第26話/暴風吹き荒れる砂漠
( 厂˙ω˙ )厂なんとね
( 厂˙ω˙ )厂実験でね
( 厂˙ω˙ )厂今日はね
( 厂˙ω˙ )厂何話も投稿するよ
この世界の最西の大陸、ジス大陸。
この大陸は縦に長く伸びており、そんな大陸を更に縦で分断するようにしてバレクナ山脈という、一万メートルを超える壁のような山脈が伸びている。
分断した大陸の東側にはアールグーノ帝国、西側にはセンシタリア王国があり、過去にはセンシタリアの国土を半分まるまる譲渡されて作った魔物の国、魔王国スパロウが、現王国の南側に存在していた。
だがこの大陸には、どの国にも属していない未開の土地があった。
その場所の名を『虚空の砂漠』といい、その場所は常に分厚い風の壁で覆われて人間では立ち入ることは出来なかった。
但それは『人間』を例にした場合であり、今は見渡す限りの草原に生まれ変わり、『魔王の庭』という新たな名が与えられ、帝国王国両国民の交友の場となっている。
『運び屋トロイの日記』
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区画を整備している中で唯一、建物を立てることの出来ない地域が存在していた。その地域にはバレクナ山脈が伸びていないので帝国進出のためのいい通り道なのだが……
「『虚空の砂漠』か……あそこは俺たちじゃあ入れないんだ」
王国での教授っぽい仕事を終えた一宮くんが言う。
「過去に何度も遠征部隊が言っていたらしいけど、馬は行って帰ってこれるのに、人間はその度に消えてしまうらしいのよ」
ステラにしては詳しいな。もう俺の中での彼女のイメージは無知無知腹ぺこ勇者さんなんだけど。
ん? そういえば俺、なんでこの子と初めてあった時にめちゃくそ解説したんだっけ? 今思うと解説するほどかわいくもなk……
「顔みて失礼な事考えてるってわかるんだからね! 馬鹿な事考えてると斬るわよ!」
「かハッ……」
斬る以前の問題で殴られたんだけど……
「……そ、それで、消えるってどういうことだ?」
「文字通り、つぶになって消えていくような感じです」
イリアスさんが解説してくれた。脳筋勇者より全然いい説明だね! とーってもわかりやすいぜっ!
……あ、あれ、背後から悪寒を感じる……誰が発してるかが良くわかるものすごく鋭い悪寒が背中に刺さる……
「ま、まぁ、人間が近づけないとかって、それ、あの砂塵に何か魔法でもかかってるとかそんなんだろ? だったら反転魔法を使ってなんとかすれば……」
「……今まで長年鎖国してきた王国に、古来要素ではない反転魔法の使い手がいるとお思いですか?」
……すみませんでした。うわぁ、めちゃくちゃ睨まれたよ、こわ。前からも後ろからも睨まれてるんだけど……
因みに今のイリアスのセリフを解説すると、古来要素というのは太鼓の時代からこの世界に存在する魔法の属性で、『火』『水』『風』『土』『闇』『光』の六つ。そして新しく誕生した魔法の属性のことを新要素と言い、新要素には『虹』『陽』『月』『草』『食』『反転』『振動』『破壊』『雷』などがある。
新要素は今も尚世界中で生まれ続けていて、個人しか使えない新要素もあれば、俺のように異界の神を体に宿すことで得られる新要素もある。
その中でも『反転』の属性はかなり異例で、作り出した人物はおろか、使える人間すら世界に数人しかいないらしい。
俺の場合、魔王の力で初めから全要素をマスターしてる上に神を宿しまくったので当然『反転』は初期装備だが、たしかに普通の人間が生まれながらにして『反転』の要素を持っていたら、たしかにそれはおかしな話だ。
とにかく、クトゥルフが気配を感じとっていた敵が、王国戦が終わったあとで消えていて、あのカッセルが【暴食】の大罪を追い払ったと衛兵たちが語っていたらしく、恐らく追撃の為にマーキングをしたと見られるマップがその場に残っていたという。
すると、そのマーキングの先がアールグーノ帝国だったのだ。アールグーノ帝国の首都『ラッカニア』の辺りを彷徨いているらしい。
然し、つい先日鎖国をやめたばかりの王国には、簡単にあちら側に行く手立てが無い。ので『虚空の砂漠』を通って帝国に行き、帝王にすべてを説明をした上で【暴食】を倒す又は捕獲するという計画が上がったのだ。
まぁ、彼らがその『虚空の砂漠』を通ることが出来ないから俺らに救援要請が来たわけなんだけとも。
因みについ先日召喚されたクトゥルフさんは、今代クトゥルフの師匠としてめちゃくちゃしごきながらも、王国の国家戦略級魔導師であるクトゥルフの補佐として王国の要職についた。
二千年前の化物が人形で蘇った事実。こわたん。
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そんなわけで『虚空の砂漠』の前まできたわけなんですが、おいおい。そんな大勢で帝国行くのかよ、おいおい。
流石にドン引くよ?
確かに王様の護衛は必要だとは思うんだけれども、もう少し考えても良かったんじゃないかな? ありえないぜ? 一人守るのに千人規模とか。しかも魔法銃まで配備しちゃって。取っておきとか言ってたのはどこの王様だよおい。
「いや、私もそう言ったのですがね……アルタイルが「帝国と対等な立場でこれからのことを進めるには、やはりそれなりの戦力を誇示した方が良いかと」と、引かないのですよ……」
おそらく一晩かけて説得されたであろう王の、憔悴しきったその顔に同情をしながら、俺は反転魔法で『虚空の砂漠』の砂塵の壁にかかった魔法を消す為に、スキル『異世界転移者』で対応方法を考えることにした。
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