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魔剣戦士イクス  作者: クレナイハルハ
2/3

第2話 転生、初めまして異世界



大空 優助side



「目覚めてください………目覚めてください…………優しき心を持つ者よ」


「ん、んう?」


優しげな声が聞こえ、僕はゆっくりと目蓋を開く


すると、目の前にまるで宇宙のように綺麗な星が見える空間?に立っていた


あれ、確か僕はあの子を助けて死んだはず


それじゃあ、ここが天国?なのかな、少なくとも地獄には見えないし


でも天使がいないし、天国と言うよりは宇宙………だよね?


「目覚められましたね、優しき人」


さっき聞こえた声と同じ声が後ろから聞こえ、振り替える


そこには、腰まで伸びる綺麗な金髪に青い瞳の女の人が立っていた


「貴方は?」


そう言うと、女の人はにこりと笑いながら口を開いた


「私の名はエイティス。第08転生神を務めさせて頂いている者です」


「えっと、つまりは神様………って事ですか!?」


「はい」


な、なんだか凄いな


死んだら神様に会えるのか………あれ?そう言えばエイティスって何処かで聞いたことがある


そうだ、思い出した!


確か携帯に来たメッセージの送り主の名前がこの人と同じだった


何故かポケットに入ったままの携帯の電源を着けメッセージアプリを開くと、そこにはエイティス様?から送られたメッセージがしっかりと保存されていた


「あの、実は僕のスマホ……携帯に死ぬ前に貴方の名前でメッセージが来たんですけど、これって貴方なんですか?」


「へ?私の名前で、ですか?」


頭に?を浮かべるエイティスさんに携帯のメッセージ画面を開いて差し出す


エイティスさんが画面を見ると先ほどまで穏やかな表情を浮かべていたエイティス様がピシリと動かなくなった


「あの?」


「……………す、凄い偶然もあるものですねぇ!」


エイティスさんはそう言うとスマホの電源を切り僕に渡してくる


「そ、そうですね。」


そう言って返して貰った携帯をポケットに入れる


「こほん、改めて優しき心を持つ者よ。貴方の名前をお聞かせ頂けますか?」


「さっきも言ってたけど『優しき人』って僕の事!?」


「はい、そうですが」


「僕の名前はお、大空 優助……です」


「ユースケさんですね。改めてユースケさん、貴方には転生して頂きます」


転生?それって確か最近流行ってた携帯とかスライムとか魔法少女とかクマみたいな小説に出てきてた奴だよね?


「それってアニメとかライトノベルとかで良くみるあの転生ですか?」


「はい、その認識で間違いありません、転生について説明させて頂きますね。実はユースケさんの暮らしていた世界では一年で死ぬ人の数が決まっているんです。ですが、ユースケさんはその決まっていた人たちではなく、貴方の魂は天国にも地獄にも行き場かないんです」


「え、それじゃあどうなるんです?もしかして消滅とか、ですか?」


「通常ならそうですが、貴方の場合は違います」


「えっと、転生って事ですか?」


「はい。ですがユースケさんをユースケさんが生きていた世界に転生させると様々な問題が起きます。なので、私が管理を任されている世界『シンセア』に転生させて頂きます」


「エイティスさんの管理している世界」


「はい、ユースケさんに分かりやすく説明するなら《剣と魔法の世界》でしょうか」


なんか、本当にライトノベルで読んだまんまだなぁ


「分かりました。僕、転生します」


「ありがとうございます、これで貴方の魂は消滅せずに済みます。ところで、ユースケさんに転生特典として此方をお渡しいたします」


そう言ってエイティスさんか僕へ、性格には僕の左手へと手を翳す


すると、突如として僕の左手首に光の粒子のようなものが集まり左手首を覆っていく


「うわっ!?」


「大丈夫です、じっとしていて下さい」


思わず驚きの声が出てしまう、でもエイティスさんが言うには大丈夫らしい


本当に大丈夫、だよね?


そのまま少しすると、左手首に集まっている粒子が先程よりも強く光輝く


「ッ!?」


思わず目を瞑る


すると、突如として左手に先程までなかった少し冷たい感触と重みを感じた


「もう、目を開いて大丈夫ですよ」


エイティスさんの声が聞こえ、目を開くとそこには死ぬ直前まで身に付けていた



水色と白の装飾、そして中央に淡く光るクリスタルに似た鉱石がブレスレットの中央に埋め込まれている腕輪


魔剣戦士イクスへと変身するアイテム『イクスブレス』が装着されていた


「これって!」


「はい。貴方の記憶から再現して作り出した本物のイクスブレスです、勿論変身も剣を召還することも出来ますよ」


「本物の、イクスブレス……」


右手で左手に装着されているイクスブレスに触れる


「優しき心を持つ人である貴方なら、これを渡しても大丈夫だと思い、それを転生特典として選ばさせて頂きました。他にも言語については大丈夫ですからね?それと次に貴方が目覚めたら、異世界です。近くに町があるので、そこを目指してください」


「分かりました、あの色々とありがとうございました」


そう言って頭を下げる


「いえいえ。優しき心を持つ人……ユースケ、良き第二の人生を過ごしてくださいね。」


そう言ってエイティスさんが僕に向けててを翳すと、僕の意識はゆっくりと沈んでいった










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇










「………い、おい」


体を揺すられる感覚と共に目を覚ますと、目の前には赤い髪で軽そうな鎧を来た僕と同じくらいの年の男の子が立っていた


「お、やっと起きたか」


その男の子の腰には剣が鞘に納められた状態でベルトから下げられている


「ど、どうも……」


改めて、本当に転生し異世界に来たのだと感じる


「おう!」


そう言ってにかっ!と笑う男の子


体を起こして立ち上がる


「それにしても、いくらここら辺に魔物が出ないからって昼寝は危ないぞ?例外で魔物が出るかもしれないし、盗賊とかに狙われるとかあるかもしれないんだからな」


「え!?お、起こしてくれてありがとうございます!あの、貴方は?」


「俺はレイト!レイト・クレイフィス、冒険者だ。お前は?」


「ぼ、僕は大空 優助です」


「ユースケか、良い名前だな!」


そう言うと彼はニカッ!と笑う


何だろう、もしこの世界に主人公がいるとしたら彼かもしれないとそう思う


「そう言えば、お前そんな軽装だけど大丈夫なのか?良かったら近くの町に案内するぞ?」


「え!良いんですか!?迷惑じゃなかったらお願いしたいんですけど」


「おう!これぐらい勇者を目指すなら当たり前だ!近くの町って言っても俺もそこに戻るから迷惑じゃないぜ」


「そうだったんですか?」


「まぁな」


「よし、んじゃいくぞー!」


そう言って歩き出すレイトさんの後ろを追いかけ、並んで歩きながら周りの景色を眺める


全てが新鮮だった


風が吹くと草が舞い、綺麗な緑の平原が広がっていふ景色


前世だと、周りは建物ばっかりで自然が少しだけ少なかったから


心なしか、空気がとても美味しく感じる


「お、見えてきたぞユースケ!」


そう言ってレイトさんが指差す方向には大きな街が広がっていた


少し先には門のような所があり、そこから入るようだ


「あそこが俺が活動してる町『エクシアス』だ!」


あそこが、僕が今から住むかもしれない町


「綺麗な町だろ?他の街より治安は良いし、武具の作り手も豊富、冒険者を始めるのならこの街と言われてるんだぜ」


凄いなぁ、もしかしてドワーフとか獣人とか妖精さんとかいるのかな?


会ってみたいなぁ


そんな事を思いながら二人で門へと向かうと、門の前に鎧を来た二人の男の人が立っていた


「よう、レイト。仕事は終わったのか?」


「まぁな!ほい、冒険者カード」


ちょっとまって?


「よし、確認した。通って良し、次は……見ない顔だな、旅人か?」


「………えっと、そんな感じです」


「そうか、冒険者カードを見せてくれ」


まずい、僕そんなカード持ってないよ!?


そっとポケットへと手を伸ばして何か入ってないか触った感じだとなにも入ってない


嘘でしょ!?


「えっと、その失くしちゃったみたいで……」


「失くした!?」


「おいおい………冒険者カードは自分を証明するカードだぞ?そんな簡単に無くしちゃ危ないぞ」


そう言うと男の人が目を開いて驚きながらもそう注意してくる


この人、優しい人だな


こんな見ず知らずの僕の事を心配してくれるなんて


それにしても冒険者カードか、身分証明みたいな感じなのかな?


「す、すいません」


「取り敢えず、この紙に名前を書いてくれ。それで街には入れるからすぐに冒険者ギルドに行って新しく発行して貰えよ?確か150エスで発行して貰える」


150エス?これがこの世界での通貨なのかな?金貨十枚とかそんな感じじゃなくて日本みたいな感じのお金の数え方なのかな?


「は、はい!ありがとうございます!」


そう言って紙に名前を書く、普通に日本語で書いちゃったけど、多分エイティスさんが言語については大丈夫だと言ってたし多分大丈夫だよね


そう思いながら早足で門から街に入る


「わぁ!」


そこには獣の耳と尻尾を着けた獣人や耳が長いエルフ、大きな剣を持った冒険者と思われる人が行き来している大通り


そして木で作られた家や店が建っており、様々な人の笑い声が聞こえる、そんなとても賑やかで綺麗な風景があった


「僕、本当に異世界に来たんだ………」


改めて自分が異世界に転生したのだと自覚する


「おーい!ユースケー!」


レイトさんの声が聞こえてきた方を見ると、此方へと手を振るレイトさんの方に走る


「レイトさん!」


「ユースケ、来るのが遅くて心配したぞ!」


「すいません、冒険者カード失くしちゃってて」


「そうだったのか。それじゃあ早速再発行しに行くのか?」


「いえ、手持ちのお金がないので………と、取り敢えず何処かで働こうかなって」


「そうなのか?良かったらおれが150エス出すぞ」


「いや、街まで案内して貰った揚げ句そこまでは」


「気にすんなよ!俺がやりたくて世話してるんだ。それにお前が金を稼いだら、飯でも奢ってくれれば良いからよ」


本当に、この人は主人公みたいだ


優しくて、かっこ良くて誰かを助ける


しかもそれは自分がやりたいと思えたから


凄いなぁ


「なら、お願いしても良いですか?」


「おう!」


そう言って歩き出すレイトさんに並んで歩く


「そう言えば、ユースケは珍しい格好だけど遠くから来たのか?」


「へ?あ、まぁそうですね」


そうだった、僕の今の服は青のTシャツの上にパーカーと動きやすいズボン


普通に考えたらこの世界の服とは全く作りもデザインも違うんだよね


「と、遠くから来たのでここのお金とかも何も知らなくて」


でも、遠くから来たって事にしたら色々と聞けるからいいのかな


「そうなだったのか。お、ついたぞ」


目の前に他の建物と比べて少し大きく『冒険者ギルド』と書かれた看板が付いており中からは色々な人の笑い声や話し声が聞こえる


アニメみたいなかんじだなぁ


レイトさんの後を追って大きな入り口に入ると受付らしき場所まで歩いていく


そこにはたくさんの剣や杖、鎧やローブらしき服装の人間や獣人がテーブルに座ってお酒らしき飲み物を飲んでいた


「なぁ、こいつの冒険者カードの再発行頼むよ。これ、代金」


「承知しました、それではそちらの方」


すると受付の女の人は良く占い師とかが使っていそうな大きな水晶のような物を取りだすと僕の近くに置いた


「此方のマジックアイテムで貴方のステータスをカードにしますので、此方の水晶に手を翳して下さい」


「は、はい。わかりました」


言われた通り手を翳すと水晶が淡く発光する


「はい、もう大丈夫ですよ」


そう言われて僕は手を離すと、水晶の光が机の上に集まり1つのカードの形になっていく


凄い、なんと言うか幻想的だな


そして光が収まると、そこには一枚のカードが出来上がっていた


「はい、これで再発行出来ました」


そう言われて僕はそのカードを手に取って読んでみる


─────────────────────

〔名前〕ユウスケ・オオゾラ

〔性別〕男

〔年齢〕16

〔種族〕人間

〔冒険者〕LEVEL-1

─────────────────────


なんだか、少しゲームみたいだ


まぁ、この世界にとっては普通なんだろうけど


「よし、これでユースケは仕事を探せるな!」


「何から何までありがとうございます。レイトさん」


「なに、気にすんなよ!さっそく仕事を探そうぜ!俺も手伝うからよ」


そう言われて手を引かれて沢山の紙が掲示されている掲示板らしき所で自分でも出来そうなクエストを探す


『ゴブリンを8匹討伐』


『酒場でのアルバイト』


『カフェでのアルバイト』


見たところで僕に出来そうなのはこれかな


そう思いながらカフェのアルバイトの紙を手に取る


あ、そう言えば再発行……失くしたってことにしてるからクエストの受け方分からないや


「レイトさん、このクエスト受けたいんですけど」


「お、どれどれ……カフェのアルバイトか。受けるなら受付でこの依頼が書かれた紙を提出すれば判子を押して貰えるんだ。そうしたらそのカフェまで行くだけだ」


「なるほど、さっそく行ってきます!」


「あぁ、ちょい待て。ユースケ、お前そもそもこの街に来たばっかりだろ?せっかくだし案内してやるよ!」


「え、流石にそこまではして貰うのは悪いですよ」


「気にすんなよ!言ったろ?俺が好きでやってるんだ、取り敢えずクエストは明日から始めるよう受注しとけ」


「わ、解ったよ。何から何までありがとう」


そう言って僕はクエストを受注しに受付へと向かった




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





あれから、レイトさんにこの街を案内して貰った


服屋やおすすめの料理のお店、僕が明日行く予定のカフェ


お掛けで必要な道や、行く場所を覚えることが出来た


レイトさんには頭が上がらないな


そう思いながら、部屋に置かれたベッドに座る


あれから結局はレイトさんは宿代も出してくれ、僕とレイトさんは別れた


異世界一日目、なんだか凄く色々と聞けたしこの街に付いて知ることが出来た


ふと、左腕についているイクスブレスを見つめる


「僕、イクスみたいになれるのかな………」


エイティスさんからイクスブレスを貰ったけど、実際に変身して戦えるかと聞かれたら


僕は無理かもしれない


僕は臆病だ、実際にモンスターとはいえ戦うのは怖いから


そんなことを考えながら僕はイクスブレスを腕から外す


すると腕を包んでいたブレスレットの装飾以外の輪の部分が淡く光ながら消えていき、真ん中の装飾だけが残る


その状態のイクスブレスを枕元に置いてから僕は瞳を閉じた







ご愛読ありがとうございます


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