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028 神獣④

「兄さん、私も連れて行ってください」

「いや、シャナルはこっちにいてもらわないと、俺がテイムしたとはいえほったらかしじゃあ効果が切れるだろう?」

「それは……」


 うつむくシャナルにレイリックがこんなことを言う。


「エリンとアドリをこちらに置かせてもらえないか?」

「二人を……?」


 二人の意思は、と思ったが二人とも目を輝かせているのがわかった。


「私も定期的にここに来させてもらいたいとは思っているが、足がかりとしてまず二人をと思う」

「本人たちが望むなら構わないけど……二人にエルフのことを聞いてこちらに過ごしやすい場所も作るか」

「ありがたい。いずれはこのレインフォースの多種多様な領民たちと我々エルフが自由に行き来をできるようなことになればよいのだがな」

「随分とエルフらしくない発言に思えるな」


 俺が知るエルフは排他的で保守的で……何より時間の感覚が違う彼らは人間からすれば動きが遅い印象だった。

 レイリックはそのあたり、まるで違うようだ。


「どうやら私も君の精霊を惹き付ける力にやられたのかもしれないな」

「レイリックもハーフエルフなのか……?」

「いえ、若様は生粋のハイエルフですよ」

「ハイエルフ……そういうことか……」


 エルフより珍しい……というか実在すら危ぶまれる神話級の存在じゃないか……。

 もう存在の格が違いすぎて精霊や天使、悪魔のような存在に近いと言われているはずだ。


「さあ、行こうか」


 話しながらも準備を整えていたレイリックとその家臣団がペガサスにまたがる。


「シャナル。二人は国賓、これをもてなせるのはシャナルしかいない」

「わかっています……ですが、気をつけてください。神獣なんて無理はしなくて良いですから、とにかく無事帰ってきて下さい……」

「わかってるよ」


 久しぶりにシャナルの頭をくしゃっと撫でて俺もペガサスにまたがった。


「じゃあ、行ってくる」


 母さんとシャナル、ロビンさん……それからエリンとアドリにも送り出してもらう。

 神話の怪物にどれだけやれるかわからないができる限り頑張るとしよう。


次回王国視点

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