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第2話 レイン参上!

第2話 レイン参上!



野生の美少女が現れた! しかも生まれたての姿で! こんな状況有り得るのか?



「いやありえないな、これは夢だ。明晰夢というやつか。ならこの美少女の体を堪能しないと勿体ない......」



目と鼻の先に俺の性癖どストライク金髪碧眼美少女が居る。そんな事これからの人生でそうないだろう。

だったらやること決まっている。


手を伸ばせば届く距離にある裸体に触れようとした俺の指先は......



「夢じゃないわよ! バカ! エッチ!」



虚しく直前で彼女の手に弾かれてしまった。


あぁ、夢ならば醒めないでくれ......って



「痛っ!?なにこの痛さ、夢じゃないのか!?」



明らかに現実としか思えない手の痛さに現実感が一気に襲いかかる



「だから夢じゃないってば......さっきから何を言ってるのよ。ていうかなにか着るものをちょうだい。でないとあなたの視線で妊娠しそう」



「誰が視線レイプ魔だ! てゆーかお前誰だよ怖いよ、なんで猫が金髪碧眼美少女になってるんだよ...」



指先の痛みに現実と知覚してしまった以上、

自分の部屋に当然現れた謎の女を問い詰めない訳にはいかないが


隠さなければならない部分を手で一生懸命に泣きそ

うになりながら隠す姿を見ていていたたまれなくなっ

たので、部屋に畳んでおいた予備のパーカーを貸すこ

とにした。


パーカーを受け取った彼女はその着方に不慣れなようで、袖の部分から顔を通そうとしたり、紐の部分で首がしまったりしてきちんと着られるまでに時間がかかった。


その一部始終をじっくり観察しているとみぞおちに蹴りをかまされたので着替え終わるまでは大人しく目を瞑っておいた。






「......もう着替えたから目を開けてもいいわよ」



「おぉ、眼福.......」



俺の目の前には少しオーバーサイズのパーカーを身につけた美少女がいた。


彼シャツならぬ彼パーカーというやつか。


俺が手を合わせ拝んでいると



「なんであたしは創造者に拝まれてるのかしら? まあ、悪い気はしないわね。やっぱり1000回も私を選んだのはあたしのことが好きだからなのね!」



眼前の美少女がドヤ顔をかましながら奇々怪々なセリフを言い放った



「やっぱり創造者が1番好きなのはあたし......この世界来てよかった!」



「ちょっとまってくれ、さっきから創造者がどうとか世界がどうとかお前はなんなんだ? 誰で何の目的で俺の部屋に? 美人局なら帰ってくれ」



「だれが美人局よ! 見ての通りただの美少女、そう、創造者であるあなたに創られたレインよ」



「レイン......? そういえばさっきまでプレイしてた自作RPGのメインキャラもレインで、俺好みの金髪碧眼美少女の設定にしていた気が......ってことはお前レインなのか!?」



「ふふ、そうよ。ようやく気づいたわね! よくもあんな世界を何回も何周もやらせてくれたわね! あんたのせいでもう戦いは懲り懲りよ......」



なんてこった。


俺の溺愛してたキャラがゲームの世界から現実に飛び出して来ただと?


そんなアニメやゲームの世界しか起こりえないことが今起こってるというのか......?


にわかには信じ難いが、レインを名乗る美少女は確かに俺の創ったまんまのような見た目をしている。


俺好みの金髪碧眼にスレンダーなモデル体型、そして少しツンデレ要素も含まれているように思える。


もし異世界に召喚されたり、突然越してきた美少女と同棲するような展開になったら......などと想像を膨らませるのは誰もが通る道であろう。


俺はそんな時には真っ先にするべきことを決めているのだ。



「俺と結婚してくれ、レイン」



「えっ、ちょ急に何言ってるのよ!? 急に結婚だなんて......! ま、まぁ、創造者があたしを好きなことはもう知ってるし。べ、別に結婚くらいなら、その......」



そう、BSS(僕の方が先に好きだったのに)展開を回避するため一番最初に告白をするのだ。


今まで異世界モノやラブコメでもよく見てきたのがヒロインがNTRされたり、主人公といい感じだと思っていた関係のヒロインにいつの間にか彼氏がいたりなど純愛しか信じられないピュア童貞にとって過酷なストーリーばかりだったのだ。


ならば俺はその展開を避けるべく真っ先にヒロインに告白し既成事実を作り上げ、ハッピーエンドへと直行するルートを開拓する。


目の前に居るヒロインが自分のどストライクならば尚更だ。


レインの返事の後半はごにょごにょしてい上手く聞き取れなかったが、とりあえず俺が告白をした事実は作り上げられた。



「急に告白だなんて、創造者も中々やるわね......元々この世界に来たのは違う目的だったのだけれど、創造者との結婚も悪くないわね。いいわ、結婚してあげる」



「え? いいのか?」



「自分から言っておいてなによその気の抜けた返事は......いいに決まってるわよ」



どうしようあっさりとOKを貰ってしまった。


初っ端プロポーズをする俺もどうかと思うがあっさりと引き受けられるとかえってこちらが冷静になってしまう。


二つ返事で告白の了承をしたレインは俺からの言葉を待つようにチラチラと様子を伺っている。


かわいい。



「いや、こんなにあっさりとOKを貰えるなんて思ってもいなかったからな。少しびっくりしただけだ。じゃあ、これからよろしく」



「......! こちらこそ、不束者ですが、その、よろしくお願いします......創造者」



今さっき会ったばかりの女の子にプロポーズし、そのうえ二つ返事でOKまで貰ってしまったこの理解し難い状況に最低だと思うが頭の処理が追いついていない。


我ながら肝だけは据わっていると思う。


さっき会ったばかりと言ってもレインは俺の作ったキャラの中でも特に愛着があったせいか不思議と気まずさなどは感じない。


むしろ一緒にいて居心地がいいと思えるほどだ。


この妙な安心感も俺がいきなりプロポーズまで行けた理由の一つになるのだろうか。



「結婚ていうことは番になるということよね?」



「番って......せめて夫婦とかそういう表現にしようよ。てかさっきから気になってたけどその創造者っていう呼び方変えれないかな?」



(ツガイ)という野性味溢れる言い方はどうか控えていただきたい。


それと創造者という呼び方も鼻の奥あたりがむず痒くて仕方ながないので変えてもらうことにした。


レインは、「創造者は創造者なのに......」などとブツブツ呟きながらも一応は俺の名前のレンという呼び名で呼んでくれることになった。


レインが俺の名前を何度も呟きながら照れ照れしているところに俺はレインとの会話で引っかかっていた箇所を詳しく聞くことにした



「そういえば、レイン。さっきこの世界に来た目的がどうのこうのって言ってたよな? 詳しく教えてくれないか?」



この奇妙な状況にも少しずつ慣れてきた俺の頭が情報を整理するための準備を始める



「あぁ、そういえばそうだったわ。あたしがこの世界に来た目的はね......」



先程とは打って変わった真剣な表情のレインが紡ぐ言葉に俺は思わず息を飲んだ。


第2話まで見て頂いてありがとうございます!(´▽`)

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