神器と魔導師を探す旅
蒼は、炎人を背に、美月を両腕に都へと向かっていた。
「さっきから気になっていたんだが、ヘル。君は誰と話しているんだ?」
『聞いていたのか、蒼。今話していたのはだな、かつての戦友だ。前、アタシが言ってたの覚えてないか?巨乳で可愛いのに男らしい変なやつの話いてたろ!』
『我は胸など……。やめろっ、その話!』
「二人は仲が良いんだね。」
『我とコイツが仲が良い?有り得るも……。』
『アタシとブレイズは仲が良いよ。前、胸触り合ったりして二人で……。』
『あーーーっ!やめろ。その話はよせ!今の話は全部嘘だぞ!』
「ブレイズさんって変態さんなんだね(ヘルと一緒で)。」
二人のやり取りを冷静に聞き、冷静に返す蒼だった。そんなところも束の間。
『あっ……、やめっ…ろ……。そこを触る…な……。』
『変態だなブレイズは。敏感なんだから……。』
「声は聞こえるけど、何してるか見えないんだが……。」
『何でそんなニヤついてる!コイツを、止め……。もう我は駄目っ!』
『ブレイズちゃんもう終わり?アタシもっと楽しみたかったなぁ……。あと蒼、人間には身体が見えないんだよ。身体を失ってるからな。しかし、聖天使同士なら見えてるし触れる。今のブレイズの姿は……。』
『言ったら殺す!』
『ヒィー。怖い怖い(寝てるときでもまたしてやるか)。』
『何か言ったか?』
『何も言ってないよ!』
「二人ともそんなこと話すのやめて。今美月が起きたらどうするつもり?」
『すまんな。』
『ごめんなさい。』
「着いた、都に。久しぶりだ……。僕の家来るか?まぁ、正式には僕と美月の家なんだけど。」
『アタシ泊まりたい!」
『泊まらせてもらっていいのか?』
「いいぞ。皆で泊まろう。」
蒼は、鍵を開け家の中へと皆を入れた。家はレンガが積まれ作られている。
「炎人は僕の部屋。美月の部屋に二人が行ってくれ。」
炎人を自分の部屋に、美月を美月の部屋に蒼は運び込んだ。それにしても、この家は特殊だった。
「この家ならヘルたちの身体も見えるはず……。ヘル服を着ろっ!」
『見たな。蒼、今夜ただじゃ寝かせないわよ。』
「着ろ。殺すぞ。」