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第17話 妹だから

第17話 妹だから


どうやら魔王は俺が試運転を兼ねて1人でRTAをしながら何回も魔王を討伐していくうちに、爆乳お姉さんキャラからツインテール幼女にジョブチェンジせざるを得ないくらいに魔力量を減らされてしまったらしい。


まあ魔王とはいえそんな姿になってしまっている以上見過ごす訳にも行かない。


相変わらずぎゃいぎゃいと言い争いをしている2人に向かって俺は



「帰るか」



2人の手をとって家に連れて帰ることにした。


魔王を連れて帰ることにレインは猛反対してきたが、いくら日本が安全だからといってこんなロリっ娘を河川敷に放置して帰る訳には行かない。


聞いてみると行くあてもなく今までの数日間は河川敷で寝泊まりしていたらしい。


俺が思わず泣きそうになりながらよしよししてやると



「わあ!? な、なんじゃ急に、頭を撫でるな、やめるのじゃ!」



と言いながら必死に抵抗してくるが、身長差がありすぎてポカポカと叩いてくる拳は胸の辺りまでしか届いていない。


魔族の生命エネルギー的なものは魔力量に依存するとレインが言っていたように今の魔王は本当に立派な小学生女児程度の力しかないようだ。


魔王の頭を泣きながら撫でているとレインがまた羨ましそうにこちらを覗いてくるので、もう片方の手でレインの頭を撫でたり顎のしたりをなでてゴロゴロと鳴かせながら歩いていると、いつの間にか家の前に着いていた。



「魔王は今日からここに住むんだぞ」



そう言って帰宅すると開けた玄関の扉からキッチンで晩飯を作っているのかヒナが声だけでおかえりなさいと言って迎えてくれる。


レインはただいまーと言いながらさっさと家の中へ入って行くが魔王は玄関の前でもじもじしながら俺の顔を見てくる。


その表情はまるでなにかの許可を求めるような愛らしい顔で.....



「トイレか? トイレなら入って右行けばあるぞ」



「違うのじゃ! 魔王はトイレなぞしないのじゃ! この顔は本当に入ってもいいのかどうかの了承を待っている顔なのじゃ!」



のじゃロリ魔王は泣きそうになりながら一昔前のアイドルのような事を言ってきた。




ーーー


「えー、紹介します、新しくこの家に住むことになった魔王さんです」



「魔王なのじゃ」



「魔王よ」



俺とレインがキッチンにいるヒナに向かって魔王を紹介する。


ヒナはぽかんと口を開け、料理の手を止め魔王を凝視している。



「お兄ちゃん、こんどはロリコンさんになってしまったのですか.....?」



「ち、違わい!」



ヒナが突然俺をロリコン認定してきたので慌ててそれを否定する。


確かに、昔から胸の小さな女性が好きだと言っていたら友達からやーいロリコン野郎と石を投げられてきたが、俺は決してロリコンなどではなく、すらっとしたラインや骨格を持つの女性に魅力を感じるのだ。


ロリコンなぞではない、決して。


やれやれとため息をつくヒナは



「とりあえずお夕飯にしましょう、今夜はカレーを作ったので四人分くらいならあります」



そう言うとヒナは食器の準備を始めたのでレインと魔王を座らせ、配膳を手伝った。


俺が手伝いに来るとヒナは笑顔になり俺の分のカレーを肉を多めに入れてくれた。


そういう所が大好きで本当によく出来た妹をもったと俺が抱きつくとヒナは、ひゃっと可愛らしい悲鳴をあげながらも俺の背に手を回しポンポンとしてくれる。


本当に、よく出来た妹を持った。



皆で食事をしながらヒナに魔王について色々と話した。



「それは大変でしたね.....魔王さんは客室が余っているのでそこで寝泊まりしてもらいましょう、いいですよねお兄ちゃん?」



ヒナはそう言うと隣に座っている俺の顔を見つめながら了承を得ようとする。


父が不在の今、この家の家長は俺なので家に関することはすべて俺の責任となるのだ。



「あぁ、別に構わないぞ、さすがに俺の部屋に3人はきついからな」



俺はたっぷりも盛られたカレーの肉を頬張りながらそう答える。


俺の了承に



「良かったですね魔王さん」



といいながら笑顔を見せるヒナは控えめに言っても天使レベルの可愛さである。


そんなヒナの可愛さに見惚れていると



「待つのじゃ、今聞き捨てならないことをそこの娘が言った気がするのじゃが.....こんなに部屋があるというのにヌシらは兄妹一緒の部屋で寝ているのか?」



魔王が信じられないものを見るような目で俺とヒナを交互に見つめる。



「...? 何言ってんだ? そりゃ俺もヒナと一緒に寝られるものなら寝たいけど、さすがに年頃の妹と一緒に寝るわけないだろ」



俺がそう言うと魔王は



「そ、そうか......では誰が? もしかして.....」



などとカレーを頬張るレインの方を見つめる。


俺も食べるのを止めていた手を再始動し、再びスプーンいっぱいのカレーを頬張ろうとすると、ヒナが俺の服の裾をつまみ、なにか言いたげな表情で俺を見つめてくる。


何故か少し涙目になっているヒナは俺の服の裾をつまみ、ずいっと俺の顔に近づくと



「お兄ちゃん、ヒナはお兄ちゃんと一緒に寝たいです!年とか関係ありません、嫌でもなんでもありません!レインさんはずるいです、毎晩お兄ちゃんと一緒に寝れて、ヒナだって妹だからお兄ちゃんと一緒に寝る権利はあるはずです!」



と食事中なのにも関わらずぶっ込んだことを言い放つヒナに思わずカレーをすくった俺の手は止まり、レインは飲んでいた水を魔王の顔面に向かって吹き出していた。



「ヒナ.....」



俺としてはヒナと一緒に寝るのは何も抵抗がないのだが、色々世間の目もあるし、ヒナはまだ中3だから俺のせいで友達に馬鹿にされたり、いじめられたりなどしないかが不安で昔から一緒に寝ようと言ってくるヒナの誘いを断り続けていたのだが.....


思わずヒナを見つめ、どうするべきか悩む俺にヒナは



「それともお兄ちゃんは、やっぱりヒナと一緒に寝るのは嫌なのでしょうか.....?」



そんな事を上目遣いで聞いてくる。


こんな可愛い妹から一緒に寝ようなんて言われて嫌な男なぞ居るはずもなく。



「わかった、今日は一緒に寝るか」



俺がそう答えるとヒナはとても嬉しそうな表情で



「はい!」



と俺の手を握ってくるのだった。




顔面に水を吹き出された魔王に掴みかかられぎゃいぎゃいとつかみ合っているレインと魔王の傍らで俺とヒナは今晩一緒に寝ることを約束したのだった。






ーーー



「お兄ちゃん、入りますよ〜。エッチなコトしてないですよね?」



そう言いながら扉を少し開け俺の部屋をチラチラ覗いてくるヒナ。


言葉とは裏腹にもしエッチなことをしていても完全に見る気満々な目つきを隠そうともしていない所が我が妹ながら逞しい。


レインには今日はヒナの部屋で寝てもらうことにした。


あたしも一緒に寝るとか駄々をこね始めたが今日はヒナと寝ることを約束したことを言うと



「明日はあたしだからね.....」



とぶつぶつと言いながらも引き下がってくれた。


魔王には客室を与えると、ベットのふかふかさに飛び跳ねたりして



「床以外で寝るのは初めてじゃ!」



とはしゃいでいたので、魔王城にもベットを創ってやってれば良かったなと少し後悔しながらも部屋を後にした。


俺はベットに仰向けでスマホを弄りながらヒナを部屋に招き入れると、ヒナはマイ枕をもったまま扉の前に立つ。


ヒナのパジャマは最近日本に帰ってきてから新しく買ったもので、もこもこしたピンク色の生地でできていて基本的に無地だが左胸の辺りにちょこんと猫ちゃんマークが刺繍してあるのが、猫好きなヒナの可愛らしさと奥ゆかしさを同時に感じさせられて非常に良い。



「うーん、120点です」



俺が親指を立てヒナにそう言うと、やはり感想待ちだったのか、点数を聞いたヒナはてちてちと俺のベットへ来、そのまま俺の隣に腰掛ける。



「じゃあもう遅いですし、寝ましょうか。お兄ちゃん」



そう言うとヒナは枕元に置いてある部屋の電気のリモコンに手を伸ばし消灯する。


シングルベットの上でヒナは俺と向かいっ子になって横になる。


レインよりも小さいためか、いつもより広く感じるベットの上で俺も早く寝ようと目を閉じると



「お兄ちゃんは、私のこと、好き、ですか?」



ヒナが唐突にそんなことを聞いてくる。


目を開けると暗くてよく分からないがうっすらとヒナも目を開けていることが分かる。



「そりゃ好きだよ、もちろん」



俺は当然のこととばかりにヒナの頭を撫でながら答える。


ヒナは撫でられていることに満足そうになりながらもどこか寂しげな表情で話し出す。



「帰国してきたとき、お兄ちゃんの隣にレインさんが居て、とてもショックを受けました。とんでもない美人さんですし、私はもう相手にしてくれないかも.....ってちょっと泣いたんです。今日だってお兄ちゃんはまた新しい女の子を連れて来ましたし、どんどん私のことなんか忘れちゃうくらい女の人を連れ歩くようになるんじゃないかって魔王さんが来た時に胸の当たりがきゅってなったんです」



ヒナは今まで相当溜め込んでいたようだ。


今まで女っ気一つ無かった俺が、俺の創ったキャラとは言え、現実世界に存在する女の子迂闊に家に招き入れたせいで、1番大切な俺の妹を知らぬ間にどんどん傷つけてしまっていたらしい。


俺はそんなことも察せずに朝からレインといちゃついたり、過去の自分をどつきに行きたい。


俺はヒナに対し不安にさせてしまったことなどを謝りながら頭を撫で続ける。


ヒナは俺の謝罪の気持ちを汲み取り笑顔を俺に見せてくれながら



「いいです、今までのことは私のわがままを聞いてくれたことに免じて許してあげます。その代わり今日だけはお兄ちゃんはヒナだけのお兄ちゃんですから.....」



そう言ったヒナは俺に抱きつき胸の当たりに顔を埋める。



「今日だけとは言わずに、これからもヒナのワガママはなんでも聞くけどな」



そう言うとヒナは体をピクっとさせ、胸に埋めた顔をだし、毛布の間から顔をだすと、今まで一緒に過ごしてきて初めて見るような顔に、頬を紅潮させたヒナは俺を試すように.....



「もしお兄ちゃんと私の血が繋がってないって言ったら、お兄ちゃんはどうしますか?」



突然そんなことを言ってきた。


最後まで見て頂いてありがとうございます!(´▽`)

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