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6話

ゴブリンは緑色の体表で発達したした顎、鋭い歯に一本の角が特徴的だ。また3匹は剣、盾、弓と役割分担している事から知性も在ると考えれた。


タクトは震えを止められずにいた。奥歯は噛み合わずカチカチと音を鳴らしている。呼吸は荒く「逃げよう」の一言すら言えない…。

タクトは視界の隅に剣を構え佇むカグヤを捉えた。タクトとは違い冷静にゴブリン達を見ている。先程までの優しい雰囲気などなく剣士として立つカグヤはとても美しくどこか儚さも持ち合わせていた。

タクトは隠れる様に言われたが体が思う様に動かない。数歩後退すると「3対1で勝てるのか?」その疑問の直後に浮かんだのは男性の死体がカグヤになっているイメージだった。「逃げたい、死にたくない…けどカグヤも死なせたくない!!」そう思うとタクトの中でフワフワしていた何が形を作っていく感じがした。少しだけ震えが残っているが杖の代わりにしていた枝をゴブリン達に向けて構え参戦の意思を示す。

弓ゴブリンから一本の矢が放たれたのを切っ掛けに戦闘が始まった。

「左右から周り込んで弓を撃破」と早口で言うとカグヤは駆け出した。一瞬遅れてタクトも反対側へ駆け出す。弓ゴブリンはタクトに向け矢を射るが命中率が悪いのか当たる気配は一切なかった。剣ゴブリンはカグヤの方に向かい走り出した。金属音が鳴ったかと思うと凄まじい悲鳴とゴブリンの死体が藪から出てきた。それを見た弓ゴブリンがカグヤの方に弓を向けたのを見てタクトは棒を振り上げながらゴブリンに突撃した。カグヤも走り出し矢を剣で弾くと次の矢が装填される前に右手の剣で首を切り落とし、同時にタクトの一撃を盾で受けていたゴブリンの首も左手の剣で切り落としていた。刹那の出来事にタクトは何が起きたのかすぐには理解出来なかったがゴブリンの死体を見ると戦闘が終わったと分かりその場にへたり込んだ。緊張の糸が切れた為か全身から力が抜けていた。

「大丈夫?」

そう言って右手を差し出しくれたカグヤは今までの優しい雰囲気に戻っていた。

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