第31話/アールグーノ帝国2
( 厂˙ω˙ )厂あたまがおいたなのさ。
( 厂˙ω˙ )厂風邪薬が聞いてきたけど
( 厂˙ω˙ )厂咳が元の頭痛は収まらないね。
無事に壁内王都『エストレル』の近郊まで到着し、ヘリを限界高度まで下ろさせてあとははしごで地面に降りた。
その後転移魔法を使ってすべてのヘリを王国へと送り返してから『エストレル』の検問を通ると、検問役をしていた兵士たちが大慌てで国と連絡を繋ぎ、最終的には帝国の六将軍団の一角である『緋色の天秤』の一同が帝城まで丁重にお運びしてくださいました。
2000年ぶりに部屋から出てきた隣人をどう迎えたらいいのかわからないだろうし、そもそも割と存在すら信じていなかったんじゃないかってくらいの対応だったけれども、そんなことをいちいち言っていたらどうしようもないので兎に角黙って彼らについて行くことにした。
連れられて入った帝城『双極宮』は、まさにこれぞ城、と言いたくなるような大きさに圧倒的な威圧感を併せ持つ荘厳な城だった。
外観は中世ヨーロッパ全体の城の作り方よりは、古代ギリシアの建物の作り方の方が近いものを見受けられ、ピラミッドのように内部構造が複雑であり、攻め込まれても簡単にはやられないようにという保身の意が建物に現れている。
案内されたのは謁見の間と言われるホールのような場所であり、普段は諸外国の王子や王女たちと飲んだり踊ったりに使い、使者が来た時はこのように帝王と謁見するための部屋になるそうだ。
謁見の間に行く道中に天井が開いている吹き抜けがあったのだが、それがもう高いこと高いこと。風がビュンビュン吹いてるんだけどこんな上が空いてて人とか侵入出来ないのかな? とか思ってしまう。
魔法を使ってどれほどの高さか調べようとしたが、俺が一挙手一投足する度に近くにいる衛兵さんがめちゃくちゃびびって止めてくるのでしたかなく何もしないようにしておいてあげた。
しかしそれにしてもバカでかい城だ……機能性を重視した王国の城とは違って、まだその中世の見せたい精神が全面に出てきているあたりとても好感が持てる。
それにしても帝王、随分と待たせるな。何をしているんだ?
俺としてはこの謁見とやらをさっさと終わらせて、大罪とやらを蹴散らして魔王国の存在を世に知らしめた上で異世界転移の情報を集めたいところなのだけど……
「いやあ、お待たせしちまったようだな、王国の御一行さん! 俺あ嬉しいぜ? 長年なんの動きもなかった王国さんが自らこっちに出向いてくれるとはよお。ちなみに王様はどなただい?」
そう言ったのは突然走り込むようにして部屋に入ってきた中年の男性だった。
この世界で見る彼くらいの年齢の人間より圧倒的にがたいがよく、短く切りそろえられったその髪は青々と燃える炎のように逆立っている。服はだらしなく右肩がはみ出し、肌が大きく露見した状態で王というよりは将のような印象を受ける。
まさに活発で暴れん坊将軍にも負けるとも劣らない暴力的な登場の仕方で現れたそれは、おそらく、
いやおそらくでなくとも……
「おっと、自分のことを紹介し忘れちまった! 俺の名前はバリギウス・セレギオン。アールグーノ帝国の帝王をしている者だ! さあ王国の王はどなたかな?」
……やっぱりかあ……
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あれが帝国の王かと思うと少々幻滅してしまうところもあるのだけれど、読心術で心の中を覗いた時の思考も馬鹿丸出しな感じだったので、彼の得た支持率は殆どが人柄や操りやすさなどの本人に百プラスの内容ではないのだろう。
可愛そうだまったくもって信頼を寄せていい人間ではないと思う。特に政治的人間が彼に信頼を置いてすべてを託してしまうと、破産の道しか見えない。
しかしそれにしたも交渉は気持ちの悪いくらいトントン拍子に事が進み、帝国最強の部隊と帝王自らが捜索に出てくれるらしい。なんでも帝王はもともと兵隊畑の人間らしく、道理で全体的な支持系統の判断が薄いわけである。
兵の時は上からの指示をしたに流すだけだったのだろうけど今は立場があるんだからもう少し頑張って欲しいところだね。まぁ、脳足りんだから仕方ないところもあるといえばあるんだけど。
大国の長と協力が結べても長が無能だったらば期待大だったこっちはこういうふうな塩対応になるのは目に見えてるから、魔王国としては協力はしても大きな付き合いにはならないだろうな。
帝国は、王国と新設された魔王国との三国同盟を結び大罪を討つとともに、今後この大陸内でなにか大事が起きた時の互いを支援し合うための条約を結んだ。
とりあえずこれで帝国とのパイプは作れたから思う存分暴れテュポンを倒すだけ。
さあさあさあ、元の世界に帰る前に戦いらしい戦いはしておかないとね。毎度蹂躙じゃあ流石にこっちも気が引けるんだよな……
この間の黒いモヤはかなりいい所まで行ったと思う。少し上から目線のようになってしまうが洞窟内でひたすら召喚でレベリングしてきた俺には、叶わないだろう。何故なら圧倒的に明らかにオーバースペックなステータスのこの体が、俺にはあるからだ。
俺が元々あちらの世界の文字を読むことが出来たからこそ起こりえたことだろうけれど、それでも俺のこの力は強すぎるのではないかと思う時がある。
「いつか暴走とかしなきゃいいけどな……ラノベの鉄板ストーリーの様に」
フラグを思い切り立てちゃったけどなるできる限り回収はしないようにしよう。
そう胸に誓い直した1日だった。
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