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黒剣の魔王  作者: ニムル
第1章 センシタリア王国編
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第6話/勇者ちゃんの観察日記

だいぶ投稿遅れてすんません(´;ω;`)

〜勇者ちゃんの観察日記〜


 看守(あね)に勇者ちゃんだけ俺が回収させてくれと話した。


 二つ返事で了承してくれたぜ、やったァ。


 へへ。勇者ちゃんをてなずけてやるんじゃぁ。


 帰る方法が一向に見つからず、手立てが全くないが、もし元の世界に帰った時に、いい思い出の一つでも持って帰りたい。


 という訳で、勇者ちゃんが俺に懐くまでを日記にすることにした。



ーーー1日目ーーー


 この異世界娘をどのようにして俺に懐かせるか。


 それに関して最高の作戦がある。


 それは食である!


 この間のつまみ食い事件で発覚したが、この洞窟のある国はどうやら鎖国中らしい。


 なんでも、七百年近く鎖国してるんだと。長すぎだね、俺が王様なら着任した瞬間に即刻、国を取り巻く鎖なんて切ってるよ。


 え? 鎖国は鎖で国が囲われてるわけじゃない?知ってるわボケ。


 という訳で、大概の調味料が揃っていて尚且つ材料が無限になってしまった我が家のキッチンと、俺の料理の腕前の出番ってわけだ。


 あれから少しだけ練習して、火、水、土、雷、光、闇の属性魔法が使えるようになったんだけど、属性魔法でないもので召喚魔法ってのがあって、それがとてつもなく便利だった。


 なんと、自動ドアを召喚できたのだ。


 ……我が家の玄関を代償に。


 そして勇者ちゃんは自動ドアに反応してもらえなかった。


 うちの窓も勇者ちゃんの身長では届かない高さに2重目のロックをかけたのであかない。


 ふへへへ、勇者ちゃん、君はもうこの家から出られないぜぇ?


 完全に悪役なセリフだが、まあ、俺魔王らしいから良いよね。


 家から出ることの出来ない勇者ちゃんは、大人しく俺の飯をゴチになった。


 今日のメニューは


朝食

 鮭フレークon白米

 大根in味噌汁

 カボチャの煮物


昼食

 チャーハン

 スクランブルエッグfeet.塩


夕食

 親子丼

 ヨーグルト


と言った、めちゃくちゃシンプルなメニューだ。ただし、なるべく味をこく作った。


 濃い味に慣れていない勇者ちゃんはすぐに虜になるはずだぜ! 確証はないけど。


「んんんっ! んもぉぉいしぃいい!?」


「なっ、何が入っているの!?今までに食べたことのない味だわ……」


「もへへぇ♡ おいしいのぉ!」


「ねぇ、魔王ぉ、もっと作んなさいよぉ。」


 食事を出す度に態度が馴れ馴れしくなっていくな、おい。


 てか、途中人変わってね? ♡なんて使うキャラだったっけ?


 あ、キャラとかいうほど出てないか。


 オット、めたいことは置いといて。


 勇者ちゃんはちょろすぎだったな。


ーーー5日目ーーー


 日記書くのめんどくて止まってた。……なんてことではないですはい。


 勇者ちゃんがひもじ過ぎて、何でもかんでもつまみ食いをしようとするので目を離す暇がなかったのだ。


 日記をつける暇がないくらい大変だった。


 はぁ、早速悪い思い出がひとつ溜まったぜ。あんのクソ勇者が。


  ほんと食べるしか能がないのか、と言いたくなるぐらい食い続けて、遂にはうちの菓子なども食い漁る始末。


「へふぁふぁいんふぁからいいれほ! (減らないんだからいいでしょ!)」


 この発言を聞いた時は本当にぶっ飛ばしてやろうかと思った...いや、ぶっ飛ばした。


 危うく壁を突き破る所だったぜ、危ない危ない。今の俺は、何故か身体能力がインフレを起こしてるからな。


 ……多少傷ついてしまったが、誰も気が付かないと祈りたい。


 ん? 勇者ちゃんはどうしたかって? 気絶してるよ?うん。


 今日のメニューは


朝食

 白米

 鮭のムニエル

 味噌スープin豆腐


昼食

 BBQ


夕食

 シチュー

 

 

の、4品+肉食い放題だった。なんと、勇者パーティーのみなさんも一緒だ。


 勇者パーティーの皆も二日目の時点で姉ちゃんに解放されていて、なんか一緒に食事したそうな顔をしながら、ゴブリンの頭を食い破った魚を食べていた。


 ……あの魚、焼けば食べても大丈夫らしい。ゴブリン、災難だったな。


 そう言えば、あの頭食われた事件からずっと、ゴブリンが何人か集まってイケを取り囲んでは水を汲み出していた。


 アイツらは結構賢いようだけど、人間様が目の前で焼いて食べてるのに気づかないところが少し抜けているようだ。


ーーー7日目ーーー


 昨日丸一日は勇者パーティーがなんか集まって会議していた。ので飯は作ってない。あ、自分の分は食べたな、カップ麺を。


 どうやら俺の飯を食べて大丈夫かどうか。ということらしい。安全だよ、こら。


勇者ちゃんの名前は「ステラ」と言うらしい。


 可愛らしい名前、可愛らしい容姿なのに対して性格が難アリだな。


 ……あ、それは俺が魔王だからか。


 普通の人だと思ってた時は俺たちに対する対応も普通だったもんな。


 そんなステラちゃんだが、もう早速俺に懐柔し始めている。だが、それでも勇者パーティーの中では最後だ。


 うまい飯が食えるとわかった途端に掌返しをする勇者パーティーの面々。


 ……王国、余程ひもじいんだな。国の最賓として扱われているらしいが、そんな勇者パーティーですら食べられたのは国民の2倍の食料。


 その国民の2倍というのも1日塩をかけたパン一口が二口に増えるだけ。


 王族のみがフルコースを食べていると言うから相当はらへってんだろうね。さぁ、俺の作る飯を食べて僕の仲間におなり、なんつって。


 ほんとこんな軽いノリで言ったら、一瞬でなつく三人。


 ステラちゃん、君以外は王国に対して一切の忠義はないようだよ、とニヤニヤと言ってやると、まるで諦めたかのように俺にデレてきた。


 正直今更かよ、焼却処分してやろうか、おい。と思ったが、寛大な俺はそんなことはしないぜ。てか、最近話してるセリフがほんとに悪役な気がする……


 まぁ、何だかんだで勇者パーティー全員をなつかせることに成功した。


 これからは彼女らに外の世界の話を聞き、その内容次第では外に出ることも考えよう。


 ……家はどうしよう、あ、魔法でなんとか運べるか。多分。聞くところによると魔王の魔力(マナ)は無尽蔵であるらしいからな!

「ちょっと! わ、私は魔王の食事になんて屈してないんだから!」


 あー、はいはい分かったよー。(次回予告して欲しかっただけなんだけどなぁ)


「なんで流すのよ、もう! 急に変な部屋に召喚されたかと思ったら、足元に魔王の城にあったような透明の水筒が散らかってて、部屋中ゴミだらけ! 極めつけによくわからない文章を読まされたと思ったらそれが私たちのことを書いてある内容!? もう何が何だかわからないわよ!」


 はいはい、分からなくていいよ〜。(こんなにめんどくさいキャラクターだったっけ?)


 優くんはすぐに対応できたんだけどな(ボソッ)


「...な!?」


まぁ、いいからその今渡した紙に書いてある文章読んでよ。そしたら元の場所に返したげるからさー。

(むしろ早く読んでさってくれ、これ以上長くいられると僕の部屋の汚さを延々と語られそう.....)


「し、仕方ないわね!


 次回予告、優たちのもとに近づく緑の影。


 彼らは何者なのか、敵なのか、味方なのか.....


ついに物語が進み始める第7話!


次回『帰りたいけれど.....1』お楽しみに!」

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