人を食らうは欲望の末
「お願い…!僕の国を助けて…!」
ある少年に、泣きながら言われた。私の服を掴む手は痩せ細り、弱々しい。それに加え、彼には左腕がなかった。私は、彼の姿を見て只事ではないのではないかと思った。
「…助けてというのは、どういうことだ。」
そう聞くと、彼は更に泣き、呼吸も荒くなった。
「急がなくて良い。…ゆっくり落ち着いて
話してくれ。」
そう言うと、少年はゆっくり呼吸をして、険しい表情で話してくれた。
「僕が住んでいた…隣、の村で…、偉い人が
賢い人を………賢い、人を…!」
「食べ、始め、たんだ…。」
彼は、それだけ言うと、ひどく泣いてしまい
話すのが困難になった。
私は、とても彼の言うことが信じられなかった。人権侵害であり、法を犯すような事を、偉人がするなど、ありえないとしか言いようがない。しかし、事実ではない事で、幼い少年が泣くなど、無理であろう。これを事実とするならば、社会の明るみに出れば、間違いなく大問題となる話。何故そのようなことが出来る。何故明るみに出ない。少年に話を聞かなければいけない。少年の方に目を移すと、泣き止んで、少しなら話が出来そうだった。
「先程の話について、もう少し詳しく…話せ
るか…。」
それを聞いた瞬間、少年はとても驚いていた。
「…え。……信じて…くれる…の?」
「…わからない。自分自身、信じているのか
いないのか、わからない。…だから、君に
話を聞くんだ。」
「いいか?」
「………うん。」
少年は、真剣な顔で話し始めた。震えた声だった。
「偉い、人…が。賢い人、を…た、食べた…
あ、と。偉、い人、は…言った、んだ。賢
い、人…を食べれば…賢、くなる。こと、
が、出来…るって。……そし、たら、他…
の、村…や、村、人、も。他の人を、食べ
る…よう、に、なった…んだ。そこ、から
は、もっと、強、くなった…り。賢、くな
ったり、する……ために、人、が人…を、
襲…う、ように…なって!…。」
そう言うと彼は、泣きそうな顔で、過呼吸になりながら、叫んだ。言った。
「お願いです…!僕、の国を…助けて、下さ
い………!。」
ここまで読んだ貴方に問題です。
人食いの歴史は、日本にあったでしょうか
正解は…………………………………………
いつかどこかで書きます。
「いつか」なので調べた方が早いです。
その日を楽しみに、この作品を読んでくれましたら、作者は大変喜びます。