大さじ3/4の狂気
妻が「なめ茸風エノキ」という料理を作った。
失敗しちゃったという。
確かに塩っぱい。
醤油 大さじ3/4
というレシピを読み間違えて、大さじ3杯入れてしまったのだという。
そういうミスは誰にでもある。
悪いのはこの表記と、なぜわざわざそう書いたのか、という点だ。
横書きの分数ほどわかりづらいものはない。
どちらが分子か分母か、パッと見ではわからない。
ハリーポッターでおなじみの9と4分の3番線は、この表記で記すと9 3/4だ。
スペースを入れないと93/4になってしまう。
そもそも分数なのか、パッと見ではわからない。
日付かもしれない。
スラッシュは、日付や毎秒などに限定して使って欲しい。
分数は縦に並べたい。
そういえば子供の頃は、ノートの消費スピードが倍になる(2段使うから)のが地味にストレスだったが、見やすさのためには仕方がなかった。
しかしながら、問題はそこではない。
なぜ大さじ3/4杯でなければならなかったのか、という点だ。
何mlだろうか。
答えは、11.25ml。
その端数はなんだ、と問いたい。
そんなに大事な端数なのか、と問いたい。
調味料なんて目分量だ。
誤差があってもだいたいで決まる。
大さじ八分目、半分よりちょっと多め、であれば、もうそれは大さじ1杯で良くないか。
小さじ2杯でも、大さじ半分強になる。
小さじ3杯が大さじ1杯に相当するから、3分の2。
10mlである。近いじゃないか。
そんなに大事な端数なら、mlとかcc表記にすれば良かったではないか。
11.25mlと堂々と書けばいいのである。
そうすればそのとき気づくはずである。
大さじ3/4の奇妙さに。