024 首脳会談③
「魔力を込めて同意の意を示してくれれば、魂に盟約が刻まれる」
「契約魔法……人間じゃ扱いきれない高度な魔法だ……」
「そうなのかい? 君ならいずれ身につけそうだけどね」
どうもレイリックにはなにか買ってもらう要素があったようだが……精霊に好かれるというのがそうも大きいとは思わなかったな。
念の為魔法の内容を確認するが、こちらから確認できる範囲におかしな点は見当たらない。
その様子を見ていたエリンがこう口を出してくれた。
「安心してください……。この魔法は、相手を騙すのには使えないです……。私達は精霊と契約して、精霊を通じて魔法を使います。精霊は嘘を嫌います。ですので……」
「ありがとう」
「はぅ……」
きっと一生懸命喋ってくれたんだろう。
限界を突破したのかまた顔をうつむけるエリン。可愛らしいな、何歳年上なのかわからないけど……。
「精霊はエルフにとってのパートナーというわけか」
「そうなる。リーレンは私の契約した精霊の一人で、中でももっとも気難しい子だ」
どうしてそんな子を使者に送り出したんだという思いはあるが、結果的に助かったわけだし文句は言えないな。
「兄さん、本題を忘れないでください」
「ああ、そうだった。魔力を込めて同意……こうか?」
そんなことやったこともなかったからイメージだけで行ったが、書面に変化が見えたということは正解だったのだろう。
一瞬まばゆく光った契約の書面は、そのまま俺とレイリックに吸い込まれるように光を放って消えた。
「うん。これで改めてこの領地とユグドルは同盟国ということになる……改めて、よろしく。ユキア」
「ああ。よろしく、レイリック」
握手を交わし合う。
「さて、同盟も結んだ上で話がしたい。ユキアがなぜこんなところにこれだけの戦力をそろえて森にやってきたのか、なぜリーレンが信頼するに至ったか……聞きたいことは山ほどある」
そう言うレイリックに答える形でこれまでの顛末を話していくことになった。
俺もエルフについては知らないことが多い。可能な範囲で教えてほしいな。
王国視点あと5話!
タイトル戻しました!
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