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黒剣の魔王  作者: ニムル
第1章 センシタリア王国編
7/45

第3話/勇者参上

お久です!


今回一番頑張ったのはどこかって?

本文であると言いたいんですけど、やっぱり面白くないコメントをあんなに堂々と書いた後書きですかね。精神的に頑張りましたw


(マジキチ作者)

 (ゆい)恭花(きょうか)を二階へ行かせて姉と今わかっていることを話そうと思ったその時、


「……ん、く、ふぁ……」


と、一団のなかの一人の女の子が立ち上がった。


 金色の髪の毛を緩く肩まで伸ばしていて、前髪を角を生やすように左右ににまとめて縛っている。目は碧眼で体型は上からB92W58H74という所だろうか。だが顔が童顔だな、パッと見年齢は14歳くらいだろうか?外国人と仮定するとだが。日本人だったらもう少し歳がいっているだろう。


 眠気がまだ完全に覚めきっていないところがとても愛らしい。外国人ともまた違う、可愛らしい顔立ちだ。地球にはいないなこんな子は。ぐへへ洞窟きてよかった。それにしても異世界にこんな上物ちゃんがいるとは三次元も捨てたもんじゃないね、はてさてこの子をどうす…(以下略)。


「あれ? おかしいですね……我々はダンジョン最下層『四代目魔王城ジスキニア』に来ていたはずなのですが……」


「『四代目魔王城』?」


 約コンマ2秒程の間にこの子のことで頭がいっぱいになっていた俺は思わず首をかしげた。てか、この子なんで説明口調なんだろうね? 読者さんへの説明をし始めるライトノベルのヒロインキャラみたい。あ、俺も似たようなことやってたか。


 それにしても、先ほど三人で外を歩き回った時には、城と呼べるような建物はもちろん、モンスターたちが住むであろう穴蔵すらなかった。そんな場所に『四代目魔王城』なる建物など、本当にたっているのだろうか?


 いやいや、ひとまず思考を切り替えていこう。人の言っていることを頭ごなしに否定することは良くない。


 とりあえず、ここが異世界であると仮定しよう。


 まだ異世界でなく、地球の地下にある秘境的場所である可能性も捨てきれないから、まだ仮定であるというところが重要だ。ここテストに出ます。


 そうすると、この娘はこの異世界でいう冒険者や探検家のような立ち位置ではなかろうか。しかも彼女曰くここが魔王城ときた。かなり腕の立つ子なのだろうね。持っている剣がこの意見に対して信憑性を高めている。案外勇者とかなのかもしれないね。


 

「あれ、み、みんな倒れてる!? まさか、私達は魔王に負けたのですか!? そんな……」


「いや、さっきから魔王魔王連呼してるけどここに魔王とやらはいないみたいだよ?」


「そんなの居たら私がタコ(クトゥ)焼きを食べさせてるわ」


 姉さま怖すぎです! 絶対クトゥルフさんのノリで食わせる気でしょ!? 顔に書いてあるよやばい話をしようとしてるのが……


「そんな!? 先程まで私達は魔王と戦っていたはず!?」


と、冒険者ちゃんは胸ポケットから青い小さな板(ド〇ゴンボールのスカウターみたい)を取り出した。それを我が家の外の色々な方向に向ける。


「いませんねぇ……で」


「何をしてるんだ?」


と、冒険者ちゃんの目の前に出てみる。


「これは勇者のみが持つことの許される、魔王の気を感知できる魔道具なんです」


「へー、便利だねぇ!」


 やっぱりこの子勇者だったんだ……なんかごめん、今まで冒険者ちゃんって呼んでたわ。勇者感がどこにも感じられないから。


「ところで君はどこから来たんだい?」


 できる限り優しい口調で聞いてみる。年下の子供を扱う時のパターンだ。本当はかなり苦手だけど、ボランティア活動は受験シーズンにしまくって成績を挙げていたので、子供の扱いには手慣れているのだ。


「どこって、そりゃセンシタリア王国ですが?」


 うん分かんない。聞いたことないわ。ただ、こんな子がこんな装備でこんな所にきた。センシタリア王国から。そのツーワードでもうここが異世界確定だね。ファンタジーいえーい。てか、センシタリア王国ってなんだよ。


「そう言うあなたこそ……!? ふっ、そうかそうか……」


「どうしたの?」


「……そうかそうか、そうですか、そういう事ですか……おかしいと思っていたんですよ、どこにも魔王がいないなんて。普通ありえないんですよそんなこと、魔王が生きていないとこのダンジョンは崩れ去ってしまうんですから!」


「……え? 魔王見つけたの?」


 俺がそう言うと冒険者ちゃ……オット訂正、勇者ちゃんは俺を指さして


「いつまで白けるつもりだ! おまえから溢れんばかりの魔王の気が漏れているのよ! 魔王はおまえだ! さぁ、」


と、いい、腰の剣を抜いて俺に向けた。


「お国の為です。大人しく死にさらしなさいっ!」


「!?」


 ……咄嗟に避けた。こわ、剣向けられたよ、異世界の勇者こわ。人を疑うことしか知らないのか。信じるという単語が自身の辞書にはないのか。なんて悲しい世界。


「ここでは狭いな……仕方ない、外に出るか」


と、勇者ちゃんはものすごい速さで外へと駆けていく。


「さぁ、魔王! かかってこい! 私が一方的に蹂躙してあげるわ、ハハハハハ!」


 何この勇者ちゃん……魔王みたい。


「いやいや、俺に戦う気は無いから!」


「だったら大人しく殺されて。すぐ首をはねて楽にしてあげるから」


 恐ろしいこと平気で言いやがんな、この子。てか、俺が魔王ってどういう事よ?壊れてんじゃないの?その魔道具……


「姉ちゃん、家の中に避難してて! この子を説得する!」


「りょーかいよ! この3人が暴れたら?」


「くとぅ焼きで気絶させて!」


「おーけー!」


 そんな会話をしながら外へと飛び出る。まぁ、くとぅ焼きで気絶するのは元ネタを知ってる俺らくらいだろうけど。


 外に出ると、かなり耳がいいのか、勇者ちゃんはいきなり舌打ちをし、俺に対して悪態をついた。


「私を説得?仲間にでもしようというの?あなたが何も悪いことをしていないのは知っているけれど、あなたが生きていると王国が繁栄できないのよ。さっさと消えて」


 そう言うと勇者ちゃんは俺の胸に剣を突きさし……てない!?


 俺の胸元をよく見ると傷はひとつもなく、勇者ちゃんの剣は地面に落ちている。


 肝心な勇者ちゃんは手首を抑えて悶絶中。


 どうなってんのこれ?


「なんて強靭な鎧なの!?レヴェナントの刃すら通らない……布のように見えて、恐ろしく硬い……魔道具なのね……油断したわ」


 え、俺のパーカーすご……


「ん?」


 パーカーをよく見ると青い光で文字が書かれている。


『魔王のパーカー Lv.1

 説明

 硬さはアダマンタイト級で軽さは絹のよう。アダマンタイト級か、それ以上の硬度の武器でないと傷すらつけられない』


 何これ異世界感半端ない。


 そのまま自分の手へと視線を写すと、おかしい量の文字が目の前に現れた。


小鳥遊(たかなし) (ゆう)Lv.1

 説明

 異世界に家族、幼馴染みと家ごと転移され、その際に家が魔王を踏み潰して殺したため、魔王の力を受け継いだ少年。突然魔王と言われて驚いている。姉、妹、幼馴染みも同様に魔王の力を受け継いでいる。


固有スキル(称号)

 『魔王』→自身よりも下位の魔族、魔物を自由に操ることが出来る


 『異世界転移者』→自身の目に移ったもの全ての詳細が見えるようになる


 『黒剣の魔王』→全ての鉱物を自由に操り、全てを生成することが出来る


 『歴代魔王』→歴代魔王全員の魔力総量を掛け合わせた分に、さらに自分の年齢を掛けた魔力総量を得る


 『魔王力』→全属性の魔術、魔法、魔導が使える、又は覚えられる(ただし、鍛えないと級の高いものは使えない)』


 なにこれチート? はいはい俺TUEEEE。でさ、そこのスキルくん。使い方わからないんだけど!?


「何自分の手を見つめてるの! 私と戦いなさい!」


 なんか怒ってるよ……


 とりあえず、俺にも彼女の攻撃を受け流せる武器が欲しいな……


―ズぉぉぉぉぉぉぉぉ―


「お、なんだ、案外使い方簡単だな、便利かよ魔王の力」


 目の前には、柄は緑で刃は黒く、長さは実に1m半程の剣があった。


 俺が想像していたとおりの長剣だ。


 アニメの主人公に憧れて、1から木刀を削って作った日々……懐かしい。


 それにしても、この剣出来がいいな、惚れ惚れする。


「な!? それは、初代魔王の『黒剣』!?」


 なんか驚いてるけど無視。


「うわっ!?」


「魔王の力を完全に開放される前に殺す!」


 喉元に装備がないのわかってて突きつけてきたか……あ、やばい、アドレナリンが……興奮して意識が……これ、避けられるわ。


 さて、だいぶアドレナリンダバダバして頭がおかしくなってきてしまったのでどうしましょうかねぇ……嗜虐心がそそられちゃうなぁ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「さぁ、勇者ちゃんを気絶させましょう!


 ゆうの3分ノッキング〜、いえーい。


 女の子を殴る趣味のない俺ですが、命の危険を察知すると脳内麻薬大量放出状態(ハイテンション)で性別関係なく打ちのめすことが出来るクズ野郎になるのでーす(正常な思考が括弧の中に追いやられてるのです)


 相手の体を切ってしまわないように慎重に叩いていきます(叩いていくってのもアウトな気が)


 まずは腹直筋! しっかりと叩きにしてつかいものにならなくしてあげましょう(予想外に体が軽いぞ)


 そして腿! 丁寧に、鮮度を落とさぬように叩き、相手の戦力を削ぎます(俺TUEEEE、全く動きについて来れてないじゃん、勇者ちゃん。なんこれ、俺は新手のSMビデオでも見せられてるの?)


 あお? 三分も立たないうちにお気絶なすった、けっ、つまらねぇ(なんてこと言ってるの俺)」


 ようやくテンションが戻ってきた頃合を見計らって、何も出来ずに気絶してしまった勇者ちゃんを引きずるようにして家まで運び、床に寝かすのだった。テンションが上がるというよりは人格が一つの体に同居しているとよく言われるけれど、自分ではそれも含めて自分だと思ってるから問題はなし。


 それよりも、やっぱ暴力は良くないね! 暴力反対! 嗜虐心がそそられちゃうとかなにそれ知らない!


 ……お願いだからポリスメンへの突き出しは止めてね?

次回予告

おっす、オラ術平ニムル

優が派手に暴れちまったなぁー、作者は後処理大変だぜー!


え?次回は姉が勇者パーティーに〇〇や××を!?


次回、『悪魔降臨』

ワークワクすんなぁ〜!

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