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第36話

第36話



「はひゅーーー」



一日の締めとなる風呂に入り、湯船に漬かりながら疲労した体を癒す。


後夜祭で身体強化魔法を使ったこと自体は直接的な疲れな要因にはなっていない。


何故ならレインが来たあの日から、地道に魔法の練習を重ね、『ロウ・フラッシュ』如きでは倒れないほどに保有魔力量が増加しているからだ。


ではなぜこんなにも疲れているのか。


それは



「俺、あんなに大勢の前でダンスとか、まじやべぇ」



そう。目立つことを嫌うこの俺が、レインに連れられたからと言っても、あんな大勢に見られながら初心者ダンスの披露とか!


まじでやってることやばいわ!


ま、まあ最悪ダンスだけならまだ良かった。


そう、見られたのがダンスだけだったなら......



「レインのやつあんな大勢の前でキスするかよ!? 普通!」



あんな大勢の前で、しかも一番目立つ位置でレインに強引に唇を奪われたのだ。


ま、まあ少し強引気味にキスをされたのは初めてだったし、気持ちが盛り上がらなかったと言えば嘘になるが.......



「でもやっぱり恥ずかしい!」



うん、恥ずかしすぎた。


きっと来週からは変態カップルだの、キス魔カップルだの言われ、後ろ指を指されるに違いない。


思わず両手で顔を覆い、脳裏に浮び上がる光景から目を背けていると



「ご主人様、お背中流しに来たよ〜!」



「!?」



豪快に開かれた風呂場の扉から、何も包み隠していないアリスが飛び出してきた!








「なんで俺の創ったキャラってこう、貞操観念が抜け落ちてるの.....」


大勢の前でキスしてくるレインだったり、真っ裸で風呂場に突撃してくるアリスだったり、俺の創ったキャラたちはなんでこうも恥ずかしげもなくこういった言動がとれるのだろうか。


一端の乙女ならばヒナのような慎みを持って欲しい。


コイツらの大胆さは童貞には刺激が強すぎる。


世界が違うと価値観や常識までも違ってくるのか......


頭を悩ませながらもアリスの方を見ると、鼻歌混じりにご機嫌に俺の背中を流している。



「......? 別にボクの貞操観念は抜け落ちてないよ? ご主人様に対してはオープンになってるだけ。前の世界じゃ、こんな平和なこと出来なかったからね〜」



「そう言えばアリスの世界はメイドさんたちが主のために闘う攻城戦をモチーフにしたゲームだったな」



アリスの元いた世界、もとい俺の創ったそのゲームはメイドたちが主の領土拡大のために闘う攻城戦のゲームだった。


銃撃戦や魔法に似たものまで扱うメイドにコストやデッキを考えながら指示を出していく頭を使うゲームだ。


メイドのデザインはプロの方に頼んでいたので、ゲーム内容よりも可愛いメイドたち目当てに買ってくれる人が多かったな.......


レビューに内容がなくキャラクターの可愛さしか書かれていなかったことに多少ショックを受けたものだ。



「それよりもボクはご主人様がボクを女として見ていないのが癪なんだけど」



アリスはそんなことを言いながら堂々と俺の聖剣を覗いてくる。



「すまん、俺は胸の小さな女性にしか興奮できないんだ。俺が特殊なだけでアリスは女性としては充分魅力的だと思うぞ」



「ご、ご主人様って変な性癖もってるんだね......」



誰が特殊性癖持ちだ。


以前にも言ったが俺はすらっとしたラインや骨格を持つ女性に魅力を感じるのだ。


アリスは顔は少し中性的ではあるが、レインにも匹敵するほどの美少女で、元気溌剌な性格とは反対に髪型はどこか知性を感じるウルフカットだ。


髪色はワインレッドののような色で、赤紫や異なる赤の色がレイヤードされている。


スタイルも世間一般的に見ればとても良い方だと思う。


こう見るとアリスは確かに美少女だ。


だが......


「残念なことに俺が一番魅力を感じてるのはレインなのであった」



「ご主人様、結構サイテーなこと平気で言うよね」



アリスがジト目で俺を見てくる。


アカン、声に出てしまっていた。



「はあ、ボクの武器だと思っていたこの胸がまさか逆に弊害になっちゃうなんて......。なんでも分かってるつもりだったけど、面と向かって言われると結構ショックだなあ」



「その、なんでもって怖すぎるんだが、具体的にどこまで分かるんだ?」



「なんでもはなんでもだよ。好きな食べ物から誕生日、血液型、身長、体重、それと出生体重、そしてご主人様が普段何を見ながら一人で慰めてるか......」



「......まじかよ」



とても冗談を言っているように見えないアリスの顔が怖い、怖すぎる。


いくら俺の創ったキャラとはいえ、今日会ったばかりの女性に俺に関する全てを把握されてるとか普通に恐怖以外の感情が湧かない。


指折り数えながら次々と俺の個人情報を暴露していくアリスの目は据わっていて、俺が無理やり制止するまで、アリスは壊れたおもちゃのように喋り続けていた。


「あはは、ボクったらご主人様のことになるとちょっと歯止めが効かなくなっちゃうんだよね、反省反省!」



「ちょっと......? はぁ、なんでそこまで知ってるのかとかは後でみっちりと聞かせてもらうとして......。それよりアリスはどうやってこっちの世界に来れたんだ?」



「ん? あぁ、ボクもだいたいレインちゃんと一緒かな。ご主人様がアホみたいにボクを使うから、自由に生きたいーって願ったら来れちゃった。こっちに来て最初は猫になって自由気ままに生きてたけど、変な人たちに捕まちゃって、その先でご主人様を見つけれたの」



「なるほど、文化祭の猫カフェ準備中に捕まったのか。 そして当たり前のようにアリスも猫になれると」



「そうだよ〜、ま、この外見じゃ目立っちゃうから猫になってただけだから、今は猫になる必要も無いかな」



「レインは人間の姿は魔力消費するとか言ってたけど、アリスはどうなんだ?」



「マリョクがなにかは分からないけど、ボクは1回変身するときにご奉仕ポイントを少し消費したらそれっきりだよ」



ご奉仕ポイント.......


声に出して言われるとなんてアホなネーミングセンスをしてたのかと自責の念に駆られる。


もっとマシな名前つければよかったな.......


メインがメイドということもあり、アリスたちのゲームでは主にご奉仕することで溜まるご主人様ポイントを使えばほぼ魔法のようなものも使える。


アリスは俺が何千周もして手に入れて溜まりに溜まったご奉仕ポイントをうまく使い、今まで過ごしてきたらしい。


だが、俺に出会うまでにそのポイントもほぼ使い切ったため捕まってしまい、今に至ると。



「さっきのレインちゃんの攻撃を防いだので全部使い切っちゃったんだよ。だからさ、これからはいっぱいいーっぱいご主人様にご奉仕させてもらうからね! よろしくね!」



同じ湯船に漬かりながら、アリスはずいっと顔を近づけ宣言してきた



か、顔が近い.......




最後まで見て頂いてありがとうございます!(´▽`)

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