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第9話 ヒナ参上!

第9話 ヒナ参上!


私は川崎ヒナ、川崎家の長女です!


本日は面倒を見ていた父の元を離れ、遂に愛しのマイブラザーレンお兄ちゃんの元へと帰る日なのです!


父の転勤に興味本位で着いて行ったら、海外での新生活が大変すぎて仕事でくたくたになって帰ってくる父を毎日世話していると、いつのまにか1年も経ってしまいました!


途中で海外の料理に慣れていない父の胃が拒絶反応を起こし、死にそうになった時は肝を冷やしましたが、今は元気にやれているので安心して日本へと帰国できます!


日本に帰ったら会えなかった分たくさん構ってもらうのです!


とわくわくしながら空港に付き、迎えに来るはずのお兄ちゃんを待っていると



「あっ! お兄ちゃんー!」



タクシーの発着場で待っていたお兄ちゃんを見つけました!


手を振って私に気づいてもらおうと声を出しながら駆け出し、抱きつこうとしたお兄ちゃんの体には.....



「お兄ちゃんが彼女作っちゃいました!!!」



金髪碧眼のとても顔の整った美人さんがお兄ちゃんの右腕にひしっとしがみついていました。







ーーーどうしてこうなったんだろう。


突然親父からかかってきた連絡は妹のヒナが帰ってくると知らされ、空港の場所のメモの写真とタクシー代が振り込まれた口座の写メが送られてきただけだった。


まさか電話がかかってきたその日のうちに帰国してくるとは。


もっと事前に知らせとけよとか色々言いたいこともあったが、親父の猪突猛進ぶりは今に始まったことじゃないので嫌でも現実を受け入れなければならなかかった。


そうして空港に行くと言ったらレインも着いていくと聞かなくて仕方なく連れてきたが.....



「レンお兄ちゃんはヒナのお兄ちゃんなんです!」



「だめ! レンはあたしのダーリンなの!」



2人の女子に両腕を捕まれとりあいっこをされるという一見ハーレムしにか見えない状況になってしまっていた。


というか、2人とも地味に力が強いから痛いし、他のお客さんからの視線も痛い。



「ま、まあとりあえず2人とも落ち着けって。ヒナも久しぶりだな、元気だったか?」



「ヒナは元気です! なぜならお兄ちゃんに会えたので! それよりもこの女性は誰なのですか? お兄ちゃんの奥さんを名乗っているんですけど! 許せません、お兄ちゃんと結婚するのはヒナなのに〜!」



ヒナはそう言うとプクーっと頬を膨らませずるいずるいと抗議してくる。


そんなヒナを撫でながら宥めているとレインがヒナを撫でている俺の手をうらめしそうに見つめてくる。


その瞳の重圧に耐えきれなかった俺はもう片方の手でレインも撫でてやることにする。


すると2人とも満足そうな顔へと変わり、言い争いをすることもなくなった.....と思っていたが、タクシーに乗り込もうとするとどちらが俺の隣に座るかをまた争い始めたので、無言のまま助手席に乗り込むことにした。





家に着くとヒナは大きいキャリーケースを背負ったまま入ろうとしたので、さすがに俺が持ってあげることにした。


荷物を持ってあげるとヒナは嬉しそうにしお兄ちゃん大好きといいながらそそくさと玄関の扉を開け、1年ぶりとなる我が家へと帰宅した。


家の中に入ったヒナは真っ先に自分の部屋.....ではなく何故か俺の部屋に直行して行った。


荷物を部屋に運んだ後で何をしているのかと覗きに行ったところ



「スーハー.....スーハー.....」



.....俺のベットに飛び込んで枕に顔を埋めていた



「ヒナ、何してるだ?寝るなら自分の部屋で寝なさい」



「いやです! ヒナは1年間会えなかった分お兄ちゃんパワーを充電しなきゃいけないのです!」



1年ぶりにあった妹のブラコンぶりを見てて頭が痛くなる。


ヒナは俺の枕に完全に顔を埋めて深呼吸を繰り返してる。


久しぶりに帰ってきた実家で真っ先にすることがそれなのかとため息が出てしまうが、これでも俺の世界でたった一人の妹。


同じ温度感で接してやらないと可哀想というものだ。


このブラコンと一緒の温度感で接するのは健全な男子高校生として少し抵抗があるが仕方がない。



「よーし、それじゃ俺も1年間会えなかった分のヒナパワー充電開始!」



そういうと俺はベットにうつ伏せになっているヒナの上から抱きつき、後頭部に顔を埋めてヒナの匂いを堪能し始めた。



「きゃっ、お兄ちゃんくすぐったいです、やめてください〜!」



口ではやめてと言いながらもキャハハとくすぐったそうに笑うヒナになんだか安心感を覚える。


そうしてしばらく兄妹でイチャイチャしていると、レインが俺の部屋のドアを開け、ものすごい形相で俺に迫ってきた。



「レン! 妹ばっかりに構ってないであたしにも構いなさいよ、あんたはあたしのモノなのよ!」



いきなり入ってきてなにかと思えば妹とのイチャつきぶりに嫉妬しただけだったらしい。


モノ扱いは腑に落ちないが、プロポーズをして了承されている以上、レインを無下に扱うのも可哀想だ。


俺はヒナの後頭部から埋めていた顔をあげ、レインにちょいちょいと手招きする。


レインはよほど構ってほしかったのかすぐに俺の膝の上に座り、撫でられるのを期待するような上目遣いで見上げてくる。


そんなレインの顎の下を撫でてやり、ごろごろと鳴き出したあたりで次に頭をなでてやると、どんどんと表情がとろけてきてしまう。


やがて完全にとろけ切ったレインはいつの間にか俺の膝の上で猫の姿となり丸まっていた。


......っておい、いくらなんでも初対面の人間がいるのに警戒解きすぎだろ。


恐る恐るヒナの方に目をやると......



「スー......スー......」



さすがに疲れたのか、うつ伏せのままぐっすりと眠っていらっしゃった。


そんなヒナを抱き抱え仰向けにして寝かせてやると眠くなったのかレインもそのままヒナの傍で眠りだす。


呑気に眠る2人を見ながら俺はこれから始まる3人での共同生活を想像し、再び頭を悩ませていた。


最後まで見て頂いてありがとうございます!(´▽`)

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