく、魔法を詠唱するときのような真剣な声で答えた。


「自分が後悔をしない行動、、、なんかわからないけどわかった気がする、ありがとうシノン」


 最近ずっと暗く見えていた、自分の視界がどこか明るくなったような気がした。


「マギア、シノンわざわざ来てくれなくてもよかったのに」


 レイがうれしそうな声で申し訳なさそうに声をかけてきた。


「親友が旅立つんだから見送らない訳ないでしょ」


「シノンの言う通りだよ、一人で勝手に行くなんてそっけないことすんなよ」


「二人ともありがとう」


 レイはまたいっそう嬉しそうに答えた。


「レイたまには手紙出してよね」


 シノンが珍しく、泣きそうな声で喋る。


「分かった定期的に手紙を出すように努力する」


「私がここまでこれたのも二人が居たからだ、いつか勇者になって魔王を倒したら、またここに戻ってくる、だからその日まで二人とはここでさよならだ、今まで本当にありがとう、じゃあ私はもう行くよ」


 レイはさっきまでの嬉しそうな声と違い、覚悟を語る真剣な声色で、最後の別れの言葉のように話した。


「レイ最後に伝えたいことがある」


 そんなレイを引き止めるように言葉を発した。


「何?マギア」


「本当は怖かったんだ、レイは強くてかっこいいだからそんなレイの横に立って僕はちゃんと相棒ができるのかが、でもやっと決心がついた、僕頑張る頑張って頑張って自分がレイの横に立っても自分自身が恥ずかしいと思わない自分になる、いつかそうなったら、僕絶対レイのところへ行くから、絶対絶対行くから!」


 僕は今まで抱えてきた、不安や焦りの焦燥感を打ち砕き、覚悟を決めた。


「うん分かった絶対絶対来てよ、来なかったら許さないから」


 レイがそう涙声で答えた。


「うん絶対行く」


 その後僕とレイは泣きあった、泣き終わった後はとても酷い顔だった、シノンはそれを微笑みながらみていた、




ーーー「じゃあちょっと遅くなったけど、行ってきます!!」


 泣き終わって、とても元気でいきいきした声で手を振ってきた


「行ってらっしゃい、レイ」


「頑張ってね」


 僕とシノンはレイの背中が見えなくなるまでずっと手を振っていた、そのときのレイの背中はとても大きく見えた、


 レイがいない村はとても寂しい感じがした、でもなんだかとても気分がよかった、


 それからの日は毎日特訓をした、魔力が尽きた後も、走ったり腕立て伏せをしたりして筋トレもした、はやくレイに追いつけるように努力した。




-----レイが旅に出て4ヶ月が経った、僕とシノンは街にある魔宝具屋に杖を買いに来ていた


「シノンここすごいね、いろんな杖が置いてある」


 周りには先端に剣が付いてる短い杖や、丸い水晶のような青い宝石が付いている大きな木の杖や色々あった、


「まぁここ魔宝具屋だし、マギア欲しい杖見つかった?」


「ありすぎて今どれにしようか悩んでる、ねぇシノン短い杖と長い杖で何か違う所ってあるの?」


「基本的に長い杖の方が魔力出力量が多くて魔法の威力も高くなる、短い杖は長い杖より魔力出力量や射程は劣るけど、魔力のコントロールがしやすくて緻密な魔法を使いやすくなる」


「へー、じゃあ僕長い杖にしようかな、コントロールより威力を重視してるから」


「後短い杖は近接戦のときに刃物としての武器になるものが多いよ」


「じゃあ短い方にしようかな、近接戦はこの先多いだろうし」


「そういえばマギアっていつぐらいに旅に出るの?」


「んー、予定では3日後に行こうと思ってる」


「もうすぐじゃん、もっと早く言ってよ」


「言うタイミングがわからなくて、気づいたら日が結構経ってて」


「だとしてもさすがに遅すぎる」


 そんなこんなで気づいたら1時間が経過していた


-----「杖これに決めた」


「結局長い杖にしたのね」


「よくよく考えてみれば、僕はレイとパーティを組むんだし、援護が出来る方がいいかなって思って、シノンは杖とか買わないの?」


「あたしはもう杖持ってるし」


「え、今まで使ってる所見たことないんだけど」


「まぁ今までで使ったことないし」


「今度見せてよ」


「いいわよ、見せてあげる、そんなことよりそろそろお昼だし早くそれ買ってご飯食べれるお店探そ」


「うん、わかった」


 杖を買ってどこか食べれるお店を探して街中を歩いているとき、見るつもりもなかったが不意に新聞が目に入ってしまった、


 僕はそれを見たとき目を見開いた、意識が遠ざかっていくような感覚に陥った、


 なぜならそこに書いてあったことは僕にとって一番起きてほしくなかったことだったからだ、


 僕が呆然と立ち尽くしているとシノンが声をかけてきた、


「そんなまじまじと新聞みてどうしたの?何か書いてあった?」


 期待の新星冒険者レイ・ロイール「厄災の森」で行方不明

 

 とレイの顔写真と共に新聞にはそう書いてあった、

 

 僕の頭の中は困惑でいっぱいで、気持ち悪くて吐き気がするような感情が湧いた、


 シノンの動きが止まった


「え、、これってレイのこと?」


 信じられない、というような声と目で僕に聞いた


「そうだと思う」


「厄災の森なんて勇者以外に入れないのに、なんでそんなところで、、」


 シノンの言う通りだ、厄災の森なんて勇者以外基本立ち入り禁止の領域だ、なのになんでレイはそこで行方不明になったんだ?



 落ち着かない鼓動と思考が自分を不安定にした、その日はもうそのまま家に帰った、


 でも僕の心の中には後悔や疑念の気持ちが混ざった黒い気持ちがずっと残っていた、


 厄災の森は名前の通り厄災生物が何匹もいて、よく厄災がふりかかる森だ、しかもその森はとても広大で、木々も生い茂っている、


 そんな場所で居なくなったレイを見つけることはほぼ不可能だ、だから女王はレイを探そうともしないはずだ、


「勇者になってやる、レイを救うために」

この作品に興味を持っていただいてありがとうございます、主人公の大体のプロフィールを書いておきます


名前 マギア・ラヴァイニ 年齢 14 出生 不明

趣味 魔法の練習 魔力特性 風 

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