11話
「ところで、あのケンタウロスを
譲って貰えないか?勿論、それなりの額を出すつもりだ」
カグヤはタクトを一瞥すると了承の返事をした。 了承の返事を聞いたリーダーがすぐに部下に運搬を命じる…
「っと、自己紹介がまだだったな。俺はリタ村の自衛団団長のコルガだ!よろしく!!」
「タクトです」
「カグヤです、よろしくお願いします」
「コルガさん、あのケンタウロスどうするんですか?やっぱり食べるんですか?」
簡単な自己紹介を終えタクトが疑問をぶつけた。
「勿論食料にもするが、今は肝が目当てなんだ!」
「肝…ですか?」
「リタ村で黄心病の感染者が見つかってな…それの特効薬になるんだ。それで俺達自衛団が狩りに出たんだが…馬鹿がヘマをしてな…」
部下の顔を思い浮かべ呆れた様子で言ったコルガの言葉を続けたのはカグヤだった。
「もしかして親子で子供を先に…?」
コルガは苦笑いを浮かべた。
「……やっぱり……本来ケンタウロスは臆病な性格なの。自分から人を襲う事はないし、武器を持ってるのも襲われた時に相手の隙を作って逃げるためのものなの。」
何も知らないタクトもカグヤの説明で理解した。
「つまり、僕達が襲われたのも自衛団のその方が原因だ…と?」
自分が失敗した訳では無いが彼等を危険に晒したのは自衛団員であるのは否めない。団長という責任のある立場のコルガはただただ謝罪を繰り返した。




