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エロゲーは当倍速で  作者: 美海秋


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10/17

最初からこうすればいいと思うことってあるよね

 脅迫というのか、お願いというべきなのかはわからないが、ナオから受けたのはエロティックタワーへと、メインヒロインたち全員で入るというものだ。


 言われなくてもそうしようとは思っていたものの、言いたいことはなんとなくわかる。


 本来ゲームのときであれば、選んだヒロインに声をかけることによって、その日の予定というものを決めていく。


 だけど、今回はたぶんハーレムルート的なものに入ったはずだ。

 よって、全員に声をかけた上でエロティックタワーへと向かわないといけないのだ。


「面倒なことを頼まれたな。ま、時間の概念がほとんどないことだけはいいことか?」


 予定を決めて行動するまでは、ゲームと同じように時間経過が全く起きないということを俺はようやくわかった。


 実際には唯一時間経過がしているタイミングはあったのだが、寝ているため、わかっていない。


 よって、誰を何人誘おうが次の行動にさえ移さなければ時間がたつということはないため、俺はゆっくりとメインヒロインたちがどこにいるのかを探していたが……


「くそ、いねえ……」


 学園の建物にはいない。


 屋上から教室まで、確かにそれほど多くはないとはいえ、さすがに距離はある。

 他にもスカートめくりを行った場所についても探してはみたものの、いないため、少し冷静に考えようとしたが、面倒になった。


「こうなったら、行けるところを全部探してやる!」


 こうして探したのは、他の建物内部だ。

 どうしてなのか?


 今は日も高い。

 いや、太陽の位置は何もしていないから変わってはいないというべきだろう。


 何が言いたかったのか?

 それは、まだ行動したと認識されていないということで、太陽が高いということは外が明るいということだ。

 よって、学園の建物近くの外にいれば、ある程度の距離までは窓から見ることができた。


 だからこそ、見ることができない室内にいるではと、探すために寮へと来たのだが、いない。


 自室に入ってしまうと、強制的に夕方から夜の時間へと進んでいくため、今は他の場所を探索することにはなるのだが、そこで一つの可能性を思いつく。


「まさかな……」


 俺は嫌な予感がしてエロティックタワーへと向かっていく。


 本来であればあり得ないと考えていたが、もしかするともしかする可能性があるからだ。


「いたよ」

「遅い!」


 思わずガックリと肩を落としたのは言うまでもなく、俺の嫌な予感は的中していた。


 それは、もしかすれば全員すでにエロティックタワーにいるのではというものだったのだが、実際に嫌な予想が当たり、全員中にいた。


「どこにいるのかわからなくて探し回ったんだよ」

「はあ?言ってなかったっけ?」

「言ってたら、探し回ってないからな」

「それは、悪かったわね。坊ちゃま」


 早速俺を見つけたナオが近づいてきて二人でそんな会話をする。


 最初からちゃんと言っておいてほしいよ、本当に……

 まあ、合流できただけよかったとしよう。できなければ、一生時間が進まなくなっていたはずだからな。


 そうならなかっただけ今は、よかったということにしておこうと思う。


「じゃあ、早速行くのか?」

「まあね、ちなみに自己紹介とかしとく?」

「必要ならやるが」 

「なによ、含みがあるわね」

「いや、学園に入学できるものたちは多くないからな、目的はともかくとして、どんな人物がいるかくらいは把握している」

「へえ、真面目なんだ。だったらいらないか」


 ゲームの主人公がどういう言葉を口にするのかは正直なところわからないが、ナオが怪しんでないことから、大丈夫だろう。


 実際に学園へと入学できるものというのは、全て推薦で決まっており、誰かくらいはある程度把握した上で入っている。


 ま、相手を探すためのゲームだからな。

 把握してないってことはないだろうと思ってはくれているようだな。


「どこまでいく予定だ?」

「三階まで」

「わかった」

「じゃ、合流しますか」


 ナオとの会話を一通りこなした俺は、後のメインヒロインたち四人が待つ場所へと案内される。

 そこでは、全員が確かに武器を手入れしていた。


「連れてきた」

「おう、昨日ぶりだな」


 一番最初に声をかけてきたのは、チカだ。

 昨日確かに会ったため、俺も言葉を返す。


「ああ、なんとかなったか?」

「まあな。助かった」

「今度からは、出る前にどこか入れる場所を作っておけよ」

「そうだな」


 俺の忠告に納得したようだ。


 これをすることによって俺もいつかタイミングがあればになるが寮へと忍び込むことができるはずだ。


 そのタイミングがくるのかは、(はなは)だ疑問ではあるが……

 備えあれば憂いなしという言葉もあるくらいなので、いつかはあると思っておくことが大事だ。


 後残りはというと……


「ん」

「ああ、おはようでいいのか?」

「いい。いつでも眠いけど頑張る」


 最初にしてくれたのは、リーヤだった。


 彼女だけは、ファーストコンタクト……始めて会ったときにやったこと。

 スカートめくりだが、あのときもほとんど寝ているようなものだった。


 だから、今も気軽に挨拶をしてくれたのだが、問題は残る二人だ。


「うーん……」

「何かあったのか?」

「やっぱり、いい体してると思ってね」

「そうなのか?」

「ああ……だから、拙者と見せ合いをしないか?」

「いやー……今はやめておく」

「そうか、残念だ」


 さすがにダメだろうとは思うものの、なんといえばいいのか、服装も気になってしまう。

 学園の制服は確かに着ているものの、その下に着ている肌着といえばいいのか、確かにゲームで見たときにすごい見た目だなとは思ったものの、現実で見ると余計にそう思う。


 制服がモンスターによって破れていったらどうなるんだろうか?


 いや、考えるのはやめておこう。


 最後は……


「よろしく」

「ええ、宜しくお願い致します」


 ヤンは簡単にそれだけを言葉にする。


 本来であれば、確かに口数が少ないのがヤンの特徴ではあるが、少し前のスカートめくりのことを知ってからは、さらに何かを言われるのでは?と身構えてしまっていたが、どうやら何もないらしい。


 これで、全員と一言ずつくらいは交わしたことになる。


 ここから本来の目的である三階まで行くことになるってことだな。


「よし、じゃあ行くわよ!」


 どういうわけかナオを先頭にして、次に俺たち五人がついていく。


 道がわかっているのか?と思うくらいに、ナオの足取りに迷いはない。


 だけど、俺は疑問に思う。

 だって、このエロティックタワーはどういうわけかタワーの内部が入るたびに構造が変わるのだ。


 エロゲーで、そんなところをわざわざこだわらなくてもいいだろと思ったが、ナオがそのことを知っているかはわからない。


 だから、ずんずんと進んでいくナオはすぐにモンスターと遭遇した。


「戦闘!」


 声によって、俺たちはさっさと武器を構える。


 ピンク色のモンスターたちの数はゲーム通りで三体。

 こちらは六人いるため、戦闘というよりも蹂躙のようになったが……


「やっぱり、この人数で戦うと楽ね」

「そうだな」

「余裕ー」

「もっと剣を振るいたい」

「簡単に稼げる」

「スリルが足りない……」


 後で言葉にした三人が言ったことは聞かなかったことにして、俺たちはさらに進んでいく。


 そのたびにモンスターに出くわすものの、さすがに数の差をモンスターたちが覆らせることはできない。


 戦闘に関していえば余裕ではあったものの、問題はあった。

 次の階へと進む階段が見つからない。


「おっかしいわね」


 ナオはそう言葉にして地図を広げいる。


 このゲームに地図という概念はないからな。

 ということは、あれは手作りってことなのか?


 地図を見て頭を悩ましているナオを見て、俺は思わず頭を抱えそうになる。


 だって、実際にはゲームと違って自分たちで進むこともあって距離感がいつもより感じているというところと、道を間違えまくっている。


 エロティックタワーをやりすぎていたせいなのかはわからないが、自分の頭でマッピングをする癖がついていた俺は、どこが通っていないのかわかってはいるが、下手に口を出せないでいた。


 そんなときに頼りになるのは、一応冷静で優等生なヤンだ。


「いいですか?」

「なに?」

「わたくしが先頭を歩いても」

「え?いいけど」


 不思議そうにしながらも、ナオは簡単に先を譲る。


 そうして、進み始めた結果……


「なあ、いいか?」

「は、はい」

「俺が先頭に行く。盾も持っているしな」


 最初からこう言っておけばよかったと俺は後悔していた。


 というのも、ヤンに任せてはいけなかった。

 それを俺たちは時間をかけて知ったからだ。


 簡単にいえば、方向音痴だったのと、何もない壁に攻撃を仕掛けたりなどを繰り返したのだ。


 確かに隠し扉があるような場所はあるにはあるが、一階にはあるはずもない。

 よって、はたから見れば、暴れまわる女子生徒である。


 言いたくはないが、おかしいだろ……


 メインヒロインたちと一緒にいればいるほどに、メインヒロインがこいつらで本当によかったのかを考えさせられるくらいには酷い一面をみせられてしまっているのは、いうまでもない。


 こうなったら、なるべく先頭を死守しないといけない。


 俺はそんなことを考えながら、二階への階段を簡単に見つけるのだった。

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