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3話

「ごめんなさい、そのアプリだった事は少し覚えているだけなの…。」

カグヤから重い空気と一緒に出てきた言葉に違和感を感じた。

(アプリ{だった事は}…?何か隠してる…??)

そう思ったが問い質せる雰囲気ではなく慌てて別の疑問を振った

「そっか…。じ、じゃあ此処が何処だか分かる?」

「多分、私の世界だと思うけど、絶対とは言えないよ。まだ気がついたばかりだから…」

顔を伏せながらカグヤが答えた。カグヤの答えは当然である。カグヤが倒れていたとこから移動しておらず付近には場所を特定出来る様なものもないから…。

2人の間に沈黙が訪れる…

(気まずい…。なにか話題…何かないか!?)

タクトは重くなった空気を一新出来るような話題を探したが見つからない……。


「た、タクトはどうやってこの世界に来たの?」

カグヤが出してくれた助け船に飛び乗った。

「それがよく分からないんだよね…。友達と映画に行った帰り、急に意識が遠のくような感覚に襲われて、気づいたらここにいた。」

「友達と映画に行くかぁ……。私、タクトしか友達がいないから、そういうの羨ましいよ」

…………沈没した……。

「それじゃ、今度、一緒に映画に行こう!」

「それは……無理だよ。」

「どうして?」

「だって、此処は多分私のいた世界だと思うから。この世界に映画は無いよ?私はアプリの時にタクトの世界について少しだけ知ったから映画は分かるけど…」

タクトは落胆した。映画は身近なものでどこにでもあると思ってた。

「でも、劇ならあるから。劇で良ければ一緒に行こ?」

「うん。約束だよ?いつか一緒に劇を観に行こ!」



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