エピローグ 「かもしれない」
「いじめられるかもしれない」
疑心暗鬼になった少年は、クラスメイト7人を惨殺した。
二人の模倣犯は、彼を崇拝する。
14人を毒殺・刺殺した落葉零刃といじめの主犯を刺殺した西見赤星。そして、7人を惨殺した北咲聖利。彼らの動機、環境、その後を描く。
涙腺崩壊のサスペンス。
「ED市連続中学生殺傷事件の犯人である少年A、自称「漆黒の聖騎士」が、先日19時19分に逮捕されました。少年Aは、『いじめられるかもしれないと思い、疑わしい人を殺した』などと供述し、容疑を認めています。」
このニュース、最近多いな、と思いながら、私、佐鈴零花はテレビを消す。
私と同じ学校の生徒が関わっているこの事件は、様々な部分で話題となった。
1つ目は被害者の数だ。未成年一人が7人も殺害した事件は、過去に例を見ない。負傷者まで合わせると、10人にも及ぶ。
2つ目は動機だ。「いじめられるかもしれないと思った。」という動機は、過去に例を見ない。近い内に彼の精神鑑定が行われるだろう。
3つ目は「残虐性」だ。死亡してもなお刺し続けたり、性別がわからなくなるほど遺体が損傷されていたらしい。
私も現場付近にいた。その光景を見ていた。何度かに分けて襲っていたから一部しか見ていなかったが、凄まじかった。
事情聴取にも応じたが、少し怖かった。
高校2年になった今、私は新聞部に所属している。
今回新聞部では、私が提案したこの事件を調べることになったのた。彼の知り合いが何人かいる上に、彼の家族とも知り合いという部員も多かったため、かなりうまくいきそうだ。
彼は元々学校で、いやED市全体で有名人だった。おそらく配信者をやっていたからだろう。彼のチャンネルもまだ残っている。「漆黒の聖騎士」というのは彼のチャンネル名だ。
おそらく中二病患者か何かだろう。
彼の犯行声明文にもそんなことが書かれていた。
彼はかなり嫌われていた。いじめられるかもという考えは、それも関係あるのかもしれない。
彼は空気が読めない。そのうえ、変な行動をしたり、協調性がなかったりする。例を挙げれば、
・自身の書いた小説の中で、クラスメイトを改悪・殺害する
・学校行事の練習等のとき、一人で本を読んでいる。
・他人の不幸を「小説にしたいと言い出す」
他にも挙げればきりがない。
PCを開くと、新着ニュースが目に入る。
『中学生が14人殺害 少年A(漆黒の聖騎士)の模倣犯か』
その内容と結末に、私は絶句した。




